134 海岸での対決
誤字報告大変助かります。
読んでいただいてありがとうございます。
ヤヒスとリャヒは釣りの途中で巨大なイカとクジラの戦闘に遭遇し、ひどい目に合い海に出るのが恐ろしくなっていた。
「なによ、ボート遊びに行かないの?」
ヴィーシャが砂浜からボートを海面にズリ出しながら言った。
「君たちはあの怖さを知らないから言えるんだよ・・・」
「いやだ、うみこわい」
ヤヒスとリャヒは揃って弔いの場のような表情をしている。
それをよそに女性陣はボートで沖に漕ぎ出して行った。
「さてなにをしようかねぇ・・・リャヒはなにか・・・」
リャヒは少し離れた場所で女性に囲まれている。
「どこから来たんですかー?」
「王都だ」
「泊っているのはどこなの?」
「あそこの水上コテージだ」
「すごーーーい!!VIP御用達のコテージ!!」
「うむ、まぁ」
「何かドリンクでも飲みましょう」
そう言った具合でリャヒは女性陣とどこかへ消えて行った。
(そうだった・・・あいつは顔がすごく良いんだった、でも俺たち二人組だったんだからもう一人にも声かけていいんじゃないのかなぁ・・・)
ヤヒスはその場に座り込んで膝を抱いた。
女性陣はボートで沖に出ると各々釣りなどを楽しんでいる。
「おっ引いておる、これは巻かんとな」
フィスは糸巻きで魚を引っ張っている。
「おおっ見えてきたぞ大きいぞ、ん・・・やったぞーーー」
糸の先には赤い大きな魚が激しく跳ねている」
「あなた釣りがうまいのね」
ヴィーシャが後ろで寝転がりながら言っている。
「マスターは全く釣れなかったと言っておったがこれは才能の差じゃな、がははは」
「魚がいっぱいいる、きれいだね」
パムは水面をのぞき込んで飽きることなく魚を観察している
「フィスさんのおかげで今日の晩御飯はおいしいものがたべられそうね」
ミードリは海岸を眺めてそう言った。
しばらく時間がたつと、誰ともなく海岸へとボートで戻って行った。
海岸を歩いているとヤヒスとリャヒが何やらやっているのが目に入った。
「ハイパーミラクルシュートゥ!!どうだヤヒス!?」
「へっ、これがお前の全力か・・・?」
「なん・・・だと・・・とめた?」
「お返しだ!ウルトラボルテージスパーク!!」
「ぬぅん!ははは!弱いぞぉ!!」
「クッ・・・耐えきっただと!?」
ビシリバシリと互いにボールをぶつけあうヤヒスとリャヒの姿があった。
「何なの・・・あれ?」
ヴィーシャが顔をしかめている。
「クッ・・・やるな!」
ヤヒスが膝をついて言った。
「お前もな・・・」
リャヒは突っ伏して言葉を返してきた。
「「あはははははは」」
その直後二人で笑っている。
女性陣はその様子をそれぞれの表情で見つめている。
世も世界も変わろうと、男子と言うのはえてしてこう言った遊びを好むものである、日暮れてきた海岸に笑いがこだましていた。




