表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

136/272

132 夜話

海岸やテーブルに魔石が灯され幻想的な風景になっているワハイの夜は、老若男女皆笑顔で過ごしている。

リャヒもその一人であった。


「ん、美味である!」

「うるっさいわねー、静かにしなさいよ」

「美味なるものには賞賛が必要だぞ」

「もっと控えめにって言ってるの!」

リャヒとヴィーシャがなにやら喧々諤々している。


「リャヒの奴め、すっかりなじんでおるのう、あの性格ならほっておけなくなるのもあるしの」

「まがりなりにも王だし育ちは良いし、性格も悪くないんだろうな」

フィスとヤヒスはエビを次々と食べていっている。


「マスターそのエビはワシのじゃ」

「俺の皿にあるのにどうしてそうなるんだよ」

「隙だらけじゃ、んむんむ」

「あっ食べやがった!俺一応マスターなんだぞ!?」


二人のやり取りをよそにパムとミードリは黙々とカニを食べている。


やがてシェフがやってきて挨拶をし、味はどうか、ゆっくりして欲しいなど話して戻って行った。


「うーむヤヒスよ」

「なんだい?」

「これを王都の市場で購入してきて、お前が料理すると言うのはどうなのか?」

「それが王都まで行く前にほとんどの海産物は腐ってしまうんだ、だからこの辺りでしか食べられないんだね、味付けもほとんどせずに焼くだけで美味しいから素晴らしい食材ではあるんだけど」

リャヒは自宅でも食べたいくらいに海鮮料理を気に入ったようだ。


食事が終わった後には風呂に入り、それぞれ寝室に向かった。

ヤヒスとリャヒは男同士、同室である。


ふいにリャヒがヤヒスに対して真剣な目で話をすすめてきた。

「お前のおかげで我は何不足なく暮らし、国も順調に発展しているのだと思う、改めて礼を言おう」

「よしてよ、うちのパーティーや団長とか、皆で相談して決まったから誰の功績ってわけでもないよ」


「ふぅむ、して、正室は誰だ?あのヴィーシャと言う娘か?判断力もあり、芯に強いものを感じるが、あのような者は良い母となり強い子を産むと思うのだが」

「んん?」

「違うのか?では誰が正室なのか、まさかあのちっこいのではあるまいな、気が強くて良い妻となりそうではあるが?」

「んんん?」

「ふん、となると側室は他の三人の誰だ?」


「ち、がーーーう!!冒険者パーティーはそう言うのじゃない、仲間だよ、な・か・ま!!」

「ふうむ、そう言うものか・・・」

「やっぱり君はそういう所は王なんだなと実感するよ」


男子同士の会話はえてしてこのように間の抜けた実の無いようなものである。

ワハイの夜は更けていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ