127 面倒な怖がり
マジックローブ討伐のクエストを完了したヤヒスたちは冒険者ギルドに戻る道を歩きながら、会話していた。
「さっきのマジックローブを怖がっているリャヒは傑作だったのう」
「傑作じゃないわよ、ここはアンデッド系も多いんだからクエストにならないでしょう」
フィスが面白がっているのをヴィーシャがとがめている。
「ウオーキングボーンとかどうなるのよ、もう・・・」
「ウオーキングボーンとは何だ?」
リャヒの疑問にミードリが答える。
「その名の通り歩く骸骨ですね、武器を持っていたりもするので厄介なのですが、動きが鈍く火属性に弱いので、やりようはあります、あっもしかしてそれも怖いですか?」
「なぜだ?骨が歩いているだけだろう?骨などただの物だ、怖いわけがない」
「「「「「・・・」」」」」」
「うわぁ、これは面倒くさいぞ、線引きがわからないよ」
ヤヒスが困惑しているとフィスが話に乗る。
「面倒くさいがまぁ、連れて行って悲鳴を上げるかシレっとしているかで現場で見極めるしかないのう」
「あははははは、それは面白いね」
「パムが声あげて笑ってる・・・」
「なんぞツボにでも入ったかの?」
ヤヒスとフィスは少したじろいでいる。
冒険者ギルドに到着して中に入るとバルドルドが出迎えてくれた。
「よぉよぉ、俺を訪ねて来って?うれしいねぇ」
「バルドルド、朝はいなかったから寂しかったよ」
そう言って二人は手をつないだ。
「うん?パーティーメンバーが増えてるな、ちっこいのと背が高い、こりゃ美男子だな」
「ちっこいと言うではないわい」
「はは、すまなかった」
「そちらの美男子はどこから連れて来たんだ」
バルドルドがフィスの相手をしているうちに話がまた回ってきた。
「我か?お前たちが言うところの魔王・・・」
「っと!魔王軍討伐の関係で知り合ってね、冒険者としても駆け出しなんだ」
「ふーん・・・美男美女ってうらやましいパーティーだなおいヤヒス」
「これでも色々大変なんだよ」
「ところで、さっきは何のクエストを受けていたんだ?」
バルドルドが聞いてくる。
「マジックローブだよ」
ヤヒスが答える。
「うん?低いレベルのクエストだな、そう言えばそこの美男子は駆け出しだったなだがお前たちがサポートすればもう少しレベルの高いクエストを受けられるだろう?」
「ああ、そうするよ・・・マジックローブはこりごりだからさ」
ため息をついてうなだれるヤヒスを見てバルドルドは顔をしかめた。




