126 マジックローブ
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「うぉおおおおお!!」
「がはははははは!!」
フィスがマジックローブを自分にリンクさせてリャヒを追いかけている。
「わぁあああ、怖い!そのぼやけた布みたいなの怖いぞぉおお!!」
「わはははは!!王たるものがこの始末ではなぁ!!」
「怖いものは怖い!!」
坑道内で判明したのだがリャヒはアンデッドが苦手なことだった、本人曰く正体のわからない物がうごめいているのに寒気が走ると言うことだった。
「あーあーあークエストにならないわね」
「いや、フィスが押し付けているから余計怖がっているだけで、そうでなければ後ろで縮こまっているだけだから問題ないよ」
ヴィーシャはあきれ顔をしてヤヒスは少し苦笑いをしている
「後ろで隠れているのも問題ないってことは無いと思う」
パムが目を細めてため息をついた。
「ほーらほら、ふざけていないで先に行くわよ」
「おっと、ふざけ過ぎたか」
フィスはそう言うと回し蹴りに火炎を込めてマジックローブに食らわせた。
マジックローブは物理攻撃が効かないが、火属性の攻撃ならばなんてことはない魔物だ。
ヤヒス達の攻略パターンとして、ヤヒスが武器にファイヤーフラワーの属性を結合して、その武器で前衛のヴィーシャとヤヒスが攻撃、その後方からミードリが火炎魔法を放ち、最後尾はフィスの火炎付与格闘で後方に湧いた魔物を処理すると言う流れだ。
「火属性の魔石を大量に持ってきていて良かった、しかもファイヤーフラワーは安いからコストも低く抑えられる」
ヤヒスがヴィーシャの剣に魔石を結合させてつぶやいている。
大分奥まで進んだところでマジックローブが湧かなくなり、来た道を引き返して行った。
「しかしヤヒスの結合スキルはすごいな、何でも結合できるのか?」
リャヒが物珍しそうに聞いてきた。
「何でもかは試していないからわからないけど、魔石は武器や自分に結合させているね」
「なんと!自身にも結合できるのか」
ヤヒスはマジックローブの魔石を取り出して言った。
「ちょうどいいや、これで試してみようか」
そう言うとヤヒスはマジックローブの魔石を手に乗せて胸の前で合わせて叫んだ。
「結合!マジックローブ!」
「あっ」
「えっ」
「あれ」
各自驚いたような声を出している。
「あれ?俺なんか変になったの?あれ、手が見えない」
「あなた透明になったのよヤヒス・・・」
「これは・・・すごいな、完全な隠蔽だ」
ヴィーシャとリャヒが驚愕している。
「このへんか?おりゃ!」
「いでっ!!なにすんだよ!?」
フィスが何もない空間にパンチを食らわせて、そこからヤヒスの声が聞こえた」
「完全に透けると言うわけではないみたいだね」
パムはそう言うと小石を空間に投げた。
「いって、なにすんだよ」
パムに続きヴィーシャもリャヒも小石を投げて笑っている。
しばらくして透明化は解け、元通りにヤヒスが現れた。
「しかしなんで小石を投げるんだよ・・・」
「何もない空間で小石がはじかれて声が聞こえるのが面白い」
パムがそう言うと皆笑ったが、ヤヒスだけは不服そうだった。




