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121 魔王と同棲

王国の外交官が街路を急ぎ、ヤヒスとヴィーシャはその後を魔王リャヒと共について行った。

見慣れない通りを歩かされどこに連れて行かれるのかと思っていたら一軒の屋敷の前に到着した。

「パーティー黄昏様のお家はこちらになります」

外交官がそう言うと、ヴィーシャが反論する。


「こんな大きな屋敷じゃないわよ、勘違いしているわ」

「いえ、以前のお家からは引っ越させていただきました」

「はぁ・・・?」


そう言って外交官は扉をノックすると中からミードリが出て来た。

「あ、ヴィーシャさん、急に引っ越しが決まって、理由も教えてくれなくて、なんなんでしょうね」

ミードリがそう言ったあと。

「私めはこれにて」外交官はそう言うとさっさと街路を行ってしまった。


「あー・・・まぁさっさと入るわよ、リャヒ殿もどうぞ」

「殿は不要だ、リャヒでいい」

「じゃあリャヒは今日からうちの住人ね」


そう言って中に入るとフィスがソファーに座って怖い顔をしている。

「おい、長髪のお前、魔物だろうよ」


「この人は魔王リャヒ、和平の条件の一つとして魔王をこの国に住まわせるんだってさ」

ヤヒスが肩を落としながら言った。


ミードリもパムも目が点になっている。

フィスだけは腹を抱えて笑ってる。


「はぁー・・・魔王軍も妙なことをするなあ、向こうでは王であったかしらんがここでは皆平等だぞ」

「こころえている」

「あなた誰からこんな提案されたの?」

ヴィーシャが問いかけるとリャヒはまじめな顔で答えた。


「我自ら赴くと提案したのだ、城は広すぎるし薄暗いし、家臣の者どもはうるさくてな、そこで和平の話が出てな、これは得たりとこの国で庶民の生活をおくろうと画策したと言うわけだ」


「まんまとやられたなぁ・・・」

ヤヒスが渋い顔をしている。


フィスはまた笑い転げている。


「どうでもいいけどここに住む以上私たちの冒険者パーティーに加わってもらうわよ」

「先ほどもそのような話が出たが、冒険者パーティーとはなんだ?」

ヴィーシャとリャヒがやり取りしている。


「魔物を退治したり、お宝見つけたりする自由業よ」

「おい、魔王に魔物を狩らせるのか?同じ種族だぞ」

ヴィーシャとヤヒスのやり取りを聞いて心得たと言うような表情になったリャヒは言った。


「だいじ無い、おそらくお前たちの言う魔物とは洞窟などに住み、倒すと魔石が転がり出る魔物だろう、あれは野良の魔物でな、土地に固定で湧いたりする現象に近いものだ」

リャヒは手を広げながら話を続ける。


「我らは、魔族と呼ばれる種族だ、まぁそちらが勘違いしてそう呼称しているだけなのだがな」


「そう言えば・・・魔石にならない魔物がいた」

「私も覚えています」

ヤヒスとミードリが声をあげた。


「うむそうか、とにかく全く別物なのだ」


魔王リャヒは笑顔で答えた。

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