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119 魔王軍の出かた

スキルが無効化されるダンジョンに潜り、最深部に居座っていた巨大ガニを倒したヤヒス達は、そのまま王都まで戻っていた。


「あのカニの言っていたことをかみ砕いてみましょう」

ミードリがつぶやいて何かもごもごと言っている。


「そのままの話しではないのか?人間はスキルが無いと弱いぞと示したかったのではないか?」

フィスはあっけらかんとしている。

「その深い意味を探ろうと言うことなのよ」

ヴィーシャは合いの手を入れた。


「うーん・・・実験場・・・スキルが使えないダンジョンでは人間はどう振舞うのか探るため?」

ヤヒスが顎に手を当てて歩いている

「実験場・・・それは答えが近そうですね・・・実験があると言うことは本番がある、なにか企んでいるのは確かですね」

ミードリはずっとそのことについて考えているようだ。


「そうかのう?北での戦いでボコボコにしてやったからの、西の街道も潰したし、魔物はむしろ及び腰になっておるのではないか?」

フィスの一言にパムが反応した。

「魔王軍は学んだ、人間には突出した力を持つ敵がいることを、慎重に出てくる」


「・・・話がまとまってきましたね、また戦があっても魔王軍はなにか対策をしてくる」

ミードリの話しにヴイーシャが答える。

「とにかくギルド長に報告しましょう」


王都に到着した即座に冒険者ギルドに向かった一行は、ギルド長の部屋でソファーに座っていた。

「報告ありがとうございます、まとめると魔王軍の攻勢があっても慎重な出方であり、こちらの勢力を恐れているかもしれないと」


「はい、確信はありませんが」

ヴィーシャがそう言うとギルド長は手を組んで返事をしてきた。

「北の防衛線にはあれからも逐次兵力を増強しています、いきなり攻撃を受けても何とか耐えられるレベルにしてあると団長からは報告を受けています」


「つまり・・・このまま様子見、今まで通りと言うことですか?」

ヤヒスが小さく声を出す。

「おそらくそう言うことになります」


「ヤヒス、確証も何もないのだからそれだけで国軍を動かすわけにはいかないのよ」

「ご理解いただき感謝します」


ギルド長は立ち上がり、退室を促した。


「どうでしたか?」

階下に降りるとミードリが待ち受けていた。

話しの筋を伝えるとミードリは真剣な顔をした後仕方が無いと言うような言葉を発した。


「ほ、危機感と言うものはそれが目の前に迫ってはじめて気付くと言うものだ、また危機に対して過剰に敏感になるのも士気をさげる、落としどころとしてはこんなもんだわマスターよ」


フィスは頭の裏で手を組んで大またで歩いている。

「ま、とりあえずホームに戻りましょう」

ヴィーシャはそう言うと笑顔を見せた。


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