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12 休養日

それから1週間たち、ヤヒスたちはミドルアントを日に30体ほどを倒せるようになっており、1日の暮らしも安定してきた。


「大分安定して生活できるようになってきたな」ヤヒスがそう言うと、ミードリが返事を返してきた。

「ヤヒスさんのおかげですよ、ありがとうございます」

「そんな、パーティーに入れてもらえなかったら物知らずの俺はいまごろどうなっていたことか」


「もちつもたれつよ」

ヴィーシャが腕組みして言う。


「ところで今日は休養日にしましょう」

「休養日」ヤヒスはぽかんとした顔をした。

「ここのところクエストばかりだった、休んでもいいところ」

パムも同意する。


「俺もそれでいいよ、街でまだ見ていない場所もたくさんあるし」

ヤヒスがそう言うと、ミードリも賛成する。


それぞれがパーティーホームを出て。街へ散らばっていく。

ヤヒスはまず果実の並ぶ市へ向かった。


色とりどりの果実が並ぶ市には甘い香りが漂っている。

「これはなんですか」

彼は一つの露店で足をとめる。


「これはナーシだよ、みずみずしくてうまいぜ」

そう言われてヤヒスはナーシを一つ買う。

市にはまだまだ、たくさんの果実が並ぶので、これはと思うものを片っ端から買っていく。


「やれやれ、けっこうな量になっちゃったな」

彼はそう言いながら街角のベンチに腰かけて、ナーシの皮をむいて、口に入れた。みずみずしさと芳香な香りにスッキリとした甘さが口の中に広がる。


「これはおいしいな、村のみんなにも食べてもらいたいな」

ヤヒスは村のことを思い出している。


(お金は送ったから大丈夫だと思うけど、気にかかるな)

そう思って果実を食べ。

また街の見物に向かった。


大道芸、手品、路上演劇など、どれも村では見たこともないものばかりだ。

まだ街の半分も見ていないのに、夕暮れ時になっている。

「もう帰らなくちゃな」

そうつぶやいてヤヒスは家路についた。


帰るとミードリが料理をしている。

「ミードリ、食事なら僕が」と声をかける。


「いつもヤヒスさんに頼りっぱなしだから今日は私が」

ミードリはそう返事を返して来る。


その内パムとヴィーシャも帰ってきたので食事の時間となった。

「うん、美味しい、食べたことの無い味だ」


ヤヒスがそう言うと、ミードリが返事を返して来た。

「南方の香辛料を使ったんですよ、市で安いものが手に入ったので」


ヤヒスはその後も料理のことをミードリに質問していく。

二人は楽しそうだ。


「この子は料理が得意なのよ、素材をうまく使うからそこらの店よりもおいしいわよ」

ヴィーシャはそう言いながら食べている。


「この家、住めて本当に良かった、ヤヒス、ありがとう」

パムがお礼を言ってきたので力になれて良かったとヤヒスは言葉を返す。


食後にミードリが何か数枚の紙を持ってきて、キッチンテーブルに広げた。

「今日、図書館にいったのだけれど、ヤヒスさんのスキル()()のことが少しだけわかりました。そう言って紙を広げた。

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