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111 西の街道をつぶせ①

ヤヒスの故郷であるビソル村から北西に向かうと、以前ヤヒス達が討伐した魔王軍が駐留した平原に繋がる。

以前と同じ要領で平原に向かい、国軍の駐留地に足を踏み入れた。


「お前たちは冒険者だろう、後方にある冒険者のたまり場にでも行っていろ」

ヤヒス達は警備兵に軽くあしらわれた。


「以前お世話になったヤヒスと言う者だと団長にお伝え願えれば話が進むと思いますので、お願いします」

ヤヒスがそう言うと警備兵の態度が変わった。


「お前がヤヒスか、ならそっちはヴィーシャか、なら話は早い付いてこい」

警備兵は踵を返すと駐留地に向かって歩き出した。

「あなたまた名前を売ったみたいね」

「パーティー全体の名前が知れてきたのかな」

二人は話しながらついて行く。


天幕の中では団長が椅子に座っていた。

「ヤヒスを連れてきました」

警備兵が声をかけると団長はこちらを見てきた。


「おお、お前らか、西方の辺境へ行っていたと聞いたがどうだった?」

「はい、魔物の存在と隠れ家が確認できました、それと隠蔽された北方への街道が存在します」

ヴィーシャは彼に報告した。


「やはりいたか、それで街道と言うのは北に本丸があり、そこから兵を送るためと考えていいのかな」

「はい、オーク二体は進軍できる街道です、所見ですがこちらに大軍を駐留させて注意を引き、また別の小勢を西方に送り同時に展開してくるか、その逆でこちらにそれなりの兵力を見せかけで置き、多勢で西方から攻めあがって来るかと言ったところかと」


「ふむ、単純だが効果的だな、しかし一番の懸念材料は魔王軍がどの程度の軍勢を抱えているかと言うことだ」


団長は地図の北方を見ているが、そこは空白地帯となっている。

「以前報告したように、最大7千と見られておられるのでは」

「そこだ、魔王軍には幹部がいるんだろう?まあそれなりに軍勢が付くはずだ、では魔王軍主力は?われわれはまだ主力と対峙していないと見ている」


「7千より多くの軍勢がいると」


「そう考えている、そこでだ、軍が冒険者に言うべき話ではないが、お前たちに西方の隠れ家と街道をつぶして欲しい、楽観論だがお前たちが見たのは隠れ家程度のものなのだろう?そうとすればまだ街道が機能して日が浅いと思われる、機能していたら隠れ家ではなく砦になっている、違うか?」


「はい、私たちが確認したのは確かに隠れ家程度です、おっしゃるように街道が機能していれば進軍する様子も見られたはずです」

「うむ、隠れ家をつぶし街道をつぶしながら北上せよ、軍が見られたら残らず叩き、敵が敗走するか適度な頃合いを見て引き返してこい、死ぬんじゃないぞ」


ヤヒス達は団長の天幕を出て仲間たちの方へ戻って行った。









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