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103 一方的な戦

ヤヒス達5人だけで魔王軍の前線に挑むと知れ渡り、周囲はどよめきに満ちていた。


「いるんだよ、虚勢はって先駆け取ろうとして全滅するパーテイーがさ」

「死にに行くようなモンだな」

「まぁすぐに逃げ帰って来るだろ」


周囲からはからかうような声が聞こえてくる、しかし、ヤヒス達は平然とした顔で魔王軍の方へ歩みだしていった。

横一列5人が石くれが転がる平原へ進んでいく。


「おっ、見えてきたね」

ヤヒスがヴィーシャに話し掛ける。

「あと半分くらいで仕掛けるわよ」


「極大魔法を遠慮なく放てるのが楽しみです」

ふだんは冷静なミードリは気分が高揚しているようだ。


魔王軍の先遣隊が目の前に迫っているが、相手もこちらの意図が読めないらしく、膠着状態である。

そんな中で、ヴィーシャは背中の大剣を抜いた。

それにヤヒスが結合のスキルを使う。


「結合!ファイヤーボム!」

大剣は炎に包まれた。


ヴィーシャは大剣を水平に構え、そのまま横凪に剣を振った。

炎をまとった剣撃が横一文字に素早く魔王軍前衛に斬り込んでいった。


攻撃を受けた魔物は身体が爆裂して、その巻き添えを受けた魔物もまた誘爆している。

ファイヤーボムの特性は自爆とその誘爆にある。

次々とドミノ倒しのように爆発が連鎖し、魔王軍の先遣隊を1/3ほど吹き飛ばした。


次にミードリが歩み出てロッドを真上に掲げた。

「ファイヤスティンガー!」

そう叫ぶと彼女のロッドから、一筋の炎が天空に伸び、そのまま魔王軍の中央に落ちたかと思うと、


凄まじい規模の爆裂が巻き起こり、地面はえぐれてはじけ飛び、魔王軍の兵も燃え上がりながら宙に舞っていた。


しばらくは火炎が地面を覆っていたが、鎮火し始めたのを見て、フィスが話す。

「最後はワシが仕上げだな」

そう言うとフィスの身体が変形して膨れ上がり巨大なドラゴンの姿になり、空に舞った。


魔王軍はすでに恐慌状態に陥り、後方兵力は逃走していた。

「逃がさん」


フィスは魔物が逃げ出して行く方向に舞い、正面から火炎を拭きつけた。

その後もちりじりに逃げる魔王軍を掃除するように丁寧に処理していく。


しばらくするとフィスはヤヒスの所に戻ってきて、人間の少女の姿に戻った。

「逃げようとしたのを大半蹴散らしてやったぞ、まぁ全部とはいかんが300位は後詰めにたどり着いて状況報告するだろう、それが逆に魔王軍の指揮をくじくことになろうて」


「みんなお疲れ様、戻ろうか」ヤヒスがそう言うと全員で戦場を後にした。

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