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97 攻防戦

フィスが修練場で格闘を披露したあとで、冒険者ギルドに寄ってみることにした。

いつもの様に雑多な面々であふれているが、どこか疲れた感じがする。


「おーう!ヤヒスじゃねぇか!!長いこと顔を見ないから心配していたんだぞ」

イエールがハイタッチをしてくるので、ヤヒスもそれに答えた。


「ちょっと遠出していてね、長いこと王都には帰ってなかったんだ」

ヤヒスがイエールに答える。

「おっ?そうなのか、じゃあ攻防戦のことも知らないか?」

「攻防戦?穏やかじゃないね、何があったの」

「掲示板にも貼りだしているがよ、北で魔王軍の動きが活発になって、魔物の出城もあちこちに出来ていてなぁ、冒険者は最優先で討伐に当たって欲しいとの国からの要請なんだ、冒険者だけじゃなぁねぇぞ、国軍も出て砦を築いて防衛ラインを固めている」


「知らないうちに事が進んでいたんだね」

「お前らも参加しろよ、金もいいし、他のパーティーと組んでも報酬は変わらないんでな、数で押し包んで出城を落とすってスンポーよ」

「なるほど、それで疲れた感じの空気なんだね」


イエールは掲示板から紙を剥がしてヤヒスに渡して来る。

「おっ?そのちっこいのは新しいメンバーか?」


そう言われてフィスが面白くないと言う顔をしている。

「なんだ、ちっこいのとは?ワシのことか?ふん、この見た目ではな、ヤヒスはワシのマスターだ、契約を結んでおる」


「まぁ、いろいろあってね、これでも強いんだから」

ヴィーシャが割って入ってきた。

「それより北の状況はどうなの?芳しくない?」

「いや、俺たちが押してはいるが、まぁ同じようなもんだ、砦も落としては落とされてってとこさ」


「私たちも行ってみましょうか」

ヴィーシャはヤヒス達の方を向いて話しかけてきたのでうなづいておく。


こうして北方での攻防戦に、ヤヒス達も加わることになった。


「で、北に行くって言うわけね」

ホームに戻ったヴィーシャが全員に説明した。


「以前落とした出城のようなものがたくさん増えていると言うことでしょうか」

ミードリが心配そうに言う。

「魔物の出城なぞ話しならんわ」

フィスが腕組みしながら言ったので、ヤヒスがそれに返す。


「そりゃドラゴンの形態の場合だろう?」

「マスターよ、修練場では加減をしていたのだ、見ろ」


そう言うとフィスは構えを取り両手と地面に接していない脚に炎を纏わせた。

「この身体にはドラゴンの要素が備わっているのだ、魔物など造作もない」


フィスは胸を反らし自慢げな顔をした。



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