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邪に堕ちし神達の番 〜復讐の焔は、世界をも焼き尽くす。〜  作者: ぷん
第五章 エーレ聖王国編
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第五十九話 情報

次回の更新は水曜日です

翌朝。


俺は目が醒める。

スマホで時刻を確認する。

時刻は5時を刺していた。


2人はまだ気持ち良さそうに眠っている。

それにしても、アルレイヤも無防備だな。

初めて会った時から暫くは、目すら合わなかったんだがな。


少し助けただけで、ここまで信頼されると少し後ろめたいな。

あまりにもお人好し過ぎるな…

まるで、アイツを見てるようで心配にすらなってしまう。


鬼龍院藍那…今頃、上手くやれているだろうか。

ま、アイツなら大丈夫か。


「ん、ぅう…」


アルレイヤが寝返りをうつ。

パジャマの紐が、肩からずり落ちる。

豊満な胸が今にも顔を出しそうになっている。


俺は慌てて、目を逸らす。

が、目を逸らした先には全裸で寝ていたディナの軀が待ち構えていた。


「………」


悔しいが、俺を待ってしてもそういった事は我慢出来ない。

ベッドから立ち上がり、トイレに向かう。


「まだ時間はあるからな。」


結局、俺も同じ猿だって事さ。


ーー


暫くたち、時刻は午前七時。


2人とも目が醒める。


「準備できました。」


アルレイヤが、着替えて支度を終える。

ディナの着替えは俺が担当している。


「よし、行くか」


俺も準備を終えて立ち上がる。


今回の目的。

闘神場や聖都周辺に足を運ぶ。

プレイアンデル姉妹の情報を集めるためだ。

本来は2人に任せようと思ったが、俺の役目は夜なのでそれまで時間が余る。

だから、俺も情報収集に買って出た。


取り敢えず、宿で朝食をすませる。


「ん?」


アルレイヤの様子が変だ。

少し気不味そうな顔をしている。


「どうした、何かあったか?」

「ふぇ!?い、いえ…」


いや、絶対に何かあるだろ。

何だ…心当たりが、、、ある。

まさか…


「見てたのか?」

「!?」


顔が更に真っ赤になる。

どうやら、図星だ。

しかし、まいったな…もう少し配慮すべきだった。

昨晩のディナと俺の行為。

確かに、視線を感じていたが…

見られていたのか…やらかしたな。


「なんというか…すまん。」

「いいい、いえ!部屋を一緒にしていいと言ったのは私ですのでッ…私こそ、配慮出来ず申し訳ありません…」

「なに、謝る事ではないだろう?ていうか寧ろ、お主は我らの行為を見て自分を慰めーー「あああああぁ!!?」


ディナが何かを言い掛けた所で、アルレイヤが慌てて彼女の口を塞ぐ。

物凄く顔が赤くなり、甲高い声を上げる。

これ以上ない位に、恥ずかしそうにしている。

いやなんだ、可愛いな。


でもアルレイヤよ…悪いな。

もう、君が何をやっていたのか察してしまった。


「なんじゃ、恥ずかしがる事はないぞ?どうだ、なんなら今晩からお主も混じるか?」

「なっ、なななか何を言っているのですか!!?そそそそ、そう言うのは好き同士でやるからこそッ!」

「ん?なら、問題ないではないか。お主は、リュートの事が好きーー「にゃぁぁぁああ!!」


再び、焦ってディナの口を塞ぐ。

さっきよりも、より顔を紅くして。

うん、アルレイヤよ…少し、遅いな。


可哀想だし、聞かなかった事にしよう。



「まぁなんだ、俺は何も聞いてない。」

「うう…お気遣い感謝します…」


ーー


血闘場に到着する。

場所は聖都から少し外れた地区にある。


闘神場アレクサンドリア。

巨大な円形の闘技場。

看板に掲示された内部の地図を見てもやはり、観客席が中心のフィールドをぐるりと取り囲む形は映画や世界史の授業で学んだまんま。

まさに、古代ローマの再現とも言えるだろう。


闘神場外の広場では様々な人々が行き交っている。

場内からは、大きな歓声が聞こえる。

聞くところによると、現在あのプレイアンデル姉妹が出場中らしい。


「今日の目的はあくまで情報収集だったが…あの姉妹の闘いは見てみたいな。」

「我々に情報収集は任せて、観覧してみてはいかがですか?」


アルレイヤがそう提案してくる。


「良いのか?」

「もちろんです。」

「情報に関しては、我らに任せると良い。」


こういう時、インターネットが使えれば便利だったんだけどな。

しかし、異世界にネットは存在しない。

スマホを開く事は可能だが、電波は通じない。


これに関しては、まぁ仕方ない。

流石に異世界でもインターネットが使えたら、俺の異世界幻想が崩れ去ってしまいそうだ。


「それじゃー、情報収集に関してはディナとアルトに任せようと思う。

プレイアンデル姉妹についての情報を、細かい情報から隅々まで、出来る限り集めて欲しい。」

「了解です。」

「彼女達が何のために戦っているのか…そして、あの2人にとっての弱みとなる部分も頼む。」

「うむ。」


その弱みの部分も知れれば、或いは彼女達をこちら側に引き込む為の切り札にもなる。

弱みに付け込み、彼女達の選択肢を狭める事も厭わない。

全ては復讐の為に、多少強引にでもあの2人から叛逆の神女の居場所を突き止める。

可能なら、あの2人を此方に引き込む。


 人の往来を眺める。


「よし、取り敢えず後は任せた。俺は試合が早く終わったら情報収集もしてみるよ。」


そう言って俺は、闘神場の中に入り無料観覧席に向かう。

丁度、あの2人が他の闘神士と戦っている。

しっかり、観察させて貰うぞ。


一方で、ディナとアルレイヤも行動を開始しようとしていた。


「それでは、二手に分かれましょう。

「ああ、それとコレを。」


ディナが、皮袋をディナに手渡す。


「これは?」

「あやつから我等に、上手く使えだと。」


チラっと闘神場の外れにある屋台などを見る。


「なるほど…確かに、何かを奢られば人は何かと警戒が解け溶け込みやすくなりますからね。」

「うむ、その通りだ。」


リュートは、目的の為なら幾ら使っても構わないとディナに伝えていた。

足りなくなったら、宝石や素材の類を売って足しにして構わないとも。

そして、最後に無理はするな。


(自身は冷徹な悪魔だと言っておるが、我らには極端に優しいのだな。本当に愛いやつじゃ。)


やはり、あの男を番いにして正解だったと改めてディナは思う。


「では、動こうか。」


ディナとアルレイヤは、手分けしてプレイアンデル姉妹の情報を集める為に動き始める。


それから、2時間程が経過した。

2人は、闘神場の近くの噴水広場で先に待っていたリュートと合流する。


「試合はどうだった?」

「見れなかった。俺が着いた頃には試合は終わっていたよ、圧勝だとさ。」

「ほう、それは見たかったな。」


少しでも姉妹の戦闘を見て吸収しておきたかったが、仕方ない。


「さてと、結果を聞こうか。」

「私は聖都を外れた街で情報を集めました。」

「我はここで出来る限りの情報を集めたぞ。」


なるほど、二手に別れたのか。

ここら辺の判断は2人に任せていたので問題はない。


アルレイヤは律儀な性格だ。

こういった事に関しては信頼できる。

ディナも、多分大丈夫。


「それで、どうだった?」

「思った以上に、闘神士プレイアンデル姉妹の人気が高く情報収集は簡単でした。」


やはり、そうか。

闘神場内でも彼女達の試合では無いにも関わらず、常に話題に出ていた位だ。

この様子なら、街の中でも彼女達の情報を集めるのは簡単だろうと思っていたが正しかったようだ。


2人が集めた情報を持っている限り上げていった。


まずあのプレイアンデル姉妹は、非勇者国だった小国の王族の娘だったらしい。

そこからどういった経緯か、子爵の雇った傭兵として闘神士として闘うことになる。

そのデビュー戦は凄まじいものだった。

当時、闘神場は今よりも人気もなくむしろ不人気だったのだが其処に彗星の如く現れたプレイアンデル姉妹の闘い振りに客達から歓声が沸いた。


そして、彼女達が出場する闘神場は必ず満席になるという絶大な人気を博した。


「今日で、999勝…凄まじいな。」

「ええ、その圧倒的な強さから近頃は対戦相手が恐れてしまい中止になる事もあるそうです。

また、彼女達は観客に対して気遣いなども忘れない事で人気らしいです。」

「闘神場に居た観客も彼女達を支持する人が多かったな。」


999勝。

その全ての勝利が、瞬殺だとか。

それでも尚、客が彼女達を観続ける理由。


「瞬殺、圧倒劇の中にも彼女達は美しさがあり、客はそれを見たいが為に彼女達の出る試合に赴いているとも聞きました。」


まさに、プロフェッショナルという事か。

更に興味が沸いたな。


「そして、明後日…遂にプレイアンデル姉妹の最後の試合らしいです。」

「へぇ?」




この話が面白い!続きが気になる!と思ってくださった方は是非、評価や感想を宜しくお願い致します!

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