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邪に堕ちし神達の番 〜復讐の焔は、世界をも焼き尽くす。〜  作者: ぷん
第四章 円卓十剣、襲来編
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第三十七話 久しぶりの地上

四章:スタートです!

俺とディナは打ち合わせ通りに、後からやや遅れて迷宮を出て地上へと帰還した。

するとやはり、少し先の方で傭兵や冒険者達が集まって騒ぎになっていた。

迷宮の入り口やその周辺で集まっていた傭兵や冒険者達が目を見開いて驚いている。


「黄金の聖杯?」

「あれは間違いねぇ、龍の雫が入ってた聖杯だ!」

「え!?早過ぎないか?」

「あの気味悪い迷宮を更に潜ってたのかい?命知らずだねぇ…」

「すごいなお姐さん!」

「なに?例の異変はもう治っただって? ならお前たち!早速、財宝を探しに戻ろうぜ!」


ふと、辺りを見渡す。

残念ながら、竜誓剣団の姿は確認できなかった。

会えたら礼を言いたかったんだが…仕方ない。

辺境伯が派遣した担当官達も驚いた様子で慌てふためいている。


「レイット様にご報告だ!行け!」

「荷物の確認は後回しだ!!龍の雫…いや、龍の聖杯発見の報告が優先だ! アル殿の荷物のチェックは適当に済ませていい!」

「分かりました!」


大変な事になってるな。

少し申し訳ないが…俺達は普通な感じで担当官のところへ向かった。


「ただ今、戻りました」

「あ、君達か! ええっと、よし急いで始めよう!」


迷宮に潜る前と同じ担当官。

用意された机の上に荷物を置き、素早くチェックを始めた。


「異常なしだ!」

「あ、この素材とこの宝玉を迷宮で見つけたのですが――」

「ああ、その素材は持ち帰っていい。この宝玉も持ち帰って良いがもし売るなら辺境伯様が高値で買い取ってくれる筈だ。その位の美しさとなるとかなり高額で売れるかもな! ま、好きにするといい! よし、チェックはこれで終わりだ。ご苦労だったな!」


全ての持ち物のチェックが終わる。

あの宝玉も問題なかったようだ。


「カーストン、お前は冒険者ギルドと傭兵ギルドに目標の発見の報を伝えてくれ。

「分かった!」


かなり忙しそうだ。

たが、そのお陰で俺達の荷物確認は何も問題なく終えられた。

龍の雫…どうやら、この国の王様はかなり躍起になって探していたのだろうか。


「まぁ、そんなこんなで…」


騒がしい広場を一瞥する。


「これでようやく、目的地に進めるな」



ーー


その後、俺達は迷宮で手に入れた装飾品や宝石類の買い取りを冒険者ギルドで手続きを行う。


三十分ほど経過して、ようやく名前を呼ばれた。

硬貨の入った小袋を受付嬢から受け取る。

彼女の話によると普段よりもかなり高額で買い取られたらしい。

辺境伯及び、王様からそのような指示が冒険者ギルドと傭兵ギルドにあったらしい。

何でも、龍の聖杯の褒美的なものだろうさ。

随分と羽振りがいいな、小国とは思えない。

宝の相場は、詳しくない。


なので、具体的にどのくらい上がったとかは分からない。今回もかなり資金を得られたからよしとしよう。

取り敢えず、暫くは金に困ることはない。



何か情報がないかあとで『禁術大全』にも目を通してみるか。


「リュー殿!ディナ殿!」


ギルドを離れようとした時、アルが声をかけてきた。


「俺が頼んだとはいえ、大変そうだな」

「大変ですが…この後、得られる物を考えれば気にはなりません。」


そう、苦笑するアル。


「で、今後の予定はどうなりそうだ?」

「どうやら明日、報酬の引き渡しを兼ねて直々にアネット小国の女王が歓待してくれるそうです。」


やはりか。

それにしても、女王自ら来るのは流石に予想外だったな。


「辞退は?」

「歓待を受けないと報酬の引き渡しも行われないだろうとのことでして」

「ま、そりゃそうか。」


報酬の引き渡しは勿論だと思うが、もしかしたらそのまま女王の私兵になれと命じられるかもな。

ま、それは困るので俺も手段は選べなくなるので止めてください。


「ですので、このアネット小国にもう一日滞在することになるのですが…」

「ああ、構わないよ」

「ありがとうございます」

「じゃあ、新しい宿は取ってあるが問題ないよな?」

「ええ、明日得られる金貨500枚は3人で分割しましょう。」

「いや、いいさ。それはアンタのもんだろ?」

「ええ、なので私がそうするのです。」

「そうかい。」


少し、強情になったものだ。

現在、小国は黄金の龍杯が本物かどうかを魔導具を使って調べているらしい。



「とりあえず夕飯を食べてから、今後の事を話そうと思うが問題ないか?」

「ええ。」

「それじゃ、また後で」


約束を済ませた俺達はアル別れた。

宿は同じだが、遺跡前から宿まで行動を共にするのは避けたい。

もし、仮に俺と彼女が協力者だとバレれば此方も巻き込まれるかも知れないからだ。

さっさと、宿に戻ろう。


戻ったら、アレを確認しておかないといけないしな。


新しく取った宿で手続きを終えて、ようやく部屋に戻ってきた。

広いダブルベッドが俺達を出迎える。

ディナがベッドにダイブする。


俺もベッドに横になる。

そして、皮袋からある物を取り出す。

何重にも巻かれた結び紐を外し、それを広げる。


「ここが、アネット小国で……」


それは、世界地図。



俺達が今現在、滞在しているアネット小国は大陸の北東部辺境に位置している。

地図で見ると、改めてかなり小さな国だな。

いや、周りがデカすぎるのか。


アネット小国は、北と東に位置する国の中で唯一の独立国家。

アネット小国を更に北東に進むと、神殺ノ遺跡がある森が広がっている。


 大陸の中心は、大神林ユグドラシルと呼ばれる大陸最大の森林地帯。


北はエーレ聖王国と呼ばれる大国。

北のエーレ聖王国は魔界大陸の最前線らしい。



北と西の間にある巨大な壁が、大結界と呼ばれる魔神や魔族の進軍を封じる役目を担っていた。

が、ついこの前にこの大結界は魔神の軍勢によって陥落したらしい。


 陥落した例の場所はかなり複雑な地形になっている。

尖った地形や凹んだ地形が幾つもあり、攻める側も守る側も大変そうな場所だ。

大結界が陥落したが、その中心部に新たな砦が築かれたらしい。

他にも、幾つかの砦があるがさほど重要ではないと思われる。

 

大陸の西側の地にはマリア神聖国という名が記されている。

これは初耳の国名だ。

四大勇者国の一つか。


ヴィーナス勇王国とマリア神聖国の国境付近には、巨大な聖門ピュセルが聳え立っている。


そして大陸の東はブリテン大帝国。


かなり広く、東の大部分は全てブリテン大帝国の領地となっている。

エーレとヴィーナスの国境付近には超巨大国門が聳え立っている。

また、周辺の平地にも騎士が配置されており無断で足を踏み入れた者は一人残らず殺されるという。


俺達が次に向かうのは、この西部最大の国であり四大勇者国が一つ。

エーレ聖王国か…


そこを抜けると、ようやく古の魔女が居るとされる幻界領域。

そこを更に入ると"生と死を隔てる門(ハデス)"へと突入し、その奥に魔界領域があるらしい。


「そして…」


最後に…

大陸の南に位置するのが憎きヴィーナス勇王国。

あのクソッタレな女神とクラスメイト達が居る忌々しい国だ。


全体を纏めると…


北ーーエーレ聖王国。

その他の周辺国家が多数。


西ーーマリア神聖国。

南西ーーセリア公国。


中央ーー大森林ユグドラシル。


東全域ーーブリテン大帝国



南ーーヴィーナス勇王国

その他、周辺国家。


北西ーー魔界大陸及び、幻界領域。


大陸はやはり、勇者国が絶大な領地と支配力を持っているらしい。

周辺国家も恐らく、属国や同盟国といった形で何とか国を維持しているのが殆どだろう。


世界地図、まさかこれほど便利とは思わなかった。


「よし…」


この世界の知りたい事は、だいたい知れた。

今は…17時か。

合流する夕食の時間まで、まだ一時間ほどある。

どうするか…


「リュート」

「どうしーーっ!」


名前を呼ばれ振り返る間もなくディナが俺の唇を強引に奪ってきた。

長い、数分ほど経ってようやく解放された。

引き離された唇と唇から唾液が糸を引く。


「お、おい…あと1時間しか…」

「それ位あれば十分だろう?ほら、脱げ脱げ!」


結局、時間いっぱい俺は彼女に抱かれてしまった。

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