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⑴『闇雲の日々』
⑴『闇雲の日々』
㈠
曇天を見ていると、このどこまで続くか分からない日々が、いつか途絶えることを思い、闇雲になりそうになる。それでも、生きていかねばならないことは、しかし、俺は今まで、疑ったことは、一度としてなかったのである。
㈡
ところが、である、闇雲の事を過ごして、日々を疎かにしていたためか、或る意識が発念したのである。つまり、生きなくてもいい、という方法論も、人生にはある、という風に。これは、確かに、俺は今日まで、小説などで自殺を知って来た。
㈢
ただ、実感として、生きなくてもいい、などという実感は、体感したことがなかったのである。闇雲の日々は、俺に、そういった実感を体感させるようになった。生きなくてもいい、そんな馬鹿げたことがあるだろうか。しかし、死にたくないと、思わなくなったようにも、思うのである。