表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

魔王城に住み着いたねこ ごましおちゃんシリーズ

魔王城のごましお 婚約破棄ですわ!

掲載日:2021/06/01

魔王城に住み着いたネコ、ごましおシリーズ第3弾です。ぜひ、前作と合わせて読んでみてくださいね!


「婚約は破棄させていただきますわ!!」


 王宮に姫の絶叫が響き渡る。



「何故だ? 良い縁談だと思うがな」


 姫の猛抗議に不思議そうに首をかしげる国王。


「お父さま!? 何故私が魔王と結婚しなければならないのです? 普通は勇者さまがお相手ではないのですか?」


「勇者はマナと結婚するらしいぞ? それに魔王を推薦したのは他でもない勇者だ」 


「キーッ、聖女ならともかく、あのまな板に負けるなんて屈辱ですわ!!」


「まあまあ、とりあえず一度会ってみなさいな。やって……会ってみないと相性とかわからないものよ?」

「お母さま!? 今、聞き捨てならないことをおっしゃいませんでしたか!?」

「ふふっ、何のことかしら?」




「まったく、なんで私がわざわざ出向かなくちゃならないのよ!! 私が欲しいなら訪ねて来なさいよね!」


 ひとり魔王城へ向かう姫。


――――ピンポーン!――――


「…………姫ですわ!」



『これはこれは、ようこそいらっしゃいました! 申し訳ないのですが、魔王さまは、ただいま環境問題と戦っておられまして……』


 申し訳なさそうに頭を下げる執事。


「構いません。突然訪ねたこちらが悪いのです。待たせて頂いても良いかしら?」

『もちろんで御座います。どうぞ、ご案内いたします』



『紅茶とケーキで御座います』

「ありがとう。なんだかイメージと違うのね? 私、魔王城ってもっと怖くて暗い場所だと思っていたのよ」


『ふふっ、そうでございますね。以前よりはだいぶ明るくなりました。やはり魔王さまがネコ……いえ、なんでもございません。どうぞごゆっくり、おくつろぎ下さい』


「魔王がネコ? どういう意味かしらね……」



***



 しばらく経ってから、私は執事の言葉の意味を理解した。


「……貴方が魔王ね?」


『うにゃん?』


 くっ、可愛い。魔王なのに可愛い……これが魅了(チャーム)の力なの?


「と、とりあえず話し合いましょう……ってどこ座ってるのよ!? 貴方の席はあっち……ま、まあ、良いわ」


 膝に乗って来たので、仕方なく撫でる。まったく初対面でずいぶん馴れ馴れしいものだわ!!


「それで私が来たのは婚約破棄――――」

『ゴロゴロ……』


「ち、ちょっと聞いているの?」 

『ペロペロ……』

「いやっ!? くすぐったい……もう、そんなに私が好きなのかしら?」


『うにゃん!』


 駄目だ、話にならない、見た目に騙されてはいけない。


 でも……ビー玉のような瞳、もっふもふの毛並み。はぁ……カワユイですわ!




『すっかり遅くなってしまった。爺や、姫は?』

『はい、先程までいらっしゃったのですが、お帰りになりました』

『そうか……怒らせてしまったな。明日詫びに行くか』



――――ピンポーン!――――


『…………魔王だ』



「ふふっ、ようこそいらっしゃいましたわ。今日は人型なんですわね? こちらの御姿も素敵ですわ。さあ、お座りになって」

『人型? あ、ああ、では失礼する――――』


「魔王さま? 違います、魔王さまの席はこちらですわ!」


 自らの膝をぽんぽんする姫。


『なっ!? いや、さすがにそこには……』

「何言っているのですか? さあ早く!」


 これはもしや、怒らせたことへの意趣返しなのかと途方に暮れる魔王だが、断ることなどできない。


 姫の華奢な膝に負担をかけないように、空気椅子状態で耐える魔王だが、頭やあごの下を撫でられてあえなく撃沈。姫の上に思い切り乗ってしまう。


「や、やはり重いですわね……わ、私が膝に乗っても?」

『へ!? あ、ああ……構わない』



 後日、誤解は解けるのだが、それでも結局二人は結婚した。


 二人は仲睦まじく、生涯を通して人と魔族の懸け橋となったと伝えられている。



 魔王城の玄関には、一枚の肖像画が飾られている。


 仲良く並んだ魔王と姫、そしてその膝の上には、二人を結びつけた白黒のネコ、ごましおが描かれている。


 もっとも、当の本人は、そんな絵になど興味はないと、今日も魔王城の玄関で、ぐっすり丸くなっている。


 一番日当たりが良いから。ひだまりが心地いいからね。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i566029
(作/秋の桜子さま)
― 新着の感想 ―
[良い点] とてもごましおちゃんが可愛いお話で素敵でした! 姫様と魔王様の縁結びをしていて、ごましおちゃんはキューピッドでもあったんですね。 [気になる点] 頭やあごの下を撫でられ撃沈した魔王様の、…
[一言] ナチュラルにみんな幸せにしてて笑うw こういう話大好き! 勇者はマナと結婚したんですね……ちょっと意外。 何はともあれ、魔王と姫が幸せそうでなによりです。 二人一緒に環境問題と頑張って戦っ…
[良い点] さすがねこ様、もふもふの生態をご存知でらっしゃる。 私も、あ奴に翻弄されてます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ