第72話
壇上から、舞台袖に降りたサマノを待ち構えていた。
「Use a facecloth , please。」
彼が、差し出したタオルで、軽く汗を拭いながら、歩く。廊下を通って、控室についた。
「随分、英語上手くなったね。僕はまだ、翻訳機を手放せないな。」
サマノに、ついて来たのは、チョコレート色の肌で、細マッチョの、2人組みの男だった。
「ア……リッガトウ……Goザイマス。」
「Good。日本語も上達したね。」
そこに、ノックの音と共に、入室を求める声が、透過した。
「入りなさい。」
そこに、やって来たのは、ポロポ、幼馴染、ゾフィーだった。
「失礼シマス。『救世主』様。オ疲レ様デス。見事ナ演説デシタ。デ、兄達ハ、オ役ニ立チマシタカ?」
「ありがとう。ポロポ。だが、気遣いは無用。彼らは、厳しい内乱状態の祖国で、生き残った歴戦の強者。あるのは、言葉の壁だけだ。」
ポロポから、無糖珈琲を受け取ったサマノ。ごくごくと、飲み干す。
「アリガトウゴザイマス。『救世主』様。」
深々と一礼した後、母国語で何か会話する兄妹達。すると、兄2人が部屋から、退出していった。当然、後には、サマノ、幼馴染、ゾフィー、ポロポが、残る。
「何の用だ。」
「察しが、いいのぉ。『救世主』様。」
「御託は、不要だ。要点を言いなさい。急速かつ迅速かつ高速でな。」
「時に、『預言者』に関してどう思われます。『救世主』様。」
「僕は、『預言者』など嫌いだ。そもそも、サマノ家の男子は、何らかの『能力』を有する。祖父は、その『能力』で『SAR●』無力化に尽力した。更に……。」
「更に?」
「父さんは、『君-ウィルス』だ。そう言った実績を何1つ讃えず、僕1人に、『やれ』と『強制』するだけだ。だから、嫌いだ。で、用件は、何だ。」
後は、無言で先を促すサマノだった。
「ヨウヤク、コノ時ガ、参リマシタ。『救世主』様。」
「遂に、分かりましたわ。『救世主』様。」
「『破滅』の内容ぢゃ。『救世主』様。」
* * *
本作品『若い美女多数に護衛されてるのは、僕が救世主だからだ、いや!ヤリ過ぎだろ』を、ご愛読の皆様
平素より、ご愛好いただき誠に、ありがとうございます。
が、諸般の事情により、本作品の執筆を継続する事が、困難となりました。
そして、誠に残念ですが、休載を宣言いたします。
再開の目途は、不明ですが、皆様の応援さえ届けば、また復活する日も来ましょう。
では、いずれまた。




