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第6話

 結局、3人娘は、車に逆戻りだ。

「まったく、随分な堅物ぢゃ。話が、進まぬではないか。」

「マタ、ホテル住マイデス。」

「最初に言ったわ。彼は、とぉぉっても、頑固よ。それは、私が最後に会って以降、全く変わって無いわ。」

「それを説得するのが、うぬの役割であろう。」

「だからこそよ。彼に敬意を払わないと、今後増々やりにくくなるでしょうね。」

「本当ニ難儀デスネ。」

 ここで、電話のコール音が、鳴った。

 側に控えていたメイドが、主に電話を取り次ぐ。手短な報告を受けた主は、すぐに表情を引き締め、メイドに諾の応えを返す。

「緊急事態ぢゃ。静かにせい。」

 電話を取り、更に報告を受ける。そして、程なく電話を切った。

 そして、メイドが矢継ぎ早に指示を出すと、車は元来た道を引き返す。

「敵襲ぢゃ。これより、大返し(おおがえし)とする。」

「敵襲!」

「分カリマシタ。」


 * * * 


 一方、こちらは、サマノ家。今、閑静な住宅街の平穏を切り裂き、痛ましい惨劇が、繰り広げられている。

「Go! Go! Go!」

 黒装束に目出し帽、抵光量増幅ゴーグルの男達が、場所柄も弁えず、自動小銃を撃ちまくる。

「撃て(Feuer)! お嬢様が、戻るまで持ちこたえるのです!」

 こちらは、白人メイドだ。武装は、抑音機能付き(サイレンサー)の拳銃モーゼルだ。

 マウザー弾が、宙を舞う。だが、火力、人数共に劣勢である事は、否めない。

「お嬢様、到着まで、後2分です!」

 閑静な住宅街に相応しいブロック塀を備えたサマノ家。その塀を盾に射撃を続けるメイド達。

「方々! 持ちこたえなさい! ア……。」

 指揮官をしていたメイドは、肩を撃たれたらしい。台詞を最後まで言い切れなかった。

「次長!」

「私に構うな! 弾幕を張れ!」

 彼女達は、訓練を受けたプロの軍人……もとい、メイドだ。

「嘘だ! どう見ても軍人と、特殊部隊の衝突にしか見えないぞ!」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

 指揮官が、撃たれた程度で、怯むことは無い。だが、射手が、1人減った影響は、大きいものだった。その隙に、金属球が転がり込んできた。

「手榴弾!」

「違う(Nein)! 閃光弾! 投げ返せぇっ!」

 先コー……もとい、閃光が、奔った。

「目が……目がぁ……。」

 等と言う無駄口を叩く者などこの場に存在しない。

 某天空の王国末裔とも無関係に相違ない。

 だが、たまらず戦線が、崩れた。そこに、黒装束どもが、攻め込む。一般家屋の木製玄関扉を、自動小銃の乱射で撃ち抜き、施錠部分が蜂の巣になった扉を蹴破る。

「何だ! その押し込み強盗は! 隠密性の欠片も無いだろ!」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの場に存在しない。

「まずい! 『救世主』様が!」


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