第36話
場所は、ロートシルト家所蔵の、役員用宿泊施設。そこに、4人が到着したばかりだった。
「で、あれは何だったの。」
幼馴染の疑問も、もっともだ。
「うむ、報告せよ。」
ゾフィーの言葉に、打てば響くと言う返事をするのは、家政婦長だ。
「はっ、データベースにて、照合した所、1人を除き中国系マフィアでした。尚、最初に見せたFBIの身分証は、本物でしたが、マフィアに買収された物と思われます。」
「え! あいつら全員中国人のマフィアだったの。」
「例ノ白人ダケハ、本物ノFBI。ガ、マフィアニ、買収サレ、アノ場ニ呼バレタ。ソウ言ウ訳デスネ。」
頷くメイドだった。
「『救世主』様の動向が、既に漏洩しておったとはのぉ。これからの作業が、やり難うなる。何か、方針に変更は、あるかの。『救世主』様。」
「聞いた話だが、C系マフィアとは、名ばかり。実態は、中国の工作員だ。つまり、米国だけでなく、中国も僕の身柄を狙っている。しかも、僕の位置を特定すらしている。」
ゾフィーに目くばせするサマノ。
「はい、相違ございません。」
ゾフィーから指示されて、返答するのは、メイドだった。
「ソレデハ、二正面作戦ニナリマス。『救世主』様。」
「うっそ! どうしましょう。『救世主』様。」
「ピンチは、必ずチャンスに変えられる。考えようによっては、この状況僕達に有利だ。」
「何故ぢゃ。『救世主』様。」
「空港での一件、米中が、協力し合った訳じゃない。中国が、出し抜いた結果だ。何故だか、分かるか。」
「そう言う事なら、わらわからぢゃ。もし、米国主導なら、大した法的根拠も無い以上、CIAや、DIAを導入するはず。よりにもよって、中国系マフィアとは、話にもならぬ。」
「それだけか。アーデルハイド。」
「しかも、あのFBI……ジョン・スペンサーは、かねてより中国系マフィアとの癒着が、噂される闇多き者ぢゃ。自明の理であろう。『救世主』様。」
ここで、終わりとばかりに、身振りで伝えるゾフィー。
「その通り。今更、言うまでも無いが、中国も『救世主』を秘匿している。その確信と確証を経て確定した。大方、僕に世界を救わせてから、中国の『救世主』を、発表する気だろう。」
「全ク『盗人猛々シイ』事オビタダシイ。デ、如何ニシマス。『救世主』様。」
「大した事は、考えていない。『漁夫の利』と言う言葉を、知っているな。」
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明日00:00公開
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