第33話
「それより、僕に説明すべき事が、あるだろう。」
3人娘は、そっぽを向いた。
「今日の事だ。『あれ』の説明をしなさい。さっきは、セキュリティ上の問題を持ち出したが、今は家に戻った。なら、ちゃんと説明できるはず。説明しなさい。」
「『救世主』様、左様に神経質にならずとも、良いではないか。あのような者が、おるのは、『救世主』様が、以前看破した通りぢゃ。」
「そ……っそうよ、以前、『救世主』様が、言いましたわ。米国などは、『救世主』や『預言者』を隠し持っている。とね。」
「デスカラ、全テハ『救世主』様ノ予想通リ。何モ驚クニ値シマセン。アラタメテ説明スル事ナドアリマセン。」
「…………いいだろう。君達の言い分を、『真実』と仮定しよう。」
安堵する3人娘だった。
「つまり、僕は渡米しなければならない。それも、早急にだ。」
「は?」
疑問符を浮かべる3人娘だった。
「理由は、3つある。1つ、確かに僕は以前、米国など一部国や地域が、『救世主』や『預言者』を隠し持っていると『予測』した。そして、『桃色髪』は、米国の『救世主』だ。」
「然り。」
「ええ。」
「ハイ。」
「2つ、だが、奴は『救世主』では無い。奴は『弱すぎる』。『救世主』足りえない。」
「は?」
疑問符を浮かべる3人娘だった。
「では、3つ目の理由を語る前に、奴が、『救世主』足りえない。根拠を説明しよう。」
「ソレハ、米国人ノ『能力』ヲ、『看破』シタ訳デスネ。『救世主』様。」
「違う。だが、僕には、分かる。1つだけな。それは、『1つだけ』だ。奴が、『行使可能な能力は一度に1つだけ』と言う事だ。つまり、60億人以上の人類全てを、救えない訳だ。」
「…………根拠は、何でしょう。『救世主』様。」
「まず、奴の行為を1つ1つ検証しよう。1つ、奴が接近した事に気付かなかった。何故かな、君達。」
「……そ、それは……。」
「答えは、簡単だ。奴は『能力者』だ。そして、自分自身に『能力』を使った。だから、発見できなかった。」
「確かに、辻褄が、合うのぉ。『救世主』様。」
「時に、アーデルハイド、ポロポ、狙撃手をどうやって発見した。」
「着弾地点と、着弾時の角度から、概ねの位置を推定し、その場に向かった。後は、赤外線と視認で発見したのぢゃ。『救世主』様。」
「私モ同様デス。ガ、私ハ鼻ガ利キマス。」
「おかしいな。狙撃手は、そんなに簡単に、見つかっちゃいけないだろう。狙撃手が、発見されるのは、1秒でも遅い方がいい。その方が、奴が自由に活動する時間が増えた。」
「……あ。……」
3人娘は、気付いたらしい。
「奴は、自分自身に、『能力』を使った。だが、『狙撃手』には、使わなかった。これが、奴が、使う『能力』は『1度に1つ』だと言う根拠だ。ちなみに、他にもあるぞ。」
「ソレハ是非トモオ聞カセ下サイ。『救世主』様。」
「では、2つ目だ。小型ミサイルを多数、撃ち込まれた奴は、どうした。」
「空中に逃げ……あっ……。」
「そうだ。トラックを盾にしなかった。これは、恐らくトラックが、ミサイルで粉々になり破片が、降り注ぐ可能性に鑑みたからだ。そんなに『多数』の破片を対象にできない証拠だ。」
「確カニ。」
「更に、小型ミサイルに、下から追われていたにも関わらず、一旦Uターンして自身が下、上からミサイルが終われる形を、選んだ。」
「つまり、自身の『能力』を解除しないと、ミサイルに『干渉』できない。そうすれば、自身が、ミサイルの山の上に、『落下』してしまうのぉ。」
「その通り。最後に、奴は、ミサイルの内『1つ』に、『能力』を使って、全てのミサイルを、『誘爆』させていた。こんな所だな。」
ここで、質問が無い事を確認して、渡米が必要なる最後の理由を説明するサマノ。
「3つ、1、2に鑑みると、奴は、『救世主候補』の1人に過ぎない。『本命』が、存在する。より強い『救世主』だ。で、あれば米国は、諦めないだろう。また、同じ事の繰り返しだ。」
「…………それを、断ち切る為に、渡米する訳ですね。『救世主』様。」
「つまり、殺る訳ぢゃな。米国大統領を。『救世主』様よ。」
「必要なら、副大統領と、CIA長官、全ての『救世主』候補も対応しなければならない。」
「賛成デス。殺リマショウ。『救世主』様ノ、オ命狙ッタ罪デス。」
「そうよね。私も、そう思うわ。『救世主』様。」
「異議無しぢゃ。『救世主』様。」
* * *
明日00:00公開
34話~36話




