表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/72

第21話

 特別学級3日目終了したその日。夕食後の動画鑑賞を、終えたサマノだった。

「アーデルハイド、君が言う所の『興味深い見世物』とやらが、これか。」

「然り。」

「やったぁ♪」

「コレデ、『救世主』様ヲ、イジメタ不届キ者ヲ成敗デス。」

「確かに、今朝、僕は、録音データを渡した。それは、主犯格を追い詰める為の証拠だ。『見て見ぬふり』の生徒に対し、これはヤリ過ぎだ。」

「しかし、鼎の軽重と言う物が、あろう。全てにおいて、優先されるべきは、『救世主』様の安寧なり。主犯、従犯、見て見ぬふり、関係なく、連帯責任ぢゃ。」

「そこまで、言うなら仕方ない。今後は、全て僕の許可を得る事。完璧に完全に完了させる事。いいな。」

「相分かった。」

「はい。」

「承知致シマシタ。」


 * * * 


 話は、少し遡る。

 特別学級3日目の、終了会だった。

「本日で、本教室の使用は終了です。遠隔で会議が、可能になりました。今後、皆さんは、自宅からネットワーク経由で、学校と連絡を取り合います。Network。」

 特に質問は無い。事前の説明が、行き届いているからだ。

「テストなどのイベントは、可能な限り、『遠隔』で実施します。」

 問題無い、とばかりに沈黙する特別学級生徒達。

「尚、部活動、委員会活動は、全て免除します。来週予定しているオリエンテーリング、秋の遠足、学園祭、体育祭、合唱コンクール、修学旅行などは、中止とします。exempt。」

 特に、質問も無い。

 いつもの挨拶をして、終わった。


 * * * 


「ああ、コラ! ナニなまいきなツラしてやがんだ!」

「い……痛い……苦……しい……。」

 胸倉を掴まれ、襟で首を絞められる男子生徒だった。

「ああっ! っせぇんだよ!」

 突き飛ばされた男子生徒。尻もちをついた。

「ゴルァッ!」

 尻もちをついた男子生徒に、蹴りが入れられた。

 勿論、多数の人間によってだ。


 * * * 


 放課後のある教室。

「いやぁー、悪いねぇー。掃除やってもらちゃって。」

「……いいのよ……大丈夫……。」

 そう答えるのは、おさげで、眼鏡の女子生徒だった。

 暫し彼女は1人で、掃除をする女子生徒。バケツで水を汲み、モップで床を水拭きする。

 机椅子を動かす事無く、モップを動かす女子生徒。

 そして、掃除もようやく他の女子生徒達が、教室内にやって来た。

 勿論、掃除を押し付けた者達ではない。

「おっ、やってる、やってる。1人かい、相変わらずだねぇ。」

 教室内にやって来た5人の女子生徒達は、笑う。

「んじゃ、ちょっくら、手伝ってやんよ。」

「……もう、終わるわ……大丈夫……。」

「いいって、いいって、エンリョすんな。やんな。」

 眼鏡の女子生徒を2人がかりで、押さえつけ、1人がモップを持って接近。

「……お願い……やめて……。」

 さっきまで、床掃除に使っていたモップで、眼鏡の女子生徒を、なでる。

 またも、笑い声が、上がる。

「ツギ、あたしな。」

 今度は、濡れた雑巾を投擲する。俯いた眼鏡の女子生徒は、髪を濡らす。そして、髪からずり落ちる雑巾。

 この様な、『悪戯あそび』が、暫く続く。そして、下校時間の予鈴が鳴った。

「おっと、いけない。ジカンだ。」

「じゃあなぁ。ちゃんと、ソージすんだぞ。」


 * * * 



明日00:00公開

22話~24話


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=893380188&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ