表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/72

第10話

「うむ、ご苦労。今後も引き続き張り付け。」

 電話を切り、メイドに預けるゾフィー。

「たとえ、扉が、破壊されようとも、己の部屋で眠りたいそうぢゃ。」

「『救世主』様らしい、ですわ。」

「結局、何1ツ話ガ進ミマセン。『身辺警護ノ為』ト押シ切ッテノ同棲受諾……実質、コノ程度デス。」

「確かに、ここまで約1万4千文字使って、これだけじゃ読者も納得できるか。」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

「時に幼馴染殿。『救世主』が、頑なな理由に心当たりは、ないのかや。」

「私は、『救世主』様とお隣同士だったのは、7年前までです。それ以降は、昨日まで存じ上げません。」

「そいえば、先程も左様な事を申しておったのぉ……して、ショコラーデ、さっきから何をしておる。」

「儀式ノ準備デス。」

「儀式? 何の術です。」

「『霊媒コネクト』デス。」

「例の『呪術』かや。」

「私ハ、『名前』サエ知ッテイレバ、任意ノ『霊魂』『精霊』ヲ『冥界』カラ『召喚』可能デス。ガ、コレカラ『召喚』スル『霊魂』ハ、名前ヲ知リマセン。」

「つまり、『霊媒コネクト』……とやらは、名を知る為の『呪術』。そう言う事かや。」

「実際ニハ、名前ヲ知ル術ヲ、準備トシテ実施シ、名前ヲ知ッタ事デ、引金型トリガーノ術トシテ、本番タル『召喚』ヲ発動サセマス。今ハ一括リニ『霊媒コネクト』ト呼ビマス。」

「止めましょう。今は、彼女を準備に、集中させるべきです。」

「然りぢゃな。呼び止めてすまなんだ。作業終了時点で、教えてたもう。」

「構イマセン。」

 暫し各人が、思い々々の手で、暇つぶしをしていく。そして……

「デキマシタ。」

「もうできましたか、流石。」

「おお、できたかや。して、早速発動してみせてもらえぬか。」

「分カリマシタ。」

 『霊媒コネクト』を発動するポロポだった。


 * * * 


「おお、サマノぉ、シュクダイやったんだろ。ミセろよ。」

「宿題は、済んでる。で、君に見せてやる必要は無い。ましてや、宿題は、自分で終わらせる物だ。他人の宿題を見せて貰わないと、できないようじゃ、話しにならない。」

「うるせぇ!」

 殴られるサマノ。

「キョーイクが、タリてねぇな。ツイてコイ!」

 4人がかりで、サマノ1人を運び出す。更に……

 校舎裏に場所を移す。

「フザけんな!」

 罵声と共に、蹴られるサマノ。

「ナマイキなんだよ!」

 またも蹴られる。4人がかりの暴行は、予冷が鳴るまで続いた。

「チコクすんなよ。サマノ。」

 そう言い捨てて立ち去る連中だった。


 * * * 


「何ぢゃ! こ・れ・は!」

「私が、引っ越した後、こんな事になっていたなんて……。」

「日本ハ、トテモ善イ国デス。日本人1人々々ニ、『守護霊』ガ、存在シマス。デスカラ、ワザワザ『冥界』マデ『霊媒コネクト』スル必要ガ在リマセン。」

「しかも、『守護霊』は、『救世主』殿を常に見守っておる故、かような情報も聞き出せる。そういう訳かや。」

「ハイ。更ニ恐ルベキ情報モ入手シマシタ。」

「ほう、それは、教職員の事かや。」

「ハイ。残念ナガラ教師ガ、見テ見ヌフリヲ、シテマシタ。」

「最低ぇ。」

「更に、『救世主』殿には、何の落ち度もない。『間違っている事を、間違っている。』そう、申したまでの事。かような状況では、人間を邪悪と断じる事無理からぬ。」

「…………いやぁぁな、予感がしますの。親御さん、特に母親は何をしていたのかしら。」

「ハイ。ソチラノ『名前』モ、『守護霊』殿カラ教エテ頂キマシタ。」


 * * * 


 場所は、東京某BAR、時刻は、18:58。

 鈴の音をお供に、出入口が、開いた。

「いらっしゃい。」

 バーテンダーの素っ気ないご挨拶は、BGMの様な物だ。

 背広姿の若い男が、若作りの女の隣に腰かける。

「おそぉい。」

 咎めると、甘えるの間を狙った微妙な声音。

「あれ、そんなに急いでた? それとも……」

「早く、逢いたいのよぉぅ。」

「そんなに持て余してるのかい。海外単身赴任中の夫を待つってのは。」

「そぉぅよぉぅ、今日は、ちゃんと慰めてよねぇ。あ、そだ。先週行ったホテル、雰囲気良かったわ。」

「今日も、だろ。……お会計、お願いいたします。」

 男が、会計を済ませる。と、2人は、店を出る。


 * * * 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=893380188&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ