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幕間:全ての私へ捧ぐ恋歌



「───悠奈(ゆな)!? 悠奈ッ!! お母さんよ!? 分かる!?」


「おい! 一体何があったっていうんだ!? いくら通り魔でもこんな……こんなことが……!」


「分からないわよ!! 爆発が聞こえて、気づいたらもう……」


「クソっ…………!! 頼む……どうか、どうか娘を……!!」





────私は。


────そう、だ…………


────死んじゃったんだ、もう


────お父さんも、お母さんも、


────悲しませちゃった…………


────友達作る……約束したのに……


────最期の、最後まで…………


────し…………で


────……な……


────────








『それでいいの? 本当に?』『いえ、いいえ? 悠奈? やりたいこと、あるんでしょう?』



────…………ん。だ、ぁれ……?



『はじめまして! 私■■■!』『そして私は■■■■』

『『二極一対。それ即ち■■■也』』



────……ピリッとする……



『当たり前よ?』『だって■■■だもの!』


『ところで本題よ? 悠奈の望み、教えて頂戴?』『私たち、もしかしたら叶えられるかもなんだー?』



────望み……


────…………




────…………友達。1人は、もうや…………



『ええ、叶えましょう。あなたの生に(いとま)を、そして寄り添う者を』

『けれどその代わり、生きるってこのまま死んじゃうよりも辛いんだよ? でないと意味も価値も輝かないもの。そんなとき、悠奈ちゃんは誰かの手を、その温かさを離さないでいられる?』



────…………うん。


────……こわい、けれど……


────お姉ちゃんたち……優しそう


────だから……



『ッ──────あーもう可愛いっ♥ 今更だけどなんて良い子なのかしら!?』

『■■もこういう子選べば良かったのにね?』



『────さて』



『それじゃあ改めて』『契約を』


『我々は■■』『汝の天運を別つ者』『原初より宙を舞い、この世の四分一を配する者』


『故に汝に授けるは主の御業』『而して驕るべからず』


『我々は汝と共に在りて』『その身、その髄までをも駆けるだろう』


『忘れてはならぬ』


『二極一対』


『『その真なる意味を────…………』』






「パパ帰り遅いねー?」「ママも遅くなるそうよ?」


「二人きり、だね……?」「そうなるわね…………」


「「…………」」





「……ねぇねぇ夜奈ねえ?」「なッ? 何かしら、日奈……?」


「そういえば、今日夢を見たの!」「あら、珍しいわね? 日奈ったらいつもぐっすりじゃないの?」


「そうだっけ?」「私の寝顔、夜に見たことある?」


「…………ない」「でしょう? それで、どんな感じだったの?」



「何だかね? パパとママが泣いてたの」



「…………!!」



「それでね? その時確か、ゆ……」



「ねえ日奈? 今何時だったかしら?」



「? 五時半じゃないの? じゃなくて────…………何だっけ?」



「怖い夢ほど人間ってよく忘れちゃうらしいけど、日奈は怖いものは好き? 前行ったお化け屋敷とか」



「ううん! アレめちゃくちゃ怖かったんだから!! それに日奈知ってるよ? あの時どさくさに紛れて夜奈ねえってば────」



「やめてっ! アレをああしたとか恥ずかしいにも程が────」





────……あの時の私は、何故か他愛も無い話を遮っていた……


────妹の話なら何でも聞いてあげる気でいたのに…………


────きっと私は、私たちは。何かが矛盾している。


────こんなの、他の『未元』達には無いはずだ。


────きっと先輩……第一階位■■と違ってこの身体に無理を通したからだ……


────思い出せない……あの時私はいくつだった? 


────嗚呼……ごめんなさい■■■。伴侶たる貴女にまでこの苦悩を共有してほしくないの。


────だから……これは■■■■(わたし)だけの消えない傷、鳳蝶夜奈の身体にだけ刻まれる記憶……


────だって……この身体のままで、もっと一緒にいたいもの……




あとがき

 パピヨンハート、及び本編は現在絶賛製作中です。今後も不定期ながら更新していきますのでどうかご期待くださいませ(*- -)(*_ _)ペコリ

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