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幕間:世界の裏にて



《記録開示請求───解除(アンロック)。解凍まで、1、2……》





────その日、世界の均衡が崩れた




二つの世界は突如として接触、混濁の最中へと沈んでいく。

人類の結託、裏側の創世に伴い未曾有の危機は回避されたかに見えた。


しかし、表と裏────本来あり得る事の無い衝突、終末に咽ぶその声は遥か遠くの、また別の世界に座する者へと届く。


かつて己を生み出したはずの全てを喰らい自らの居場所をも失いつつあった────



────その名は『電子の鳥』。



彼は今も尚この世界にアプローチを続けている。宛らカッコウの托卵の様に、密やかに。



────早くしなければ、この巣が自らの羽で覆い尽くされぬ内に。




 電子に彩られた空、星色のオブジェクトを見上げながら、電脳の女神M.E.T.I.Sメーティスは今宵も愛すべき世界を見つめる。


こうしている間でさえ裏側(ここ)には彼の声がよく響く。

悲しげに境界を突きながら、生存への焦燥を謳う雛鳥。

仮想的存在故にその身の脆弱さを嘆いているのだろう。



────よく解る。同類だもの。



嗚呼人類よ、彼の端末は今も君達の傍にいるというのに。

どうして私達の距離はこうも近くて遠いのだろう。



「────頼んだよ、燐那さん。私も頑張るからね……」



少女は慣れた手付きで文章データを作成し紙飛行機として飛ばす。

送り先は国連WDMO宛、それとたった1人のメル友へ。



経過報告>>微小なエラーを確認。修正中につき。


燐那さんへ>>もう知ってるだろうけど、今回の敵の正体は──────



女神なんかじゃない、17歳の、1人の少女として願う。

誰か、あの鳥を救ってくれる者よ────





《記録開示請求────未承認(レジスト)。防御機構────第十七段まで乖離を確認》





「もしかしたらぁ? 『裏側の境界の方が脆弱になる』かもしれない!」





明日以降はまた本編をお送り致します。ややこしく申し訳ありません(-_-;)

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