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『《逆》ビーストテイマー』、聖獣に飼われる。  作者: 豚肉の加工品
プロローグ
2/14

第二話  獣と少年

短いよ。

誤字は許して

伝説との遭遇から夜が明けた、次の日の早朝。

ルディークは特に変わることのない朝を迎えていた。

森の中にポツンと建てられた二階建ての木造建築の家には、不思議なことに動物たちが寄ってくる。

魔力の力が濃いと言われる〝新世界〟との境界にあるルディークが住む家には、ありとあらゆる存在が近づいてくるのだが、特に動物型と呼ばれている魔物が多くいた。

もちろん……その渦中にいるのは、


「お、おい!それは俺のパンツだッ」


『狩人職』名門クライバーズ家の長男である、ルディーク・クライバーズである。


「待て!待てって!俺は空は飛べないんだからせめて地上で戦ってくれよ」


ただいま絶賛、大鷲と格闘中であった。

毎朝のようにルディークの部屋の小窓を突き破るように侵入してきては衣類をついばみかっぱらっていくという、あまりにも大胆な怪盗である。


「来い、来いよオラァ!!地上に来てみろよォ!」


まぁ……残念ながらどれだけ煽ったところで降りてくるはずもない。

むしろ嘲笑うように空中を旋回しているまである。


「クソ……。なんでお前は毎回パンツなんだ」


悪態をつきつつも、他の皆がどこかでイタズラをしていないか確認していみる。

バーンズドックの〝バーンズ〟は虎視眈々と俺の顔面を舐めまわすことを狙っているし。

アサシンモンキーの〝アサシン〟は動物を狩ってきたのか血抜き作業をしているし。

ドレッドファングの〝ドレッド〟は大木を自慢の突進でへし折ってきたのか運んでくるし。


「…………はぁ、お前らぁ」


種類は少なくとも数がいる。

おかげさまで木材には困らないし、食用肉にも困らないし、愛玩だって困らないのだが、如何せん量が多すぎるのだ。

ここにいる魔物たちの食事を考えても多すぎなくらいだ。


「おっ、今日も凄い数だな」


「あっ父さん、おはよう」


「おはようルディ」


クライバーズ家の大黒柱であるダーティ・クライバーズ。

現『狩人』職の頂点にしてこの世界でたった一人の〝全耐性〟というスキルを備えた規格外の登場だ。


「どうしたの?何だか疲れてそうだね」


が、酷くやつれていた……。


「……誰のせいだと思ってるんだ?」


「だ、誰のせいでしょうね」


「お前のせいだよッ!!昨日帰ってからもお母さんと一緒に家系図まで見直して悩んだんだぞ!?いったいどうなってんだよ、もしも〝ビーストテイマー〟なら異例なことなんだぞ!」


「異例って言ってもなー、俺は昔からこんな感じだったんでしょ?動物には(・・)好かれてたって前々からそう言ってたじゃん」


「あぁそうだよ……そうだけどな。『職』の儀でも神官からの反応はない、魔力は感じるのに魔法には至らない、物作りには長けていても錬金とまでは言わない、目は良いし格闘センスも悪くはないが弓が的に当たらない。もうこれだけ不安要素あったら考えるのを止めるだろ?」


付け加えるならば、人間に好意を持たれにくい。

これでも世界的に見ても有力な家柄でもある『狩人』のクライバーズと『魔導』のイシュタリアの間に生まれた者であるルディークだ。

そして〝長男〟ともくれば、これから継いでいく者としてある程度の好意を向けられても良いはずだが、中枢都市のパーティに招かれた時は酷い有様だった。


「獣臭い」

「近寄りがたい雰囲気がある」

「目が笑ってない」

黒い髪(・・・)……不吉の象徴だ。近寄らない方がいい」


正直なところ……父親であるダーティから見ても、不気味さは感じているのだ。

形が定まらない〝歪さ〟が、時折垣間見える瞬間がある。


「(昨日の聖獣様との邂逅……――――)」


森を守り統一する者だからこそ、獣に敬意を表すのは当然のことである。

生かすも、殺すも、崇めるも、全て出来るからこそ覇者であるのだ。


「とにかく!今日の朝からは中枢都市に向かうからな、用意しておけよ」


「あぁ……昨日のやつね。ホントに行くの?あー……ヴぇ、ヴァ、ヴィ」


「〈ヴラーズ〉だ」


「あ、それそれ。〈ヴラーズ〉ね。それじゃ皆に餌をやってから用意するね」




モチベを回復させるためにはモンハンしかない

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