第8話 新入学園生アレン
グレースに導かれ、能力開発都市へとたどり着いたアレンは、ある日、少女を助けたアレンは、その少女ソフィアから神の御加護を得られるはずが、あらぬ方向に転がり、ソフィアを追って来ていたヘルチェイサーが襲いかかってきた。
そして、ソフィアは、アレンを助けるために、犠牲になってしまう。
さらに、敵の最大の攻撃を粉砕し、なんとか勝利を収めたアレンだったが、その後のグレースとの電話通信により、死の宣告を受けてしまう。
それと同時に、学園都市に行けばなんとか、アレンの能力が分かるかもしれないと告げられ、学園都市へ向かう。
途中に寄った喫茶店で、ソフィアの幼馴染アマンダに出逢い、その再会を懐かしむ2人だったが、昔の2人の話を、店主から聞かされ、その話に感動するアレン。
そして、学園都市へ向かう事を思い出し、急いでAir-Buss Ta-minalに向かい、2番乗り場から、バスに乗って、学園都市へ……!
と思って、着いた場所はなんと、荒野の果てだった。
なんと、アナウンスが入ったのは出陸後で、2番乗り場だと、思っていた場所は12番乗り場だったのだ。
着いた矢先に、泣きじゃくるソフィアに起こされたアレンは、驚愕し、2番乗り場がある荒野を歩き続け2つの分岐点でソフィアと喧嘩になり、離れ離れになってしまう。
そして、その数百メートル先に、学園都市の生徒達が倒れていて、そこにソフィアも立ちすくんでいた。
それは、なんとマスムーブメントという能力を持っているナギの仕業だった。
だが、能力も分からずに闘うと被ダメージが蓄積され、死ぬ恐れがあるアレンは、苦肉の策でソフィアだけを先にバス停へ向かわせる。
それに、逆上したナギは、アレンを地面に沈ませようとするが、なんとかしようという希望の光が一瞬放たれ、アレンは、自身の能力に気づき、ナギを過去の地位や、名誉などに埋もれていると断言し、一刀両断して、なんとか倒したアレン。
その後、すぐにSSG達や、CPT達が駆けつけ、ソフィアが先導していたらしく、2人は微笑んだが、アレンは、気絶してしまう。
第8話 ようこそ学園都市へ!歓迎新入学園生
「ん...ここ...は?」
「あっ!アレン気がついた?!」
「ここは、病院だよ!」
「ソフィア...良かった。」
「アレンは、毎回無茶しすぎなんだよ!!」
「この前の魔術師の時だって、1人で無理して倒しちゃうんだもん。」
「あれは...ソフィア、も…庇ってくれただろ?」
SSG「だからって、無理しすぎはよくないんだってよ!」
CPT「だいたい、戦況下で、女子に庇ってもらうって、どういう状況ですの?」
「げっ!?」
CPT「まぁまぁ、その時は能力も分からなかった事ですし。」
アレンが目覚めた場所はなんと、病院だった。
さらに、周りには見知らぬ人達が、アレンを立ち囲み心配そうな顔で、覗きこんでいた。
「俺は......そうか!」
「あの能力者は?!」
SSG「もう、すでにアタシ達が運び済みだってんよ!」
「そ、そうですか。」
「あいつは…ナギは…どうなるんですか?」
CPT「まぁ、幸い死者は居なかったんですけど、重傷者がかなり多くて、罪状はかなり重いですね。」
「そ、そうか。」
アレンは、冷静に分析を始め、なぜ病院に運び込まれたのかを理解した所で、自分が倒した相手は、どうなったのかとSSG達に尋ねるも、詳しい説明をしてくれた。
「ところで、えーと…あなた達は…?」
「アタシ達か?アタシは、SSGの結月紗江だってんよ!」
「結月紗江さん、よろしく!」
「あぁ、こちらこそ!」
「君達は?」
「わたくし達はCPTの朱紫 陽花、こちらは、雪白冬菜よ!」
「は、はじめまして!雪白 冬菜です!」
「陽花に、冬菜か。俺は、月弥音アレン(つきみね アレン)だ!よろしくな!」
「えぇ、こちらこそ!」
「よろしくお願いしますね!」
自己紹介を終えた一同は、学園都市についての治安維持活動について話し始める。
紗江
「まず、アタシ達SSG、つまりスキルスガードは、学園都市内部、また、能力開発都市部までの管理、あらゆる事件、事故などの情報収集、そして、それらのCPTへの情報伝達、現場急行、事件解決を担ってるんだってよ!おまけに、保護した者達の証言を聞いたりするのもアタシ達の仕事だってんよ!」
陽花
「そして、わたくし達、学園管理委員会であるCPT達が、SSG達から情報伝達された情報を元に、学園内隅々まで捜査するんですの。そして、わたくし達も、事件現場へ急行し、捜査、解決するんですのよ!」
アレン
「ふーん。つまり、SSGとCPTは、両方が欠けてはいけない縦の繋がりなんだな!」
陽花
「えぇ。」
紗江
「まっ!そういう事になるんだってよ!」
ソフィア
「もし、その縦の繋がり?が壊れちゃったりしたらどうなるの?」
一同
「えっ?!?!」
大まかな説明をしていた、紗江や、陽花達の話を理解したアレンが、最適な言葉を選び投げかけ、理解してくれた様だと分かったのだが、突如発したソフィアの言葉により、一同は一瞬凍りつくが......。
紗江「それは、絶対にあり得ないんだってよ!」
「もし、途中で情報伝達が途切れた場合は、NASUCAの衛生電波受信放送になんらかの問題が生じた事になり、必ずお互いの中心基地局へ送受信されるんだってんよ!」
冬菜「そうなんです。それに、 NASUCAの衛生電波は、宇宙にある織姫2号からの電波通信なので、途絶える事は、決してないんです。」
アレン「そぅそぅ。だから、あんまり変な質問するんじゃないぞ?!ソフィア。」
ソフィア「ブーッ。そんな事言われても、現代の科学技術が難しすぎて、訳わかんないんだょお!」
そして、またソフィアにとっては、かなり難しい内容であったために、紗江や、冬菜の話を聞いても分からないと嘆いた。
ちょうど、その頃、能力開発都市では......。
暗部A「おぃ!居たか?」
暗部B「いや、居ねえ。」
暗部C「くそっ!どこ行きやがった?!」
A「このままじゃ、まずいぞ。」
「俺達は、顔と現場を見られちまったんだ。」
C「あぁ、もう少し探せ!」
「きっと、あの川原が怪しい。」
B「あぁ、そうだな。」
「あそこなら、誰でも逃げ隠れるはずだ!」
その暗部の集団達は、怪しげな取引の最中に、たまたま通りがかった少年に顔と現場を見られたまま、逃げられてしまったのだ。
そして、その少年を追いかけ、暗部の部下が3人で探しに来たのだ!
すると、橋の下から、目の前に1人の女性が現れた。
いや、その女は、長めの紺色の髪を揺らし、背が高く、男勝りな顔つきで誰もが認めるほど綺麗な美女だった。
そして、腰には、黒鞘の長めの刀がこしらえられている、そう女剣士だったのだ!
A「ん?誰だ?貴様は?!」
C「よーく見ると、ベッピンさんじゃねーか!」
「おじさん達が遊んであげよーか?」
と、その女性に、近づいていった男が突然、悲鳴をあげて血渋きを噴いて倒れこんだのだ。
B「な、なんだ?!この女!?」
A「やべぇ!ただもんじゃねぇ!!」
「ずらかるぞ!」
B「ひ、ひぇぇえ!」
「待ちな。」
逃げようとしていた2人の前に、胸元に金色のルーン、背中に黒ヤギゴートの紋章が入った黒マントを羽織り首元から垂れた銀色の鎖は、お腹の辺りまであり、真っ赤なロングヘアーの男!
そう、ヘルチェイサーだったのだ。
だが、アレン達と闘った時と比べると、かなり大人しめな男になっていた。
A「貴様も、この女の仲間か?!」
「なら、貴様から、殺してやる。」
ヘルチェイサー
「地獄の炎に焼かれて消えろ!」
「Hell Burning!!」
A
「ぐわぁぁぁぁあ!!!!」
なんと、もう1人の男も、ヘルチェイサーの手により抹殺されてしまった。
B「ひぇぇえ!!も、もうダメだ。おしまいだ。」
「おぃ。そこの貴様、貴様らに命令を出している幹部の名前を教えてもらおうか?」
「ヘッ。ヘヘッ。誰が、そう簡単に教えるか!」
ヘル
「まったく。君達の幹部は幸せ者だな!」
「仕方がない。」
女剣士
「待て!ヘル!!」
ヘル
「咲夜……。」
咲夜
「私の名は、天城咲夜!剣術術式乱舞曲に所属しているものだ。」
「すまないが、そなたの名と、幹部名、所属グループを教えてもらおう。」
「だから、誰が……。」
咲夜
「断れば、斬る!!」
「チッ!分かったよ。」
ヘルチェイサーは、割りと短気な性格で、最後の暗部の男を殺そうとしたが、咲夜という女剣士に呼び止められ、攻撃を中止した。
そして、咲夜は自分の名と、所属グループをその男に明かし、逆に、その男の名前、幹部名、所属名を聞こうとしたが、男は、逆らおうとする。
それならばと、咲夜も、刀を半分抜き、容赦なく斬ると伝え、その男は観念した。
そして、男は名前(修平)と、所属名は教えたが、情が熱いのか、脅され過ぎてるのか、幹部名は濁らせた。
ただ、所属グループを聞いた時、既に2人の頭の中には、名前が浮かんできていた。
ヘルチェイサー
「クソッ!アガパンサスとはな。」
咲夜
「ゴクンッ。萩野柊一!!」
ヘル「どうする?!咲夜!!」
咲夜「今の私の力なら、問題ないだろう。」
ヘル「なら、行くか?」
咲夜「あぁ、行こう!」
なんと、その萩野柊一とは、昔のヘルチェイサーと、天城咲夜の二人だけでなく、仲間達までも襲い、致命傷が残りそうになるまで、追いつめられたのだ。
その苦しみと、怒りの末に、二人は、魔術師になる事を決意し、ここまで成長してきたのだ!
そして、ついに追い求めていたアガパンサスの一味の幹部、萩野柊一の的に矢が当たったのだ!
二人はついに、アガパンサスの屋敷の前までたどり着いた。
D「なんだ?!貴様ら!」
E「ここが、アガパンサスのお屋敷だと知ってのつもりか?!」
ヘル「そんな事は、はなから分かってる!」
咲夜「だから、ここまで来たのだ!!」
D・E「やれっ!」
二人は、瞬時に門の番人を倒し、屋敷の中へ突入した。
「やれー!かかれー!!」
ドッカーン!!!!
「追い詰めたぞ!打ちのめせ!!」
スパーン!!!!
二人はどんどん屋敷の奥まで、侵入成功し、一番奥の部屋まで追いつめたが、そこには柊一の姿はなかった。
ヘル「クソッ!嵌められた!」
咲夜「窓から脱出するぞ!」
その屋敷は、その数秒後に耳をつんざく様な大音響と、目の奥まで焼き付くすかの様な大爆発で、屋敷は木っ端微塵に吹き飛んだ。
そして、それはNEWSになり、NASUCAの衛生電波受信放送の空中浮遊船(AIR-Floating SHIP)の帆のスクリーンにどでかく表示された。
そんな事を全く知らないアレン達は、学園都市についての話題で盛り上がっていた。
ソフィア
「そんなに、生徒がたくさん居るの~?」
陽花
「えぇ。学園都市は、能力開発都市の中でも1番肝心要な場所ですもの。」
冬菜
「生徒数は、なんと能力開発都市の半数、1億人を超えてるんですよー!」
ソフィア
「へぇー!素敵な出逢いがあるかもなんだよぉ!」
アレン
「俺は、どっちかって言ったら、娯楽系があればなぁと。」
紗江
「安心するんだってよ!そういう事もあろうかと、全くお金を使わずに出来るゲームセンター、1人3時間分のカラオケルーム、楽器店や、色んなお店、遊園地なんかも沢山あるんだってんよ!」
アレン
「へぇー!そんなに色んなお店がたくさんあるんなら行ってみたいかもなぁ~!」
陽花
「へぇ~!なら、今すぐ来てくださいな!」
冬菜
「そうですよ!あなたのお陰で、この学園都市は今、すっごい事になってるんですから!」
ドタドタドタドタドタ!!!!
紗江
「ん?誰だってんよ。廊下を走ってんのは。」
「あっ!お前は……フンッ。」
「皆、耳に手を当てるだってんよ!」
一同
「えっ?!」
陽花
「まさか!?」
冬菜
「ソフィアちゃんも。」
ソフィア
「えっ?うん。」
SSGの結月紗江が、病室から、院内を誰が走ってきてるのかと、確認した後、理解した様に、皆に手で耳を塞げと指令した。
そして、突然入り込んできた女子生徒が、息を整えながら、思いっきり叫ぶ。
女子生徒
「スゥゥゥ。コォラーーーッッッ!!!!」
アレン
「うぉわぁぁあ!!」
女子生徒
「ちょっと、あんた!いい加減にしなさいよ!」
アレン
「えっ?俺?!」
「ってゆーか、どちら様ですか?!」
夏姫
「わたし?私は御沢 夏姫!能力名は、サン・レイズ(太陽光線)!あんたと同じ学園生よ!」
アレン
「俺と同じ?!」
そぅ!今怒鳴りこんで入ってきた女子生徒は、アレンが入る事になっていた学園都市の学園生徒だったのだ。
そして、アレンにとんでもない事態を告げる。
なんと、アレンが学園都市の新入学園生として迎えられるまで、ずっと長期休暇だったのだという。
「なんで、そんな事になってんだ?!」
「それはっ…私のお姉ちゃんが…勝手に申請してたから。」
「なんだってぇ?!」
「なんで、そんな事になってんだ?!」
「いや、待てよ。これも、グレースなら、最初から手回ししてたに決まってる!」
「そうよ。あなたが、能力開発都市に来るまでに、手回ししてあったらしいのよ!」
「はぁ…。不幸だ…。」
なんと、やはり能力開発都市に向かわせた時に、学園都市の学園生徒に新入生として、手回しをしてあったのだ。
それを理解した上で、もう向かうしかないと決める一同!
ソフィア
「もう、行くしかないよね?」
アレン
「あぁ、俺も、もう体調は大丈夫だ!」
「体も動けるぞ!」
紗江
「なら、アタシは、仕事あるから行くってんよ!」
陽花
「あっ!そう言えば、冬菜!わたくし達もCPTの仕事がありましたわよね?」
冬菜
「えぇ。陽花さん私達も向かいましょ!!」
夏姫
「えっ?!なにっ?!皆行っちゃうの?」
冬菜
「それじゃ私たちは、ここで失礼しますね。」
全員一致で、学園都市に行くという決断をして、仕事がある結月紗江、朱紫陽花、雪白冬菜達は、仕事に戻っていった。
そして、取り残されたアレンとソフィアと、夏姫。
いや、彼女達は、夏姫に後を任せて、仕事に向かったのだ。
さらに、職場は、能力開発都市や、学園都市にあり、また夏姫の友達でもあるため、いつでも出会える可能性は大いにあるのだ。
アレン
「そんじゃっ!行きますか!?」
夏姫
「えぇ。学園都市へ!」
ソフィア
「レッツゴーなんだよ!!」
アレン
「って言っても、ここはどこなんだ?」
夏姫
「もぅ、仕方ないから説明してあげるわよ!」
「ここはね、学園都市と、能力開発都市の中心点にある総合医療病院なの!」
「最強の腕を持つ、能力者が居るって噂よ!」
2人
「へぇー!」
3人は、学園都市へ向かう準備を済ませ、総合医療病院の入り口で、夏姫に説明を受けたアレンと、ソフィア。
2人は、凄い病院だったんだと感銘を受けるが、早く学園都市へ向かおうとする。
夏姫達は、タクシーを呼び、ここから数キロで、学園都市の門まではたどり着くと夏姫に説明されて、タクシーに乗り、学園都市へ向かった。
「でも、なんでアンタなんかを新入生志願なんかしたのかしら?」
「俺も、それは最初分からなかったけど、多分、俺に託された使命と能力の秘密に、理由があると思うんだ。」
「ふーん。でも、あんたが学園都市に来てくれてホント良かったわよ!」
「確かに、能力開発都市にも、空中浮遊船(AIR-Floating Ships)のスクリーンに拡大されて、映されてたから少しはその情報を知ってたんだよ!」
「でも、それがアレンだったなんて、驚きだよ!」
「ホントよね~。どう見ても普通の一般人じゃない!」
「お前ら~、言いすぎだぞぉぉお~!」
などと、なぜそんな長期休暇になる程度にまでなる原因がアレンだったのかも、分からずに、3人は、タクシーで学園都市へ全速力でスピードをあげていった。
そして、学園都市へたどり着いた3人は、タクシーの窓から、怪しげな女性が、門の前に立っているのが見えた。
そして、タクシーを降りるなり、その女性に怒られる。
謎の女性
「遅いわよ!月弥音ちゃん!」
アレン
「ちゃん?って、えっと。」
謎の女性
「うふ。」
「ようこそ!学園都市へ!新入生の月弥音ちゃんをここに歓迎するわ」
なんと、ピンクのロングヘアーをゆっさりとなびかせて、瞳は蒼色をした、可愛げなアホ毛の目立つナイスバディーの清らかな女性に歓迎されたのだ。
アレン
「えーっと、あなた様は、いったいどこのどなたでしょうか?」
ララフィー先生
「私は~、月弥音ちゃんの担任のララフィー先生だよん!」
アレン、ソフィア、夏姫
「えーっ?!先生?!」




