第5話 業炎の地獄の追っ手
白髪の長身美女グレースに導かれ、ついに、能力開発都市へたどり着いたアレンだったが、この世界で次々と驚く様な事が起こりうる。
[能力開発都市は、科学技術の都市でもあり、その創造性、目覚ましい技術の発展に驚かされるわ]
[犬の少年に衝突され、勇気の湧くエールを贈られるわ]
[馴れようと道を歩いてたら、白い布が......と思いきや、なんと白い魔法装束を着た少女だわ]と、とにかく驚く様な出来事ばかりだったが、その少女を、一時でも幸せにするため、お腹いっぱいご馳走を食べさせてあげた所だった。
少女
「ごちそうさまでしたぁ~!!」
アレン
「どうだった?この店の一番人気!照り焼きハンバーグチーズチキンは。」
少女
「すっごく美味しかったんだよ!」
この店は、Food's coatにあるChikin'sという、ハンバーグがとっても美味しいファミレスなのだが、少女はその店の1番人気をぺろりと平らげてしまったのだ。
さらに、なんとハンバーグがチキンな訳じゃなく、ハンバーグは牛肉であっさり焼いてあるのと、そのハンバーグのオリジナルソースがかかったチキンの両方を食べられるお店なのだ!
少女
「あなた、名前は?」
アレン
「俺か?俺はアレン!月弥音アレンだ!」
少女
「アレン...うん...すっごくカッコいい名前なんだよ!」
アレン
「そ、そうか?」
ソフィア
「うん。それに、こんなに美味しい食べ物を、見ず知らずの少女の私なんかのために、ごちそうしてくれたんだから、カッコ悪い訳がないんだよ!迷える子羊を救うものには、神の御加護があらんことを!!」
アレン
「そんなに、言われると照れるだろ?!」
「それより、お前の名前は?」
青年の名前が気になった少女は、青年アレンに名前を聞いた途端、アレンの名をかっこいいと誉めた上に、さらに、少女は自分なんかの見ず知らずの人間にご馳走を食べさせてくれるなんて凄くカッコいい人だと誉め称えた。
さらに、青年アレンは、少女に名前を聞いた。
ソフィア
「わたし?私の名前は、アメリア・ソフィア」
「名前から分かる通り、私はシスターなの。」
アレン
「やっぱり、シスターさんだったのか!」
ソフィア
「うん!小さい頃から、教会で育てられたの!」
アレン
「へぇ~。なら、あまり外の世界を歩いたことないんじゃないか?」
ソフィア
「えっ?そうだよ?」
アレン
「なら、なんであんな場所に倒れたんだ?!」
「なにも、行き倒れなら、教会でも......。」
ソフィア
「追われてたからだょ。」
アレン
「えっ?!誰に?!」
なんと、少女は自分の名前を教えたのと同時に、自分の境遇を話し始めた。
だが、青年アレンが、それを理解した上で、なぜあの様な場所に倒れてたのかという質問に、少女は、澄ました顔で、さっくりと応えた。
それが、気になったアレンは、少女ソフィアに誰に追われてるのかという問うが、ソフィアはそれに対して説明を始めた。
ソフィア
「私は、魔術師なの。」
アレン
「魔、魔術師?!」
ソフィア
「そぅ。私の能力名はフル・キャスト!」
「つまり、完全詠唱!この能力は、相手の魔法や、魔術なら相殺、抗体、有利属性攻撃が可能なの!」
アレン
「へぇー!それって、凄い能力なんだな。」
少女ソフィアは、自身の能力名や、能力の秘密を話した。
それに感銘を受けたアレンは、凄いと誉め称える。
ソフィア
「うん。でも、そんなに良いことばかりでもないの。」
アレン
「ん?どういう事だ?!」
ソフィア
「なぜなら、私のこの能力、完全詠唱を可能にするためには、この世界に存在するありとあらゆる魔導書、黒魔術、神の教典なども、覚えなくちゃいけないの!」
「それに、それだけじゃなくて、先祖代々の魔術師さん達の意志を受け継がなきゃいけなかったの!」
アレン
「て事は、完全詠唱は、完全に魔術や、魔法を丸暗記してるだけじゃなく、古代の意志まで受け継いでるって事か!!」
ソフィア
「そうだよ?」
なんと、驚く事に少女ソフィアは、古代の古の伝承を受け継ぎ、この世界に存在するあらゆる全ての魔術、魔法を覚えているというのだ!
だが、アレンは、その意味を完全に理解している様だった。
いや、ソフィアの説明を、全て理解していると言った方が正しいだろうか。
アレン
「けど、そんなのどうやって受け継いだんだ?」
ソフィア
「神様にお願いしてたらね、声が聞こえてきたの。」
「そして、目を開けたら、知らない次元に繋がってた。そこで先祖代々の魔導士さん達から、受け継いだんだよ!」
アレン
「そんな事が...起こりうる...のか?!」
ソフィア
「それを、理解したなら、神の御加護も受けれるかもね。」
アレン
「まさか、そんな。」
ソフィアが、神の存在までを肯定しているかの様な口ぶりで話したが、それを青年アレンは、半信半疑で受け止めた。
そして、ちょうどその言葉と同時に、間近で物凄い爆音がとどろいた。
近くに居た客達は、悲鳴をあげ、慌てふためき避難し始めたため、そこに紛れてアレンとソフィアも、逃げようとした。
だがその時、もう一度爆音がとどろき、店の壁を破壊して、煙の中に一人の男が現れた。
そして、こう呟いた。
謎の男
「やっと見つけたよ!お嬢さん。」
煙が晴れ渡り、その男の正体があらわになった。
アレン
「お前、誰だ?!」
ソフィア
「私を追ってきてたやつだよ!」
アレン
「なに?じゃあ、あいつも魔術師なのか?!」
ソフィア
「うん。炎属性の魔術師ヘルチェイサー、別名、地獄の追っ手!」
ヘルチェイサー
「おや?僕の事をそこまで詳しく覚えてくれたなんて光栄だなぁ。」
アレン
「お前みたいな、名前からして、危なそうな奴に、こいつは渡さねぇ!」
ソフィア
「えっ?!アレン。」
ヘルチェイサー
「ふーん。そういうことかい。」
「きみにとっては、その子がかけがえのない大切な人だと。」
アレン
「あぁ、そういう事だ!」
ヘルチェイサー
「そんなに大切だと思うなら、命懸けで守ってみろ!」
ソフィアは、自身を狙って、追ってきてた者の正体が地獄の追っ手、ヘルチェイサーだと、アレンに説明する。その男は、首元から、お腹の辺りまで、銀の鎖を垂らし、胸元には金の星形のルーン、黒いマントの背中には、黒ヤギゴートの紋章が刻まれていた。
さらに、炎を自在に操る魔術師だという見るからに危なそうな奴に、ソフィアは渡さないと断言するアレンだったが、その言葉に対して、命懸けで守ってみろと宣戦布告する魔術師ヘルチェイサー。
次の瞬間、魔術師の男は、持っていたトランプの山から、1枚引き抜き、不適な笑みを浮かべて、その数をアレンと、ソフィアに見せつけた。
ヘルチェイサー
「カードの数は、10!」
アレン
「あいつ、なにやってんだ?!」
ソフィア
「マズイ...アレン、逃げて...。」
それの意味を理解できないアレンだったが、とっさに、ソフィアがアレンに、逃げろと伝えた。
ヘルチェイサー
「もう遅い!地獄の炎に焼かれて消えろ!!」
「Burning Hell(地獄の燃焼)!!」
アレン
「なに?!ヤベッ......。」
その瞬間に、炎の塊がアレンめがけて、命中した。
凄まじい悲鳴をあげるアレン。
アレン
「うぉわぁぁあ!!!!」
ソフィア
「アレーン!」
ぐったりと地面に倒れ込むアレンだったが、そんなものは序の口だと言わんばかりに、ヘルチェイサーは、アレンにこう叫ぶ。
ヘルチェイサー
「そんなことで、倒れるくらいなら、最初から寝ていろ!」
アレン
「なん...だ...と。」
ヘルチェイサー
「悪いけど、これは命令なんだ。」
「Hell Tracker0329!!これが、僕のコード名だ。」
「コード名を教えた以上、君たちには二人とも消えてもらうよ。」
突如、コード名を叫び、二人を命令に従い、抹殺すると言い始めた。
そして、再びカードを引き、またしても二人にその数を見せつけた。
ヘルチェイサー
「んー。カードの数は4か!縁起の悪い数字だな。」
「よし!これでおわりにしよう。」
「地獄の炎に焼かれて消えろ!」
「Burning Hell!!」
ソフィア
「水の力よ!我に力を与えたまえ!」
「Holy Water(聖水覇動)!!」
ヘルチェイサー
「なにっ?!」
凄まじい衝突音と共に、互いの攻撃は煙を立ち込め、相殺された。
いや、正確には、ソフィアの唱えた呪文が、ヘルチェイサーの攻撃を相殺させたのだ。
顔をにらませ、ソフィアを討とうとするヘルチェイサーだったが、そこでアレンは立ち上がる。
アレン
「待てよ!」
ヘルチェイサー
「おい、貴様そんなズタボロの状態で、闘おうと言うのか。」
「なら、貴様から消してやる!」
ソフィア
「待って!あなたの狙いは、私でしょ?!」
立ち上がったアレンを見るなり、先に倒した方がマシだと考えたヘルチェイサーは、アレンから消してやると口走るが、ソフィアは、自分に命中を向ける。
ヘルチェイサー
「フッ。なら、これでどうだ!?」
「1度に引けるトランプの数は、1枚が限度だとは決まってないぞ!」
ソフィア
「そんなの分かってるんだよ!」
アレン
「くそっ...なんとか...しねぇと。」
なんと、魔術師ヘルチェイサーは、1度に5枚のトランプを引き、ソフィアに2と8と10、アレンに4とJのトランプの数字を見せつけた。
ヘルチェイサー
「地獄の炎に焼かれて、竜の息吹で焼け焦げろ!!」
「Burning Hell!」
「Hell's Frame Dragon(地獄の火焔竜)!」
アレン
「逃げるしか......。」
ソフィア
「ほんとに卑怯なんだよ!」
アレン
「ヤバイヤバイ。うぉわぁぁあ!」
ソフィア
「精霊達よ。私に力を貸して!」
「Heavenly Purity(天国の潤い)!!」
青年アレンが、逃げ惑う中、魔術師ヘルチェイサーと、ソフィアの唱えた呪文が飛び交う。
追跡してくる火焔竜が追い詰め、アレンがやられると覚悟したとき、真上の方から、滝のような水力で、雨が降り注いだ。
そして、アレンへの、ヘルチェイサーの攻撃は一瞬にして打ち消された。
「なんだ?!前が...見えねぇ...。けど、助かったのか?!」
前方を滝のような雨でふさがれ、前方の視界が見えなくなってしまうアレンだった。
その時向こうの方で、爆音がとどろき、ソフィアの悲鳴が響き渡った。
ソフィア
「きゃぁぁぁぁあ!!」
アレン
「はっ!ソフィアっ!?」
ヘルチェイサー
「全く、貴様の大切なものとは、この程度の事だったのか?!」
アレン
「おぃっ!」
ヘルチェイサー
「ん?なんだい。女の子に守ってもらうしか、闘う術のない貴様に、なにが出来る?!」
アレン
「フッ。確かにそうだよな。俺が護るって言っときながら、結局、女の子1人護れねぇでなにしてんだよ!俺は!!」
「けどな。もう、逃げたり隠れたりもしねぇ。」
「俺が、全力でお前をぶちのめす!!」
ヘルチェイサー
「フンッ。やれるもんなら、やってみろ!」
ソフィアの悲鳴が響き渡った時、とっさに名前を叫ぶアレンだったが、魔術師ヘルチェイサーの、女の子に護ってもらうことでしか生き延びれないやつに、結局、なにも出来まいと言う言葉に、アレンは落胆し、情けないとばかりの口ぶりで喋る。
だが、同時に、ソフィアに護ってもらい、逃げ惑うしか出来なかったこと、ソフィアのために、なにも出来ず、
自分を犠牲にして、闘ってくれて倒れてしまったことに対して、激怒のあまりに、自我を閉ざして怒りは表情よりも、体を包むオーラで一目瞭然だった。
ヘルチェイサー
「おぃ、貴様、なに黙ってうつむいてるんだ?」
「そんな事じゃ、あの子の二の舞いだぞ!!」
アレン
「…ζzА…ЕИа」
ヘルチェイサー
「貴様、なにを言ってるんだ?!」
アレン「βγθ...殺τs...!」
ヘルチェイサー
「フンッ。何を言ってるのか分か知らんが、これで終わりだ!」
1度に5枚引き、2,8,10,Jocker,4だった。
ヘルチェイサー
「クソッ。また縁起の悪いカードだ!」
「だが、地獄の炎で焼かれて消えろ!!」
アレン
「...、...?」
ヘルチェイサー
「なんだとっ?!全て避けきった?!」
飛んでくる攻撃を、次々に避けていくアレン。
なんと、ヘルチェイサーのすぐ前まで、下を向いたまま、迫ってきた。
だが、今度はヘルチェイサーが、再びニヤリと笑みをこぼし、アレンに向かってこう告げた!
ヘルチェイサー
「貴様の死亡は今、ここに確定された!」
「地獄の炎に、身を包まれ、炎界の中で、焼け焦がされるがいい!」
「マグナム・フォルナ・カローレ(大炎球熱焼)!!」
そう言い放つと同時に、両手で約4メートル程度の大きさの、炎の球の塊を頭の上に作り、それを思いきりアレンめがけて投げ飛ばした。
アレン
「グルァァァ!」
だが、アレンは凄まじい咆哮をあげた後、右手に力をぐっと込めたかと思うと、右手にはめていた革手袋が一瞬にして光を放ち、その右手で、約4メートルある、炎の球の塊を粉々に粉砕し、それにひるんだ魔術師ヘルチェイサーを右手で思いきり、店の壁まで一気に殴り飛ばしたのだ。
辺り一面に立ち込めていた煙が晴れたかと思うと、炎の魔術師ヘルチェイサーは、ボロボロになり、鼻血を垂らして、ピクリとも動かなかった。
そして、それを見たアレンは、怒りのオーラが薄れていき、怒りのボルテージもどんどん下がって、ゆっくりと自我を取り戻し、すっかり落ち着いて、前を向くアレン。
アレン
「えっ?!あれ?俺はどうなったんだ?!」
ソフィア
「アレ...ン...。」
アレン
「ハッ!そうだ、ソフィア!」
すぐに、ソフィアの元に駆け寄るアレン。
だが、ソフィアの傷はアレンが心配していた以上に、対して酷くはなかった。
いや、ソフィアの着ている魔法装束自体が、ソフィアを庇うように、包まれていた。
そぅ。行き倒れの時の初めて出逢ったあの時の様に。
それを見たアレンと、心配そうな顔をしていたアレンを見たソフィアは、お互いににっこりと微笑んだ。
すると、青年のFuture Phoneが鳴り響き、誰だろうと考慮しながら、電話に対応した。
すると......。
アレン
「はぃ。」
グレース
「もしもし。私のことちゃんと覚えてる?」
アレン
「グレースさん?!」
グレース
「そうょ。あなたが心配になってかけちゃった。」
アレン
「それで、用件はなんなんですか?あんたが、こんなかけかたをしてくるわけないだろ?」
グレース
「あれー?なんか、アレン君、冷たくなーい?」
アレン
「いいから、早くしてくれよ!」
グレース
「もぅ。分かったわ!あなた能力開発都市にはもう着いてるわよね?」
アレン「あぁ。それがどうかしたのか?」
「ってか、それより、酷いめにあったんだぞ...(機械の認証エラーの話をする。)...」
グレース
「プッ。ふふ。」
アレン
「おぃ!今あんた鼻で笑っただろ?!」
グレース
「ごめーん。だって、あまりにも、面白すぎて。ふふっ。」
アレン
「ったく、あんたって人は。」
その時、ちょうどソフィアの体調を気遣い、この能力開発都市に医療施設があるかと聞く。
アレン
「あっ!そうだ。それより、能力開発都市に病院はあるか?」
グレース
「えぇ、あるわよ。1つだけ!」
アレン
「なら、案内してくれ!」
グレース
「えぇ。それより、どうしたのよ!ボロボロじゃない!」
アレン
「いや、俺はまだ良いんだ。それより......」
事のなりゆきを、全てグレースに話すアレン。
グレース
「そぅ、そんな事が。アレンも凄く頑張ったわね!」
「多分、その魔法装束は、自然治癒能力を秘めていて、包まれると、けがや、傷だけでなく、体力なんかも回復してくれるはずだから、安心して!」
「それより、いきなりのハプニングで能力だって、分からないまま勝ったんでしょ?」
アレン
「あぁ。なんでか分かんねぇけど、気づいたらぶっ倒してた。」
グレース
「そぅ。アレン!よく聞いて。」
アレン
「ん?なんだよ?改まって。」
ソフィアの事は心配しなくても、身にまとっている魔法装束が、すぐに体力や怪我など治してくれる事を教えてもらい、安堵するアレン。
だが、そんな事より、もっと肝心な事があると言わんとするように、改めて話を始めた。
グレース
「後、2回!2回その状態で、敵を倒したら、あなた、死ぬわよ!」
アレン
「えっ?!」
いきなりのグレースの言葉に、突然胸を引き裂かれるような思いでいっぱいになった。
そして、彼女はアレンに、こう伝える。
グレース
「あなたが、敵をその状態で倒すと、その何万、何億倍というダメージが身体に蓄積されるのよ。」
「そして、溜めすぎたダメージにより、あなたは一週間同じ苦しみにさいなまされ続け、そして1週間目であなたの命は尽きるわ。」
アレン
「ま、待ってくれよ。なにかの...冗談...だろ?」
グレース
「悪いけど、これもほんとの真実なのよ。」
その瞬間、アレンは握っていた手がゆるみ、Future Phoneを地面に落としてしまった。
「もしもし。」
「[うっ、嘘だろ?!俺が2回さっきの状態になったら、死ぬって...。]」
我に返ったアレンは、Future Phoneを、拾い上げて、こう叫んだ。
「そんなの、訳分かんねぇよ![でも、今までのグレースさんの話は、どれもこれも全部真実だった]」
[て事は、ほんとに、俺が能力も分からずに敵を倒すことで、身体にかなりのダメージを蓄積されることは間違いない。]
[て事はどうにかして、俺の能力を解明する必要がある。]
[じゃなきゃ、誰も守れねぇじゃねぇか]
などと、様々な思考を巡らせていると、今度は、グレースが危機回生の言葉を発した。
グレース
「そのためにも、あなたにはしなければならない事があるのよ。」
「それはね、この能力開発都市の中でも、一番の重要点!」
アレン
「それって、まさか!!」
グレース
「そぅ!学園都市よ!」
アレン
「なるほどな。そこなら、俺の能力もきっと。」
グレース
「えぇ。期待は大よね!」
アレン
「あぁ、ありがとな!グレース」
なんと、グレースはこの能力開発都市の一番肝心な要である、学園都市に行き、アレンの能力を、はっきりと鮮明に明らかにさせる事をアレンに告げ、アレンも、それにかけるしかないと思った。
その時、眠りについて回復していたソフィアが、うっすらと目を開けつつ、起き始めた。
「ん~...。アレン...?!」
「おっ!ソフィア目が覚めたか?!」
「うん。」
「どうやら、ソフィアちゃんも回復出来た様ね。」
「誰と電話してるの?」
「ん?あぁ、俺をこの能力開発都市まで、導いてくれたグレースって人だよ!」
「ソフィアちゃん、よろしくね!」
「うん!よろしくなんだよ!!」
「あぁ、ならそろそろ行くとするか!」
「行くってどこへ?!」
目覚めたばかりのソフィアは、誰と電話してるのか気になり、アレンに尋ねるが、アレンは、俺をこの能力開発都市まで導いてくれたグレースだと伝える。
ソフィアは、その人が居なければ、アレンに出逢えなかったと悟る。
そして、どこに行くのか、事の発端が分からないソフィアに向かって、アレンはこう呟いた。
アレン
「学園都市だよ!」
ソフィア
「えっ?!私は、学園都市には入れないよ?」
グレース
「大丈夫ょ。ソフィアちゃん!」
「あなたの記録は、私が作っておいたから、あなたも入れるわよ!」
ソフィア
「やったぁ~!グレースありがとぉ!」
なんと、グレースはソフィアの記録を自作し、学園都市にも入れるようになったと言う。
喜ぶソフィアだが、かなり心配するアレン。
アレン
「おぃおぃ。そんな事して、大丈夫なのか?!」
グレース
「えぇ。まぁ、教会からの申請ですもの。断れる訳ないじゃない?」
アレン
「[うそだろ?いつの間に手回しを......]」
グレース
「まっ、そういう事だから、後はよろしくね!アレン!」
アレン
「マジかよ!?」
「まぁ、教会からの申請なら、受け入れるしかねぇな。」
「よしっ!行くぞソフィア!学園都市へ!!」
ソフィア
「うん!」




