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魔法と魔術と超能力者<サイコパス>  作者: 異世界の異邦人<ストレンジャー>
第1章 魔法と魔術と超能力<サイコパス> はじまりの刻
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第4話 科学技術の発展都市<能力開発都市>

青年が真夜中に、とある街ドリームローズタウンの山で目を覚ます。

そこで、ライオンと(ウルフ)の様な顔を4つ持つ体長約3メートルくらいの合成生物ケルベロスに襲われかけ、逃げる途中に、山道でつまづき下り落ちていく。

そこで、たどり着いたのが、ドリームローズタウンの街の中だった。

さらに、ひょんな事から、とある1人のグレースという名の女性に出逢うアレン。

だが、彼女はなにか勘違いをしているのか、アレンを学園都市の生徒だと勘違いしているらしい。

と、思っていたら、なんとそれは全て彼女の計画だったのだ!

そして、アレンは、今、能力開発都市と学園都市に迫り来る危機を救うために旅立とうとしていた。


グレース

「この2つの約束事だけは守ってちょうだい!」

アレン

「約束事?」

グレース

「えぇ。まず1つ目は、何かあったらすぐに私に連絡すること!」

アレン

「えっ?!なんで?」

グレース

「そうじゃないと、これから一緒に行ける訳じゃないから、あなたに世界の危機を救うことを頼んでおいて、なにかあったらどうするつもり?」

アレン

「まぁ...それは...困る。」

グレース

「そうよね?だから、はぃ。これが私の番号、登録しておいて!」


青年は、なぜかポケットに入っていたFuture(フューチャー) Phone(フォン)に、グレースの連絡先を登録する。

すると、なんだか落ち着くメロディーが鳴り、登録完了!という文字が、画面全体に大きくアップされた。


グレース

「あなたの番号も、私の連絡先に登録されたわ!」

アレン

「えっ?!うそだろ?どうして。」


青年アレンは、この世界で生き抜くためにも、あらゆる情報を持っていそうなグレースと連絡通信をするために、初めて携帯用ホログラム電話というものを知り、興味津々な側から自然に番号登録した相手に、自分の連絡先が登録されている事実に驚嘆した。


グレース

「このFuture Phoneについても、知らなさそうだから、一応教えておいてあげるわね。」

「これは、まず相手の番号を登録すると、ハッキングや、様々なトラブルを避けるために、その登録した相手にも、自分の連絡先が登録されるシステムなのよ。」

アレン

「へぇー。便利なもんだな。」

グレース

「そうね。これなら、お互いに登録し合うという手間を省いてもくれるわね。」


グレースが、このなんとも素晴らしい万能システムを携えているFuture Phoneについておおまかな説明をしてくれた事により、さらに青年アレンに興味本意を植え付けた。


グレース

「さて、2つ目の約束事。これが、これからのあなたの人生を、大きく左右させられる選択肢がいくつも出てくると思うわ。」

「それでも、あなたは、自分の決めた信念を貫き通し、決して曲げてはだめよ!」

アレン

「……フッ。あぁ。分かってる!」

「そんなの当たり前だろ!」


青年アレンは、グレースとの約束事を2つとも守ってみせると言わんばかりに、高らかに返事をしてみせた。

それを、今、もうすぐ能力開発都市に、辿り着くまでのSky-Linerの列車の中でFuture Phoneを握りしめたまま、旅立ち前のグレースとの会話を思い出していた。



第4話 能力開発都市

「すっかり、夜になっちまったなぁ。」

「あんなに綺麗な夕焼けを見ながら、走ってたのに、今は、綺麗な星空を見ながらの旅とはなぁ。」

「なんか、風流があるってゆーか、いろんな景色を楽しめていいかもな。」


青年アレンが、そんな何気ない事を窓辺から、憂鬱な表情で考えていると、1つの軽いポーンという音と共に、アナウンスが入った。


車掌

「皆様、今夜もこの星空遊覧車Night Sky-Linerをご利用頂き、誠にありがとうございます!」

キャビンアテンダント

「只今の時刻午前0時を迎えましたので、皆様方は、ここの銀河系を司るたくさんの星空を見ながら、ごゆっくりとお休みなさってくださいませ。」

アレン

「もう0時か。確か、俺がこの世界で目覚めた時も、こんな感じの夜だったな。」

「ったく!もう...あんなのは懲り懲りだぜ...。」

「まぁっ。列車の中ならすげー安心するけどな!」

「温度調節どころか、すごく寝心地良さそうな環境だ。」


アナウンスが午前0時を迎えたところで、定番のお休みなさいコールを告げた。

そして、青年アレンも、この世界で目覚めた時、散々な目にあった事が、頭の中を僅かに過ったが、この列車の中の凄く落ち着きのある快眠を誘う、とても気持ちのいい空間に、それは、一瞬にして掻き消された。

そして、とても落ち着いた表情で、安らかにお洒落なベッドの寝床に就いた。





何時間か経過した後、再び数時間前のアナウンスが音と共に聞こえてくる。


キャビンアテンダント

「皆様方、おはようございます!当列車は間もなく、最終地点、能力開発都市へと参ります。」

車掌

「お忘れもの等御座いませんように、お願い致します!」

アレン

「ふぁぁ~あ。いい目覚めだ!」

「こんなに安心で平和な列車なら、いつまでも乗っていたいな。」

「けど、朝と夜の2つしかないんだよなぁ。まっ、それもこの列車のいいとこなんだけどな!」


アナウンスが終わると、他の乗客達も起き始めたのか、物音や喋り声などがあちこちで聞こえている。

青年も、この列車に感慨深い思いで、浸っていると、列車はピリリというサイレンと共に、能力開発都市部駅に到着した。

そして、この列車に乗っていた乗客達全員が、次々に降り始め、列を成して7つある改札口の方へ向かっていく。


とても、こんなにも大人数が乗っていたとは思えないほどの列が出来ていたが、やっと、改札口までたどり着いたアレンは、幾つか置いてある機械に少し目を輝かせた。

なんと、その機械は全て、Sky-Linerの乗客達、また駅の改札口を使用する人達のための認証システム搭載の機械達だったのだ。


アレン

「すっげーな。これ、最新の技術なんじゃねーか?」

認証システム

「顔認証と、指紋認証のため、顔を近づけて、手のひらを置いてください。」

アレン

「えっと、このでかいパッド式のが顔認証だから、顔を近づけて、このスキャナーみたいなのが指紋認証だから、手のひらを置くっと。」


なんと認証機械は、人が話すように、すらすらとマニュアル方法を説明し始め、そのプロセスをアレンが行った瞬間、不幸は訪れた。


「ビーッ!!ビーッ!!この者は、未確認登録者!未確認登録者!」

SSG男性隊員

「おい!そこの貴様、一体どこから来た奴だ?!」

SSG女性隊員

「いぇ、この者は、もしかしたら、最近企みを犯してる者達の仲間なのかも。」

SSG男性隊員

「もし、そうだとしたら、大変な事だ!連れて行け!!」

アレン

「え?!えぇ?!そんなのアリですかぁぁあ~?!」

「不幸だぁぁあ~!」


なんと、アレンの認証登録、いやそれどころか、この世界で生まれた人達の記録の中に、青年アレンの記録がどこにもなかったのだ。

いや、正確にはアレンの記録そのものはあったが、それは、なんと12歳の時のままの記録だったのだ。

だが、今の彼はおそらく、17~8 くらいの歳であり、そのあまりの大差に、誤作動を起こしたシステムが、エラーを告示したのである。


普段は、大抵そういう誤作動は滅多に起こらないのだが、この時だけは運悪くおこってしまったらしい。

そのまま、アレンは、SSG(スキルスガードナー)言わば、今の警察官達の事だが、手錠をかけられ、補導されてしまったのだ。



現在取り調べ室で、全ての質問に答え終わった青年アレンは、丸っきり無実の罪だったため、SSG達から、深々と謝罪と免罪、さらに、滅多に起こらないエラーを起こした人という、謎の地位を与えられた。


アレン

「はぁ~。つっかれたぁ!!」

「ったく、なんだって俺があんな目に遇わなきゃならねぇんだよ。」

「まぁ、そのおかげで、一気に改札口と、地下街を通過出来たから、良かったけどなぁ。」

「それより、あのポスターの周りに出来ていた群れはなんだったんだ?なんか、楽しそうだったけど。」

「まっ、なんでもいっか!ったく...俺がこんな目にあってるってのに...世間は明るいぜ。」


などと、アレンが愚痴をこぼしながら、能力開発都市を見回した途端、驚嘆のあまりに、目は丸々となり、開いた口は暫く閉じることが出来なかった。

なんと、その能力開発都市は、先端科学技術の開発都市でもあり、なんと車やバスなどの交通網は、全て空中に展示されており、空中をつっ走っていたのだ。

さらに、その交通網に衝突しないように、白くて丸い筒の様なものが、物資や、食品、宅配便などを運ぶように、次々とあちこちへ流されていく。

おそらく、空気圧を使った原理なのだろうが、流石にこの街の技術は目覚ましい発展を遂げていた。

さらに、スーパーや、飲食店などの店も全て大型のショッピングモール並みにずらずらと並べられていた。


アレン

「すっげぇぇぇ!!!!!!!!」

「なんだよ……。なんなんだ?!この街は!!」

「俺が、最初にたどり着いた街の、遥かに発展しすぎてて、整理が付いてけてねぇ。」



驚くのは、それだけではなく......。


アレン

「とりあえず、この辺を暫く探索してみるか。」


青年アレンが、この街の目覚ましく発展している技術や、創作性、その他色々なものに、興味や感心、驚きを隠せずに、とりあえず馴れてみようと、歩き始める。

だが、再び不幸は訪れた。

誰かがこちらへ思い切り走ってきて、避けきれず突撃されたのだ。


アレン

「イテテ……。おぃおぃ。大丈夫か?」

謎の少年

「んー。イッテェ~。早く走りすぎちゃった。」

アレン

「そんなに、早く走れるのは羨ましいけど…な…。」

謎の少年

「ごめんなさい。」

アレン

「...ぁ...ぁあ。」

謎の少年

「ん?どうしたんですか?」


突然話を中断させ、黙り混むアレン。

なんと、目の前に立っていたのは、茶色いやや長めの毛並みの髪で、瞳は緑色、鼻は到底、人のものだとは思えない黒くて丸っこい小さな鼻、頭の上には耳が2本、そう犬の顔をした犬人間だったのだ。


犬の少年

「あの~?お兄さん?」

アレン

「お...お前、なんで...喋れるんだよ!?」

犬の少年

「あぁっ!よその街から来た人でしたか。」

アレン

「俺、頭おかしくなっちまったのか?!」

犬の少年

「いいぇ。おかしくなんかありませんよ?」

アレン

「そ、そぅか?てか、犬の少年と話してるって、どんな状態だよ?!」

犬の少年

「あの~!だから、安心してください!!」

「この都市は、人間だけでなく、獣人族、鳥人族、魚人族、その他にもいろーんな人種が混じり合って暮らしているんです。」

アレン

「そ、そうなのか。」

犬の少年

「えぇ。だから、なにもあなたの世界観が、変わった訳じゃなく、この世界全体が他には存在しえない世界なんですよ!」

アレン

「な、なるほどな。(やべぇ…また、なんか頭がグチャグチャになりそうだ…。)」

犬の少年

「……最初は、馴れないかもしれませんけど、徐々にあなたも馴れてきますよ!」

アレン

「そぅ……か。だといいけどな!」

犬の少年

「あなたなら、きっと上手くこの世界も暮らして行けますよ!」

「頑張ってください!!」

アレン

「あぁ。ありがとな!」


犬の少年は、青年アレンに、この世界に住んでいる者達、否、この世界全体の事を大まかに青年アレンに説明した。

そして、犬の少年は、青年アレンに、励ましのエールを贈り、にっこりと微笑んだ。

そして、アレンもその犬の少年のエールに、勇気付けられたのか、静かで落ち着きのある素顔に戻り、犬の少年に笑顔で応えた!


犬の少年

「では。僕は、そろそろ用事があるので、このへんで失礼します。」

アレン

「あっ。おぃ、名前教えてくれないか?」

メリー・ポリット

「僕の名前はメリー・ポリットです。」

アレン

「メリー…ポリットかぁ…。覚えておく!」

メリー

「お兄ちゃんの事も覚えとくね~!!」

アレン

「おぅ!!」


青年アレンは、自分に勇気のエールを送ってくれた犬の少年の名前を聞き、必ず覚えておこうと、心に決める。

メリーも、走り去りながらアレンに自分の名前を覚えてくれたお返しに青年の事を覚えておくと、元気な明るい声で返答した。


アレン

「さて、とりあえずこの辺にあるFOOD'scoatで飯でも食べに行くか。」


再び、青年アレンは、すっかり気持ちを落ち着けて、軽快に歩き始める。

だが、またそこで新たな不幸が訪れる。

それは、青年アレンが軽快にFOOD'scoatへ向かう途中、ふとなにか白い布が地面に落ちているなぁと思いながら、一瞬目を向けると......。

なんと、そこには、白い布に包まれた少女が、倒れていたのだ。

さらに、白い布だと思っていたものは、背中の辺りに少し小さめな星形の丸いルーンが描かれている魔術装束だったのだ。


アレン「おぃおぃ。また動物人間なんて、オチは......なさそう、だな。」

「あのー。すいませーん。こんな所で寝てると、風邪引きますよー?」

「って、よく見ると、普通の女の子じゃねぇか。」

「おーぃ!そんな所で倒れてると風邪引くぞー?」


アレンは、先程の犬の少年メリー・ポリットの事を覚えていたために、また動物人間なのかと疑問を抱き、じっと見つめてみるが、頭の上に耳や、尻尾なども生えておらず、顔もツヤツヤな白肌の童顔な小顔で、青いロングヘアーが少なくとも背中の辺りまである。

さらに、いくら青年アレンが呼びかけても少女からの返答はなく、緊急事態かと思い、救急車を呼ぼうとする。


アレン

「おーぃ!今、レスキュー隊呼ぶからな!」

少女

「......呼ぶなら、配達弁当にして。」

アレン

「ん?なんだって?!」

少女

「だーか~らー、宅配弁当頼んでって言ってるんだよ!」

アレン

「ハハァ~ん。さては、行き倒れだな?」

少女

「そうとも言う。けど、お金持ってないから、腹ぺこなだけなんだよぉ。」

アレン

「そうか、そうか。なら、お腹いっぱい食べたいんだろ?」

少女

「食べさせてくれたら、嬉しいなぁ!」


救急車を呼ぼうとするアレンに、行き倒れ少女は、救急車より宅配弁当を頼んで欲しいと懇願するが、青年の甘い細やかな言葉に、少女は満面の笑みを浮かべ、それが幸いだと言うように、告げた。


アレン

「はぁ...不幸だ...。」


青年は、そんな筈では無かったと言わんばかりの不機嫌そうな表情を浮かべたが、共にグレースとの約束を思いだし、自分の信念を曲げずに、お腹を空かして倒れている少女を一時でも幸せにするため、自分の残り少ない貯金を思い、咄嗟にその言葉を発したのである。

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