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魔法と魔術と超能力者<サイコパス>  作者: 異世界の異邦人<ストレンジャー>
第1章 魔法と魔術と超能力<サイコパス> はじまりの刻
12/14

第12話 英国聖人<萩野柊一>

グレースに導かれ、能力開発都市へとたどり着いたアレンは、ソフィアと共に、幾多の難を乗り越え、ついにグレースとララフィー先生のつてで、学園都市にまで入学してしまった!

そして、仲良しトリオの蝴蝶秋黄鷹、真銀アレクシス、双葉青泉の仲間入りをしたアレン。

そして、ついに始まった能力試験、それは、アレンの能力を解明するために、行われたのだが、順調に進んでいた試験も、なんと最終場面で、犠牲者が出てしまったのだ。

その頃、学園都市に存在するとある教会が襲撃され、神父やシスターが連れ去られ、その犯人である柊一が、いくつも事件を巻き起こしていたために、暴れまわる柊一を、学園都市最強の能力者が倒しに来たのだった。


「さーて、犠牲者が出てしまった能力試験ですが、トーナメントが残っているために、続行されます。」

「くそっ!翼、無事で居てくれ。」

「次の試合で決まりそうね。」

「えぇ。僕に任せておいてください。」

「秋黄鷹、真銀、青泉、アレン選手控え室にお伝え致します。」

「残り代表選手、相手が1人しか居ないため、銀亜選手に確認をとった所、何人でもかかってきやがれ!との事でしたので、3人同時にお願いします。」

「なっ?!」

「3人!」

「同時らしいよ。」


なんと、犠牲者が出てしまった能力試験だが、まだアレンが闘っていないために、続行される事になった。

だが、銀亜に確認をとったところ、なんと何人でもかかってこいと言われたために、3人同時に試験が開始されることになった。


「あいつ、なに考えてんのよ。」

「僕達を同時に相手をして、勝てるなんて思ってるとはね。」

「まっ、いいんじゃねーの?あいつがそれを望むなら。」

「そうだね。僕達3人で相手をすれば、絶対に勝てるよ。」

「えぇ!こうなったら、もう3人でさっさと倒しちゃいましょ!」

「よし、行くぞ!」

「ちょっと、先に行っててください。」

「どうしたのよ?」

「いや、緊張してしまって。」

「大丈夫か?無理すんなよ?」

「ありがとうございます!」


アレンと、真銀、青泉の3人は、こうなったら、全員で、銀亜を倒そうと決意して、試験会場に向かう途中、真銀が緊張して、1人で残ると言い始めた。

それを気遣う二人だったが、真銀は、ある思惑があって残ったのだった。


「もしもし?ええ。少し立て込んでしまっていて。」

「はぃ。もう大丈夫ですが。」

「なんだって?!あいつが?!」

「分かりました。すぐに向かいます!」

「ご報告ありがとうございます!」

「あぁ。後1つ言い忘れていたが、アレンによろしくと伝えておいてくれ。」

「彼にですか?」

「そうだ。彼には少し借りがあるからね。」

「あの子の事ですか?」

「あぁ、そうだ。あの子にも、奴に借りが出来た様だ。これから合流するさ。」

「分かりました!」


なんと、1人のとある人物から、電話通信履歴が残っていたために、かけ直すためだったのだ。

そして、その人物との電話通信で、一瞬、驚きを隠せずに、取り乱してしまう程の内容だったのだ。

その電話通信の相手は、秘密結社(アブレイジョン)のヘルチェイサーからだったが、なんと、その内容とは萩野柊一の事だったのだ。

真銀も、事件のNEWSで、何度も目撃した名前だったために、驚きを隠せなかったのだ。

そして、あの子とは、ソフィアの事で、真銀も、ソフィアの能力 完全詠唱(フル=キャスト)を知っていたために、ソフィアの能力が、相手に奪われると、世界の破滅までしかねないために、電話通信を終えた真銀は、アレンに置き手紙を書いて、萩野柊一を倒すべくヘルチェイサーの元へと向かった。


「真銀、遅いわね。」

「あぁ。けど、真銀なら大丈夫だろ。」

「そうね!」

「そろそろやな?」

「えっ?ちょっと秋黄鷹、なんでここに居るわけ?」

「いやぁ~。せっかくやから、アレンの勝負、生で見たろ思てな。」

「そぅ?なら、一緒に見ましょ?」

「ほんまに?夏姫ちゃん、優しいなぁ~!」

「べ、別にそんなんじゃないわよ!」

「分かってるって!アレンの事、気になり始めたんやろ?」

「はぁ///?どう考えたら、そうなるのよ!」

「いや~。なんちゅうか、男の勘やわ!」

「なによそれ///!」

「それより、試合始まんで?」

「わ、分かってるわよ!」

「急に、変なこと言い出さないでよね。」

「アハハッ。すまんかったわ。」


アレンと青泉が真銀が来なくても、真銀なら、1人でなんとかするだろうと安心して話していた時、秋黄鷹は、夏姫の観覧していた席に行き、恋バナを咲かせていた。

そして、秋黄鷹がぶっちゃけアレンの事を夏姫に告げると、まんざらでもなさそうなツンデレ反応をしていた。

その後、試合に集中しようと二人は仲直りをしたのだった。


「えー。ここで皆さんに、お知らせとご報告があります!」

「先程、銀亜選手に確認をとった所、何人でも相手をするとの事でしたので、3人同時に銀亜選手と闘う予定でしたが……。」

「ん?!」

「えっ?」

「真銀選手の辞退により2対1の試験が行われます!」

「どういう事だ?」

「私も、知らないわよ!」

「なんで、真銀が辞退になってんのよ。」

「さーて、試験がいよいよ開始されます!」

「銀亜選手対アレン、青泉選手!」

「試験開始!」

「もう、こうなったら、俺たちだけで倒すぞ!」

「分かったわ!」

「ハンッ!どっからでもかかってきやがれ!」

「言われなくても、そのつもりよ!」

「俺のダイヤルは速度!ノイズシンドローム(音波の咆哮)!」

「まずぃ、青泉よけろ~!」

「分かってるわよ。」

「もう、遅ぇ!」

「クッ。身体がフラフラする。」

「青泉~!」


試験開始早々に、青泉が、攻撃をより早く、より定めるため、銀亜に向かって突っ走っていく。

だが、銀亜は、ちょうどいいタイミングでダイヤルアップをして、青泉に攻撃を放ってきた。

その攻撃をよけようと反応するが、音波の速度にはかなわず、攻撃をまともにくらってしまった。


「後は、てめぇだけだな!」

「くそっ!」

「ダイヤルは、速度!ノイズシンドローム[音波の咆哮]!」

「うぉぉお!」


ドヒューン![攻撃相殺音]


「よし!いけるぞ!」

「ハンッ?なんだ…てめぇは…。」

「ホーリーウォーター[聖水変化]」

「ハァ…ハァ…。私も、もう、大丈夫よ。」

すかさず、銀亜はダイヤルチェンジをした後、もう1人の相手であるアレンに命中を向ける。

そして、攻撃を放つが、アレンは右手に思いきり力を込めて、銀亜が居る方へ殴り付け、銀亜の攻撃を間一髪で相殺させた。

それの意味を理解できない、銀亜は驚き、アレンにいらだった声で、何者だと告げるが、その瞬間、青泉も、自らの能力で銀亜の攻撃を打ち消した。

そして、まだ闘えるとアレンに告げた。


「てめーら、ふざけんじゃねぇぞ!」

「なんなんだ。その能力は!」

「いや、待てよ!あいつは確かに俺の攻撃に向かって殴りかかり、その女は、自分に水をぶっかけやがった。」

「て事はだ。俺が直接攻撃をすれば、あいつらの攻撃は役に立たねぇはずだ!」


さすがに、バトルの場数を踏んできただけあって、銀亜は、アレンと青泉の攻撃の弱点を瞬時に見破った。


「無理すんなよ青泉!」

「ねぇ?アレン!ちょっと良いかしら。」

「ん?なんだ?」


ゴニョゴニョ[アレンへの耳打ち]


「はっ。そうか!」

「ねっ!良い考えでしょ?」

「あぁ。それなら、確実にあいつを倒せる!」

「ハンッ!なにやってんだ?コラー!」

「うぉわっ!」

「ウソでしょ!」


ドゴーン![攻撃音]


なんと、アレンは青泉を気遣い、青泉の傍まで走ってきた。

だが、青泉は、それよりも銀亜を確実に倒せる方法を思い付いたために、アレンに耳打ちした。

それを、アレンが確実に理解した、その瞬間、銀亜が2人の方に走って殴りかかってきた。

とっさに、二人は間一髪で、その攻撃を交わした。

だが、次の瞬間、再び銀亜が攻撃を放つ。


「俺のダイヤルは熱!ヒートアッパー[炎の灼熱パンチ]!」

「うぉわぁぁあ!」

「しまった。アレン!」

「次は、てめぇだ!」

「アクアリュームバブル[聖水弾丸雨龍]!」

「ぐぉわぁぁあ!」


銀亜の攻撃は、アレンに炸裂し、アレンは燃えながら遠くへ吹き飛ぶが、銀亜がすかさず、青泉に狙いを定めた。

だが、青泉の攻撃の方が一瞬早く、銀亜に炸裂し、銀亜は吹き飛んだ。


その頃、咲夜とヘルチェイサーは、能力開発都市から、学園都市に戻って来ていた。

咲夜は、学園都市の生徒として侵入し、ヘルチェイサーは、ソフィアを探知魔術で探し始めた。


咲夜のクラスメート達

「あっ!咲夜じゃん!」

「今まで、連絡も寄越さないで、どこに行ってたのよ!」

「心配してたんだからね!」

咲夜

「あっ、あぁ。みんなすまなかった。」

クラスメートA

「まぁ、元気そうだから、良かったけどね!」

クラスメートB

「先生には、連絡してあったんでしょ?」

咲夜

「あぁ。一応ざっくりとだが。」

クラスメートC

「それなら、私達にも連絡してよー!」

咲夜

「あぁ、今度からは気を付ける!」


なんと、咲夜が学園都市に戻ってきたという報告を先生から受けた咲夜のクラスメート達は、皆心配して、咲夜の元へ駆け寄っていった。

そして、咲夜のいでたちから、分かるように、クラスの女子から、かなりの人気者だったのだ!

普通の男子生徒達には、嫉妬心や、執着心が湧く程だったのだが、咲夜の美貌にそんな気持ちを抱くどころか、見惚れてしまうくらいのクール美女だったのだ。


そんな時、ヘルチェイサーは、探索魔術を使い、ソフィアの居場所を割り当て、学園都市にあるソフィアの居る[男女両道]の寮に、向かっている最中だった。


ピリリリ[電話通信音]!


「もしもし。」

「やぁ、君かい。どうしたんだ?」

「今、能力試験を辞退して、学園都市の大通りに居るんですが。」

「そうかい。なら、僕と共に、ソフィアの元へと向かって欲しいんだが。」

「えぇ。分かりました。」

「それで、あの子は今どこに?」

「どうやら、学園都市の寮に居るらしいんだ。」

「寮って、まさか、女子寮ですか?」

「幸い、[男女両道]という寮に居るらしい。」

「[男女両道]という事は、まさか。」

「あぁ、おそらくそのまさかだろうね!」

「彼の寮は、僕の友達とも同じ寮だったはずです。」

「そうかい。なら、好都合だ!場所を教えてほしい。」

「分かりました。」

「おそらく、7番学区は13番地区まであり、そこの東2番地区だと。」

「よし、ならここから近い。先に向かってるよ!」

「えぇ。僕もすぐに追い付きます!」


なんと、電話通信をヘルチェイサーにかけてきていたのは、能力試験を辞退した真銀だった。

真銀が、アレンと青泉に緊張して先に行って欲しいと言ったのは、アレン達に迷惑をかけないようにこの計画を完全に遂行させるためだった。

真銀と、ヘルチェイサーは暫く長電話をしていた時に、二人でソフィアの元へと向かう事を予定し合う。

そして、「男女両道」という名の寮名から、アレンと共に過ごしているのではないかという疑問を起こし、その疑問が本当なら7番学区は、東側1番~3番地区、北側4番~6番地区、南側7番地区~9番地区、西側10番地区~12番地区までと、中央の13番地区から構成されている中の東南側に位置しているため、そこから東へ向かう必要があった。

そして、その東側にある2番地区にある「男女両道」の寮に向かった。

場所は移り、咲夜のいる東北側の学園。


「ねぇー!咲夜~!」

「ちょっと、どうしたのよ!」

「別にどうもしてなどいない。それよりも、本当にその生徒は、完全詠唱の女と関わりがあるのだな?」

「うん。うちの後輩が、目撃してるから、間違いないはずよ。」

「だけど、その生徒となんの関係があるのよ?」

「少し、諸用があるのだ。」

「それに、私達には秘密事はしないって決めたでしょ?」

「あぁ。そうだった。」

「だが、これは、ホントに誰にも言えない秘密の事なんだ。すまない。」


咲夜はクラスメートに、教会から、唯一外の世界へ行くことを許されたソフィアの目撃証言を聞いた途端に、アレンのいる学園へ歩き始めた。

まだ、講義が残っているのにも関わらず、咲夜が急用のため、クラスから抜け出したために、黒髪でセミショーとの胸元辺りまでさらりと長い、ストレートヘアーの生徒会長と、茶髪で、ショートヘアーの頭に髪飾りを付けている咲夜の友達が後から二人で追いかけてきていたのだ。

だが、私用という事と、一刻を争う急用だったために、2人と話しながら、咲夜はアレンの学園へと向かっていた。

そして、その学園で能力試験会場では……。


銀亜と、青泉、立ち直ったアレンは、再び激闘を繰り広げていた。

だが、体力の限界だった3人はヘトヘトになりながらも、向かい合っていた。

「ハァハァ……。くそが!俺のダイヤルは光、ライジングアッパー(雷痺パンチ)」

「うぉぉぉお!」


ドヒューン!![攻撃相殺音]


「アクアリュームバブルズ(聖水波動弾)」

「俺のダイヤルは速度!ノイズシンドローム[音波の咆哮]」

「くっそぉぉおお!」


ドヒューン!![攻撃相殺音]


「今だ!」

「ホーリーウォーターウェーブ[聖水波動]」

「なにっ?!こんなもん…クソッ…波の動きが速すぎる。ぐあぁぁぁあ!」


ピッピー![試合終了音]


「ここで試合終了~!」

「なんと、この能力試験に勝ち抜き、見事に、優勝を制したのは……アレン選手、青泉選手です!」

「おめでとうございまーす!」


なんと、ついに、青泉の考えた作戦が見事に綺麗に炸裂したのだった。

そして、銀亜は波に流され、場外まで吹き飛んでしまったのだ。

「よしっ!」

「やったわね!月弥音くん!」

「あぁ!青泉、俺達の勝ちだ!」


アレンと青泉の二人は、高らかに勝利を喜び合うように、ハイタッチを交わし、笑顔で微笑み合った。

だが、夏姫は、それを見て、なんであんなに笑顔で笑ってるのよと、少しふてくされた。


「たくぅ。これくらいの事で、喜びすぎよ。あのバカ……。」

「せやかて、夏姫ちゃんも、大いに喜んどりましたけど?」


[試合中の会場の回想シーン]

「ワァァァァア~!」

「よっしゃ!今や!」

「そこよ!いけいけ~!!アハッ。勝ったわ!」


[現在]

「べ、別に、あれはそんなんじゃなくて…ただ…。」

「言われんでも、分かっとるんやで!」

「な、なにがよ///?」

「なんでもあらへん!」

「ちょっと///、ちゃんと教えなさいよ!」

「せやなぁ。しいて言うなら、夏姫ちゃんの反応の良さ!図星になるとすぐに、顔を赤らめるとこから察するに……。」

「……あんたってやつは~!」

「い、いや、夏姫ちゃん?こんなところで、そんなもんぶっぱなしたら、クラスメート全員巻き込まれんで?」

「……ハァ。それもそうね。」

「ここでは、やめとくわ。ただし……。」

「後で、覚えてらっしゃい!」

「ひぃぃい。こわ~。」


だが、その時秋黄鷹が、アレン達の試合中、夏姫も大いに熱中して、喜んでいた時を思いだし、夏姫をいじりはじめたが、そのままの流れで秋黄鷹は、夏姫に後で、お説教という名の太陽光線(サンレイズ)をくらうことになり、その夏姫の獲物を狩るような目に、心の底から、恐怖を感じ取ったのだった。

その時、控え室に戻ったアレンと青泉達は、真銀の置き手紙を読み、顔つきを曇らせていた。

その置き手紙には、こう書かれていた。


「アレン君、青泉ちゃん。急に、辞退という形になり申し訳ありません。」

「ですが、どうしても外せない急用が出来てしまったために、僕は、この試験を、君たち二人だけでも、確実に合格できるという自信を持っているので、二人に任せて、僕はその急用の方に、向かわせてもらいます。」

「身勝手な振る舞いをどうか許して頂きたい。」

「って、なによこれ。」

「そんなに、重要な用事ってなんなのよ?」

「まぁ、けど、優勝できたから、良かったじゃねーか!」

「それは、そうだけど……。」

「(にしても、真銀がクラスの行事を身勝手に放棄するとは到底思えない。)」

「(だとしたら、なにか重要な、そう命を危険にさらすような事とか。)」

「まったく。私達に直接言ってきなさいよ。」

「なぁ、青泉、俺ちょっと真銀探してくる!」

「えっ?ちょっと、月弥音くん?」

「真銀……あいつ、無事なんだろうな。」

「いや、無事で居てくれ!」


青泉は、真銀が自分達になにも言わずに辞退して急用に向かった事が、残念で少しショックで、独り言を言い続ける。

だが、アレンは、これまで幾多の難を乗り越えてきたために、冷静に判断して、真銀の身に危険が迫っているということを考慮し、真銀を探しに向かった。

だが、大通りまで来たときに、ある一人の女性がアレンに向かって声をかけてきた。


「あっ!あの子よ。」

「おーぃ!そこの君~!」

「もう、お姉さんの私達が声をかけてあげてるのに。」

「そんな事言ってる場合じゃないわよ。」

「ありがとう。ここまで大丈夫!」

「って、えっ?」

「もぅ、相変わらず咲夜は独断行動好きね!」

「もぅ、見えなくなっちゃった。」


ただ、咲夜のクラスメート達が、呼びかけても、アレンは一切気づかず、7番地区の方へと走り去っていく。

呼びかけても、無視されたと感じた咲夜の友達は、さらにアレンを追おうとするが、咲夜が礼を言い、アレンの後を1人で追いかけ、人混みをかき分けて、あっという間に見えなくなる所まで、走り去っていった。


「確か、真銀の寮はこの辺にあったはずだ。」

「ここの辺りで、真銀にいつも会うんだけど、寮がどこにあるのか分からねぇな。」

「もしかして、真銀・アレクシスを探しているのですか?」

「お前誰だ?!」

「申し遅れました。私は、天城(あましろ) 咲夜(さくや)といいます。」

「あましろ…さくや…?」


7番学区にあるフォリナー通りまで、たどり着いたアレンは、いつも合流する場所で、立ち止まり真銀の寮はどこかと探し始めた。

だが、その時後方から、1人の女剣士の天城咲夜が、声をかけてきた。

それに、驚いたアレンは、咲夜の名前をゆっくりと呟いた。


「急に、驚かせてすみません。」

「あなたに、1つ聞きたい事があって、ひっそりと後をつけさせてもらいました。」

「俺に聞きたいこと?」

「その前に、あなたの名前をお聞きしたいのですが。」

「あっ、わりぃ。俺は月弥音アレンだ!」

「アレン……やはり、あなたでしたか。」

「一体、なんの事ですか?」

「いぇ、単刀直入にお聞きします。」

「お、おぅ?」

「あなたは、ソフィアという少女をご存知ありませんか?」

「おぃ!」

「はぃ?どうしました?」


ひっそりと、後をつけさせてもらった事を謝り、1つ疑問があると言い、その疑問を聞く前に、名のって欲しいと告げられたアレンは、名を教えたとたんに、確実に咲夜が思っていた疑問が解けた。

そして、単刀直入に、咲夜がアレンに聞きたかった事を聞くと、アレンは大声で咲夜に叫ぶ。

そして、こう告げた。


「ソフィアになんの用だ?」

「いぇ、実は、学園都市にあるとある教会で、襲撃事件が起こり、その教会がなんと、ソフィアという少女を探しての事だったらしいんですが。」

「ゴクリ。それで、そいつの目的は?」

「フル=キャスト、つまり、完全詠唱能力!それを手に入れるためらしいです。」

「やっぱり!だとしたら、ソフィアが危険だ!」

「私もお供致します!」

「あぁ、助かるぜ!」


咲夜は、事件の詳細をアレンに話した。

その途端に、アレンは咲夜に血相を変えて、真剣な眼差しで、咲夜を見つめながらソフィアを狙う理由を尋ねる。

だが、咲夜は、ソフィアの能力を狙っている者の次の狙いの目的を話した。

アレンは、とっさに向かっていた方向を変えて、自分達の住んでいる寮にソフィアを助けるために向かった。

さらに、咲夜も自分もその助けをすると言い、アレンと共に走りだした。


「ふーん。ここが、「男女両道」っていう寮かい。」

「ハァ…ハァ…。お久しぶりです!」

「やぁ、真銀くん。久しぶりの再会だね。」

「えぇ。5年ぶりってとこですかね。」

「あぁ。そうだね。」

「それより、早く彼女を保護しよう。」

「えぇ。」


ヘルチェイサーは、ついに「男女両道」という、アレン達の住む寮にたどり着き、真銀も、後から、息を荒げて、ヘルチェイサーと5年ぶりに合流した。

そして、二人はソフィアの保護のために、寮の中へと突入し、ヘルチェイサーは、その寮の広さに驚くが、真銀は、全く動じずに、奥の方へと歩いていく。


「なんて、広さだ。」

「もしかすると、秘密結社(アブレイジョン)の本部くらい広いんじゃないか?」

「えぇ。かもしれないですね。」

「それより、あの子を探しに、早く奥へ行きましょう。」

「あっ、あぁ。」


ソフィアは、寮のゲームセンターで、ゲームをしながらお菓子を食べていた。

指には、ポテコチップを食べていた指の油がべったりとついていて、それが、ソフィアの操作するゲームにべったりとついていた。


「うわぁ~。」

「このゲーム凄いんだよ!」

「グラフィックも、音楽も、この子も、全部がかわいくて綺麗でスゴすぎるんだよぉ!」

「ずっと、やり続けていたいんだよぉ!」

「残念だが、それはムリだ。」

「えっ?!あなたはヘルチェイサー!と、あなたは…誰…?」

「初めまして!ソフィアちゃん。僕は、真銀・アレクシスといいます。これから僕達も君を保護します。」

「保護…って…ヘルも?」

「あぁ。君には彼が居るから大丈夫だろうけど。」

「アレンなら、ここには居ないんだよ。」


ソフィアは、そんなになる程、ゲームに熱中し、大変感銘をうけていたのだ。

そして、ソフィアが、ずっとこのゲームをしていたいと言った次の瞬間、1人の男が、残念ながらそれはムリだと言った。

それに、驚いたソフィアは、誰だろうと確認すると、前にソフィアを追ってきていたヘルチェイサーだった。

そして、ヘルと共に、アレンのクラスメートの真銀がソフィアを保護しに来たと伝えた。

ソフィアは、さらに驚き、アレンはここには居ないと告げた。


「ソフィア~!」

「えっ?!アレン!」

「ハァハァ。無事だったか。」

「ヘルも居たんですね。」

「あぁ、咲夜。よくここにたどり着いたね。」

「彼に連れてきてもらったんです。」

「ん?お前は、ヘルチェイサー!」

「それに、真銀!」

「お前、こんなところで、なにやってんだよ?」

「まぁ、無事でなによりだけど。」

「アレン、どうなってんの?」

「俺にもなにがなんだか。」

「僕が全て事の事態を説明しましょう!」

ヘルと、真銀、咲夜に、アレンがソフィアの元へとたどり着いた。

アレンと、ソフィアは、訳も分からず、この現状況を理解できないために、真銀がこの状況を全て話すと、皆をとりまとめた。

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