第1話 目覚めた世界<アウェイキング・オブ・ザ・ワールド>
作品名は、まだ決まっていませんので、もしよければアイデアの方、教えていただければ幸いです。
遥か昔、人間ヒトビトの中に、ある特殊な異能の力を秘める者達が、耕作、水田地帯だけでなく、発電所、交通機関など、ありとあらゆる場所で、人々の暮らしを守り支えて暮らしていた。
だが、ある時を境に、特殊な異能力者達の数が、日に日に連れて、未確認の一歩を辿ってしまったのである。
その境目とは......。
そう、世界をも手中にかけようとする暗殺者集団達との大戦争だった。
その暗殺者集団達の狙いは、とある国の全ての資源や、物資などを独占し、異能力者達の体内に存在する、能力を使う際に必要なAIーBC(AI-BodyChip)までも我が手に入れようとする大計画だった。
その大戦争は、異能力者達と世界を滅亡させようとする暗殺者集団達との凄まじい激闘になり、街中、いや国全体までもが恐怖に怯え、パニックに陥り、ついには神にまで救いを求めようとする者達まで現れたが、それもむなしく、世界は業火で国一面を焼き付くし、大炎の中へと包まれ大戦争は終止符を打った。
そして、時は流れ、25××年へとさかのぼる。
第1話 目覚めた世界<バショ>は
「はっ!」
夜空に綺麗な月光の明かりを帯びた雲の隙間から、満月がくっきりと浮かび、発光する昆虫達が電灯の灯りの辺りを優雅に飛び交う中、1人の黒髪の少し長めで、肌は白く、顔立ちの良い青年がゆっくりと目を覚ます。
「ここは、どこなんだ?!」
その青年の周りは、山の中に佇む辺りにはなにもない広場、今の世で呼ばれる、公園の様な場所だった。
「俺は、どうしてこんな所に……。」
なぜ、こんな山の中の広場で眠っていたのか、そして、この場所がどこなのか、皆目検討もつかず、どうやってこの世界に来たのかさえ、その青年にも理解の得難い事態だった。
「まぁ良く分からないけど、一応、電灯の明かりもあるし、朝までここに居ても安心そうだな。」
とは言ったものの、朝までこの辺りになにもない、外気温度8℃以下の様な場所に居続ければ、下手をしたら凍傷や、心因の方にまで影響を及ぼさせ兼ねない。
「ってか、さっきから身体がガダガタ震え始めてて、ちょっとやばいかもな。」
「とりあえず、どこかに入れる家がないか探してみるか!」
流石に、身体の震えが気になりはじめたのか、青年は、どこかに隠れ家や、避難場所がないか、ゆっくりと体勢を直しながら、上半身を起こし辺りを見回したが、特に民家や宿などが、こんな山奥にあるはずもなかった。
それどころか……。
「くそっ。なんて不幸だ。」
「どこにも、カラダを休められそうな場所なんてねぇじゃねーか.......。」
「ってゆーか、なんなんだ?この呻き(ウメ)声みたいなのは?」
身体を安静にして休められそうな場所や、暖をとって温められそうな場所もないどころか、つい先程から、広場の奥の方で変な呻き声の様な獣の威嚇してくるような声が聞こえていたのが、すぐそこの背後まで迫ってきているのだ。
「おぃおぃ。これって、かなりやべぇんじゃ……?」
と後ろをゆっくりと振り返りながら、そう言い残した途端に、その青年は、顔色は真っ青になり、目からは涙が溢れだし、立ち上がるのと同時に、手足を瞬時に動かしながら、全速力でその場を走り去る。
なんと、背後から聞こえてきていた呻き声の正体が、電灯の灯りに、映しだされた時、この世のものとは思えない、体長約3メートルはあると思われる、ずぶとい胴体が、オレンジと黒の柄の色をしており、首にはかなり大きめな首輪、 顔はなんとライオンと狼の合成されたような首が4つに別れたケルベロスの様な化け物だったのだ。
「うぉわぁぁあ!!!!!!!」
凄まじい雄叫びをあげながら、逃げ道はないかと辺り一面を素早く見回し、とっさに見つけた山道を全速力で駆け降りていく。
だが、その際中に、前だけ見ながら走っていたために、小さな石ころにさえ気づかず、その小さな石ころで足を踏み外し、全速力で駆けていたその勢いづいたまま、山道を転げ落ちていった。
「不幸だぁぁあ~!!!!」
青年は、叫び声と共に、一直線に山道をくだり落ちていった。
どこまでも、青年は山道をだるまの様に転がりながら、どこまでも落ちていくのだった。
そうーまるで、奈落の底のように。
暫くすると、静かで落ち着いた日常に戻っていた。
あの、気味の悪い呻き声や、化け物の正体はなんだったのだろうか?
なぜ、あの静まり返っていた山の中の広場にあんなものが居たのだろうか?
そして、主人公はなぜあんな場所で、倒れて眠っていたのか。
そういう幾つかの疑問は、後々解き明かしていくとして、この不幸な青年の物語にもう少し付き合ってもらえれば有りがたい。
雀たちの鳴き声が、安らかな歌声のようにさえずり渡り、明るい暖かな木漏れ日が木々の間から差し込んでいた。
「イテテ……ん~?もう朝か。」
「はっ!待てよ。あれから、どれくらいの時間が経ったんだ?!」
青年は、朝の優しい日差しが顔の辺りを照らしていたため、目を細めながら、ゆっくりと上半身を起こす。
その瞬間、先程、襲われかけた『ケルベロス』が頭の中を、微かに横切った。
だが、辺りを見回してみると、すっかり夜の静かで風流のある発光虫達が飛び交い、月光の射していた風景から、一転燦々(サンサン)と降り注ぐ朝陽を浴びて、いつの間にか山道の1番ふもとの、すっかり落ち着いた街に転がり着いていた。
「クンクン……なんかいい香りがするな。」
その街は、空気は隅々まで澄んでいて、人々は活気でにぎわい、希望や期待にみちあふれ、新鮮な食べ物、噴水や水のうるおい、きれいな色の花束、屋根は茶色で、壁などはクリーム色の同じ様な家々が建ちならび、にわかに漂うバラの匂いが街一面を流れている場所だった。
これから不定期ですが、ちょくちょく更新していきたいと思っているので、何卒最後まで御鑑賞していただければ幸いです!