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降水確率87%  作者: わくわくさん
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序章

『間に合ってるんで結構です。』

「そんなこと言わずにさ~」

ああもう。しつこいな。嫌そうな顔されたらすぐに引くのが美徳でしょ?

「ほんと可愛いねキミ。こっちに来てオレらと一緒に遊ぼうよ」

と派手に着飾った男は私の手を引こうとする。しかしそれをするっとかわす。

『すみません。人を待っているので貴方がたと遊んでいる時間がないんです。』

そう言って足早に一本先の道を曲がる。

…追っては来ないよな。ホッとする。でも待ち合わせ場所と違うところにきてしまった。連絡しておこう。

     ごめん。一本奥の道にいる。来てもらえると嬉しい。

そう打って待ち合わせ時間まであと10分を指した時計を確認する。

まだ少し時間があるな。ゲームでもやろうかなと最近ハマっているパズルゲームのアプリケーションを開く。

「ねえねえ。」

ああ隣に立ってる子可哀想。この辺ナンパ多いな~。

「ちょっと~?キミ?」

うおっ。このドラゴン防御力たけえ。なんでだよ。鱗か。

「ねえ!!」

近くで叫ばれる。五月蠅い!

『あーあ。ゲームオーバーになっちゃったじゃん。スタミナ無駄になったー。』

ナンパしてる奴の方を向き、ここぞとばかりに因縁をつける。別に怯えている隣の子を助けようとしたわけではない。断じてない。

「あん?てめえじゃね…。ごめんね~、こいつがうるさくて。」

と二人組のうちの一人が突然笑顔になる。そして隣の女の子も胸をなでおろしている。いや、私は自分からナンパされに行ったわけじゃない。逃げられると思うなよ。

『ああ私に話しかけていたわけではないですものね。すみませんお邪魔してしまって。』

私は再び画面に目線を落とす。

「いやーそんなことないって。これから食事でもどう?四人で一緒に行かない?」

『三人で行ったらどうです?私、人と待ち合わせしているので。』

「へえ~、だれ待ってるの?」

はい、きました。これ聞かれたら誰を待っていてもこう答えましょう。

『彼女です。ではさようなら』

軽く頭を下げる。時間を確認。ん?過ぎてる。早足でその場を離れる。リカが遅れるなんて初?いや、場所把握されてないだけだな。

ごめんと頭の中で謝っていると、少し遠くから声が聞こえる。

「おい!危ないぞ!逃げろ!」

その言葉を聞いた直後、私の身体に激痛が走った。


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