神託魔法の意義
間違えて時間以外に投稿したぁ!という訳で上げ直しです。
神託魔法ってのがいかに貴重か、そしていかに強力かわかったつもりは無いが、しかし俺は重大な発見はしたと思う。
面倒臭いのだ、神託魔法は。
例えばフィレスの炎魔法は、文字通りの超火力を相手にお見舞いすることができる。特に段階を踏むわけではないし、本人曰く練習はしたが努力はしていないらしい。
シャールの召喚魔法は、それこそ知識だけで使っている。辛い境遇ではあったが努力はしていない。基本的に魔法とは努力せずに使えるものなのだ。
それが何だ、神託魔法。そこら中の神に認められなきゃいけない。めんどくさいとしか言いようがない。
と、シャールに言ってみた。
ビンタされた。
「まず、珍しさだけど、召喚魔法の比じゃないの。光と闇という相反する特性を持った属性を持つのは難しいの。その点、召喚魔法は四元素が四すくみだから相反なんかしてないの。そう考えると召喚魔法の方が多いのも納得してもらえると思うの。ついでに言うと、召喚魔法は神託魔法の次に珍しいの」
丁寧に説明してくれるのを聞くと、なかなか説明上手なのかもしれないと思う。まあ、こいつ究極の頭でっかちだしな。欠点があるとすれば、往復ビンタをしているせいであんまり頭に入ってこない事くらいか。
「強さはどう考えても言わずもがなだと思うの。神の力が使えるんだから、それはもう強さの面なら神と言ってもいいの。……ましてや、アーラーマの力はすでに借りれるの。どこに不満があるの?」
「そ、れ、は……がふっ」
「どこを伸ばすかはいくらでも決められるけど、初期ステータスや伸びしろは誰にも決められないの。そんなに当たりの才能があるんだから、ちょっとは喜ぶの。そもそも仲良くなる神様によっては炎魔法とかも使えるの」
シャールの言う通りだ。間違いなく。俺が悪い、贅沢を言っているのも分かる。
でも。せっかく転生したんだ。少しくらい誰もやったことがない事をやりたいと思ってもいいじゃないか。
「誰もやったことがない事がやりたいなら、今すぐ動物にでもなるの。魚とかいいと思うの。エラ呼吸なんて誰にもできないの」
「そうだが……」
「そんなこと考えてる暇があるなら筋トレでもしたらどうなの?使えない珍しい能力より使えるありきたりな能力の方が大事なのも分からないなら、どうぞかっこいい技でも発明すればいいの。でも、そんな事をしてたら私はフィレスを連れてリンダから出るの」
当然だった。
俺はこのパーティで一番強いのだ。他の二人のことも考えて行動しなきゃならない。二人に逃げられる可能性もあることを考えなきゃならないんだ。
「どんなに意に沿わない才能だって、別の誰かから見たら羨ましい才能なの。誰かが狂うほど欲している才能なの。それに不満を言うとは何事なの!是非私と取っ替えてほしいの」
シャールがこれだけ言うほど強く、珍しいものだというのはわかった。しかし、一体全体何をすれば強くなれるんだろう?
「まずは神を知ることなの。ちょっと待つの……えいっ」
可愛らしい掛け声とは裏腹に、ごつい装丁の本が大口を開けたシャールの口から出てき……ちょ、えぇ?
「『未知の食材』の副次効果なの。自分の知識を本として具現化する事ができるの。読むといいの」
本を開くと、数々の名前とイラスト、それに説明が書いてあった。
「それが私の知っている限りの神なの。結構あるけど……たぶん役に立つと思うの」
それ、後で返すの。と言ってシャールは去っていった。あとは一人でやれってことだろう。
「やってみるか……」
さっきの通り、今回は雷神・クランとやらと交信を取ってみる。……あ、つながった。
「すいません、村雨光と言うんですが……」
「今忙しいんだよ!後にしろ!」
ビリビリビリビリ。
アーラーマの嘘つき。




