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刀とチートと時々魔法  作者: sitis
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戦闘スタイル構築劇

 テストによる二週間あまりの休み申し訳ございませんでした!テストの際の勉強については活動報告で紹介したいと思いますので、是非参考にしてください。

「おー……今日は雨か」


 ザアザアと音を立てて降る……というか落ちる雨。多分当たると痛いレベルだろう。



「こっちも雨とか降るんだな」

「たわけ。降らないなら水の概念がないじゃろう」

「そりゃそうか」


 状態変化しない水は水じゃない。それは少なくとも人間の体には必要ないだろう。気化しないし。

 状態変化するなら循環は当然ある。


「というか小僧。お主、あの女子(おなご)らに自分が異世界の者だと教えんで良いのか?奴らとて知らん方が可哀想であろう」

「そりゃ、そうかもな……でも」


 俺は思い出す。昨日襲撃された時のこと。

 俺は、告白しようとしていた。

 俺がこの世界の人間でないこと。

 なにかちからが

 神が、干渉していたのか、と。

 そんな思いが鎌首をもたげる。


「気にせずとも良いと思うがの……まあ、良い。それならわしは何も言わぬ」

「そうしてくれると、助かる」

「それに……くくく」


 カグツチが楽しそうに笑う。面白いことに、今こいつはビジョンとやらで自分の姿を映し出している。しかも自分の好きなように設定できるらしく、顔や体は前と一緒だが、今はちゃんと服を着てる。よって普通に会話ができるわけだ。


「まあ、わしだけがお主と秘密を共有しておるのも悪くはないしな」

「なんだ、告白か?」

「自惚れるなよ、怪我の元じゃぞ?」


 カグツチはそう言って笑う。ほんのりと顔が赤いのは多分計算だな。あざといやつめ。


「まあ、ともかくまだ言わない。それでもしフィレスやシャールが襲われたら耐えられん」

「ふむ……ならばまあ、見守るとするわい。……む」

「どうした?」


 カグツチの眉がぴくりと動く。こういう動作を見る限り無意識にも動くのだろう。

 とはいえ、何かあったのならまずい。今俺は刀を持っていな……あ、カグツチ使えばいいのか。


「いや、大したことではない……が、そうじゃな。数日後にでも教えてやろう」

「……?まあいいや。じゃあ、そういうことだ。教える気は無いが、まあ……俺が強くなったら言うことにするよ」

「そうか……いや、まあそれがよいじゃろう。お主は刀が無ければただのクズじゃからな」

「クズ……?」


 え、そんな下衆なことしたっけ?……心当たりあんまり無いなあ。


「いや、性格の話のみではなく、身体的な意味でもな」

「決して性格の方も否定はしないんだな」


 皆からの俺のイメージが気になる。


「まあ、確かになあ……刀以外も使えるようになろうかな?棍術とか便利そうじゃないか?棒なら何でもいいわけだし」

「……いや、徒手空拳じゃろ。男なら身一つで戦ってみせい」

「ボソッと言うのやめないか?」


 なんか本気みたいじゃないか。

 でもそうだな。武器を奪われることとかも考えなければいけないだろう。それに遠距離攻撃とかもできないし。


「そもそも、江戸時代に素手で戦えない武人など居らんかったぞ!まして、今は江戸時代よりも危険な世界じゃぞ?向こうの世界とは違うんじゃ!」

「はいはい、分かった分かった……。……ん?向こうの世界とは違う……」


 何かがひっかかる。目を閉じて考えると、フィレスが浮かんだ。愛があっていい彼氏だな、俺……あ、違う。


「魔法覚えればいいんじゃないか?」


 俺が憧れに手を出す瞬間だった。




「……というわけだ。魔法を教えてください」

「そんなにお願いしなくても教えてあげるけど……」


 というわけで、俺が知る限りの一番の魔法の天才、フィレスにご教授願いに来た。教えられるのは炎系だけだろうが、俺からすればそれだけでもありがたい。


「ボクさっきの話について考えるのに忙しいんだけど……まあいいや、検証することにしようか」

「何か言ったか?」

「いや、何も?じゃあ、まずは適性から調べようか。相性っていうのがあってね、ボクは炎に極振りだったみたいで、他は生活魔法すら使えないんだけど、それだけの相性があれば最初から詠唱破棄とかできたりするね」

「へえ……大事なんだな」


 フィレスの言うところによると、魔法には六種類あるらしい。炎、水、土、風の四元素。それに光、闇が加わって六種類だそうだ。ごくたまに固有スキルが独自の魔法になってしまう例があるらしい。手の内がバレない上、そもそも強力なものが多いらしいのだが、先駆者が居ないため、習得が非常に難しいのだそうだ。


「じゃ、適性を調べるね。って言っても簡単なんだよ。両手の人差し指と親指を使って四角形を作る。そして、他の誰かがそれを通してその人の目を見るんだよ」

「やってみようか。……こうでいいのか?」

「うん」


 言われた通りに四角形を作り、フィレスに覗きこんでもらう。フィレスはまじまじと俺を見て、「なるほど」と言った。


「適性が見えたよ」

「どうだった?」


 そう聞くと、フィレスは炎で表を書いた。これだけ適性があると何でもありだ。


「適性が最高のものを5、最低のものを0として説明するね。……まあ、先に書いちゃうと、こんな感じ」


 炎で書かれた文字を読む。闇と光以外は1、闇と光は共に4だった。


「基本の四元素は1。まあ、生活に使えるくらい?火種を出せたり、飲料水を出せたり。あると便利って感じだね」


 正直、そんなに強いとは思えない……煙草でも吸うなら価値があったんだろうがな。まあ、遭難とかしたら役に立つか。


「で、まず闇なんだけど……基本的に四元素の魔法は、それを操る能力なんだよ。ボクで言ったら炎を出せて、それを自在に動かせる。でも、闇と光は違う。その二つは概念なんだ。つまり、その概念を使うんだよ」


 よくわからなくなってきた。

 つまり、イメージ力によって魔法の性質が変わるということだろうか?


「その理解はかなり近いよ。闇魔法って言われて真っ先に思い付いたのは何?」

「……呪い、かな?」

「光魔法は?」

「……雷」


 そう言うと、フィレスはヒュウッと口笛を吹いた。……なんかキャラ違くない?魔法のことになると性格変わるのだろうか。


「よかったね。それを思い付いたならよかった。その最初のイメージの通りに使えるんだよ。光は照明、闇は目隠し、とかが多くてね」


 それは不憫だ。


「でも、ボク光と闇は教えられないよ……理論派だし、シャールに聞いてみたら?たぶんわかりやすいと思うよ」

「なるほど!じゃあちょっと聞いてみるよ!」

「うん、いってらっしゃい」


 ひらひらと手を振るフィレスに見送られて、俺はシャールの部屋の戸を叩いた。

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