カグツチの能力
カグツチ曰く、彼ら妖刀は装備者にある能力を与えるらしい。その能力は封じ込められている者によって様々なんだとか。
「わし自身も大量に能力を持っておるが……お主に与える能力は炎じゃ」
「炎!?ボクと被るじゃん!」
おお、自分の出番が減るとなると非常に食って掛かるな、フィレス。まあ、俺としても炎なんか貰っても使い所に困るんだが。
「安心せい。炎は副次的なものじゃ。フィレスのような炎は出せんわい」
カグツチは炎を出して見せる。それは何故か、全く熱を持っていなかった。
「なんだこれ……どういうことだ?」
「わしの炎は攻撃の力ではないのじゃよ」
声に格好つけるような、誇らしいような色を乗せてカグツチが説明を始める。しかし、熱くない炎って常識とかけ離れてて気持ち悪いな……。
「フィレスよ、お主が知っておる炎を使う魔物を言え」
「炎を使う魔物?えっと、ファイアゴーレムとか?有名どころだとドラゴン、珍しいのだとフェニックスだとか……」
「それじゃよ」
フェニックス、という単語にカグツチは正解を出す。
「わしの炎はフェニックスと同じじゃ。傷つける炎ではなく、癒しの炎。具体的には、薬で治らないような部位欠損や、目潰しなんかも治せる。最強のヒーリング能力じゃ」
「おお!」
すごい!俺の能力なんかより最強じゃないか!
「ただし、一日に一度しか使えん。それもできれば小さい傷なんかで使わんでくれ」
「その心は?」
「フェニックスと同じだと言ったじゃろ?これはわしの存在を使うのじゃよ。わしとて消えたくはないからの」
存在の力を使う。
つまり、使いすぎるとカグツチが死ぬ。
いなくなる。
「……わかった。心して使う」
できるだけ使わないようにしよう、と思った。
「アピールさせてもらうとするならじゃが、わしの強度はかなりのもんじゃぞ?言っておくが、名刀の中の名刀の中の名刀じゃ」
「くどい」
「そう言うな。お主の能力としても都合が良いのではないか?」
確かに。こいつが名刀であればあるほど俺は強くーーーちょっと待て。
何故こいつが、俺の能力を知っている?
俺の視線に気づいたのか、カグツチがその疑問に答える。
「これでも神じゃぞ?森羅万象とはいかんが、基本何でも知っとるよ。こっちに来てから長いしの」
「そうか、流石神様。知られたくないことまで知ってそうだな」
「知っておるよ?お主らが昨日初めての夜を過ごしたことも」
「村雨流剣術・居合いの技五番……」
「勘弁してください」
刀の癖にぽてんと倒れて土下座を演出していた。動けるんだ。
「装備したくないならこういうのもアリじゃぞ?」
カグツチからぼむん、と煙が出る。煙が晴れた時、そこに立っていたのは……。
……裸の女だった。
「ふむ。こっちに戻るのも久しぶりじゃな。おい小僧、なかなかのプロポーションじゃろ……小僧ーーー!?」
驚くのも無理はない。俺はフィレスの細腕によって殴り飛ばされていたのだから。
「い、息はあるか小僧!しっかりしろ!」
カグツチが駆け寄ってくる。結果的に俺の眼前には大きな二つの……
「ぐはっ!(鼻血ブシャッ)」
「小僧ーーー!!!!」
閑話休題。
落ち着いた俺たちは、とりあえず剣に戻ってもらい(あっちが本当の姿らしいが)話を再開した。
「今のはわしの技の一つ、人化じゃ。人の姿になることによって自由自在に動ける」
「え?でもさっき倒れてたじゃん」
「あれくらいならできるのじゃが……移動するとなると3mが限界じゃ」
それじゃ流石に使い物にならんな。人化したら3mなんて一瞬だし。
「それと……お前、女だったのか?」
「そうじゃが?なんじゃ、気づいておらんかったのか?声で分かるじゃろう」
「生憎これはアニメじゃないんでな」
そういうのはメディアミックスしてからいってくれ。てかしゃべり方。
でも無駄に綺麗だったし、褐色美人っての始めてみた。胸はでかく、スラッとしていて、おまけにパイパ……
「ヒカル?」
ギュッ、と諸事情につき敏感になっている一物を思いきり握られた。
「ギ、ギブギブギブギブ!」
しばらくすると離してくれたので余裕ができた。……ん?
「そういえばフィレスも14歳にしてパイパ……ギブギブギブギブ!」
俺たちの話は一行に進まないのであった。




