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刀とチートと時々魔法  作者: sitis
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未来への邂逅・カグツチ

ギリ間に合ったー……危なーい……。

「わしはカグツチという!貴様ら、崇めるがよい!」


 瓦礫の山から出てきた一本の刀。その刀は、ある特徴を持っていた。

 とりあえず突っ込みたいところがいくつかあるんだが、しかしここは皆様に分かりやすく回想から始めることとしよう。


ーーー回想ーーー


 ロック・トランドルが消えてから、罠の可能性も危惧することにして警戒しながらゆっくりと民家に忍び込んだ。


「ねえ、ヒカル……これって犯罪なんじゃ……」

「しっ!見つかったらどうする!」

「わかってるんじゃん……」


 ボクの彼氏はこんな人だったのか……とフィレスが泣いている。俺には緩んでいる口元が見えるので、「あ、こいつノリノリだな」と思うだけだが。以外とスパイごっこみたいなのが好きなのか?


「ま、とはいっても空き家なんじゃねえかな……ん?」

「どうしたの?ヒカ……ん?」


 俺たちが立ち止まった理由。それは、非常に分かりやすく、そしてわざとらしく積んである瓦礫だった。


「……これ、かな……?」


 瓦礫を丁寧にどけるのも煩わしく、刀を鞘を抜かずに振ってまとめてどける。

 ガスッ

 ドカッ

 バキッ

 四回目に行こうとしたとき、「やめろ!わしに当たったら壊れるであろう!」と声が聞こえた。


「何だぁ?」

「ねえ、ヒカル。これって……」


 瓦礫に腕を突っ込んで、おそらく言葉を発したであろうものを引っ張り出す。のだが……


「硬い……?」


 コツコツと鳴るほどに、それは硬かった。それに、少し尖っているような……?


「ふんっ!」


 刀(しかも使っている限りなかなかの名刀)を持っているため、俺の力で抜けないものはほとんどない。それを利用して、今度こそ思いきり引っ張りあげる!

 そして、出てきたものは……。


「か……刀!?」

「いかにも!わしは妖刀・カグツチという!崇めよ!」


 出てきたのは、喋る一本の刀だった。




 そして冒頭に戻る。

 すなわち、俺とフィレスが変な刀を見つけた所からだ。


「……フィレス。刀が喋るってのはありえるのか?」

「刀っていうか……喋る剣なら知ってる。それも伝説ではあるけど……。人語を解す魔物である妖怪。これ自体が高位のものなんだけど、その中の最高位の妖怪を封じ込めた剣があるっていう話。それは使い手を剣として助け、そして喋ることができて、何より他に無い特性を持っているって……」

「へえ……このカグツチってのはそれくらい凄いんだ、と……」

「そうじゃ!納得してくれたかの?」


 なんかいちいち癪に障るな、こいつは……

 俺も少しいじめてやろうか。


「フィレス、これの構造が気になる。ちょっと折って解体してみようか」

「いいね!ボクも魔法を使うものとして気になるよ!」

「ははは……珍妙なことを抜かすな。わしが折れる訳が無いだろう。試してみるか?」

「フィレス。ちょっとこいつ立ててくれ。押さえててなー」

「了かーい!」

「って、聞いておらんな……」


 着々と準備を進める俺たち。うるさいぞじじい。手元が狂ったらどうする。


「さーて、折ってやろうか。とはいっても、立ててあるから天じゃ折れないし、あれ疲れるし……どうしようか」

「絶対後が本音だよね」


 こいつ眠ってて見てないはずなのになんで俺が疲れるから嫌なことがわかっているのだろう?


「まあいい。普通に抜こうか」

「無駄だ……天?その技名、聞いたことが……」

「じゃあ行くぞ、村雨流剣術・居合いの技一番『光……」

「ま、待て待て待て!タンマタンマ!」


 あまりの形相(比喩表現だ。実際は顔なんかないから形相は分からん)に、思わず手を止める。


「なんだ、負けを認めるのか?」

「み、認める認める認める認める。お主、村雨流剣術の使い手じゃったのか?」

「そうだが?なんだ、知ってるのか?」

「知っておる。そうか……村雨流剣術ということはお主、向こうの人間じゃな?」

「な……」


 なぜそれを知っている。

 普通は向こうの存在すらも知らないんじゃないのか?


「村雨流剣術の使い手ならば、折られぬまでもヒビくらいは入っていたじゃろうからな。危ない危ない」

「お前は……向こうで生まれたものなのか?」


 質問せずにはいられない。

 向こうへの手がかりを。

 こちらとの繋がりを。


「そうじゃよ。というか、お主カグツチという名前に聞き覚えは無いのかの?」

「あるが……まさか、お前……!」

「そうじゃ。わしは日本の神、カグツチが剣に封じ込められた姿じゃよ」

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