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刀とチートと時々魔法  作者: sitis
23/32

デート、そしてーーー

き、切れた…ストックが無い…

 今日も今日とて挑戦者をなぎ倒す日々……とはいかず、特に誰も来なかった。多分この前の男が相当な規模で噂を流したのだろう。あまり大風呂敷を広げるのは好きではないが、まあしかし得になるのだし男にはむしろ感謝すべきだろう。

 という訳で、今日は自由な日。休日だ。


「フィレス。せっかくだし、遊びに行かないか?」

「うん、いいね!どこに行く?」

「……チッ」


 え、本気舌打ち?


「……えっと、シャールも行くか?」

「行かないの。私はまだ昨日の二人の声が焼き付いてるの。私がお膳立てしたんだから咎めはしないけど、たまのチャンスくらいモノにさせてほしいの」

「……おう、そうか」


 何のチャンスなのかは聞かない方がいい気がする。


「ところで、耳に焼き付くなんて表現あるの?」

「どうだろうね。目に焼き付くんだから耳にも焼き付くんじゃないかな?」

「目に焼き付くってのは光によって目がおかしくなってる状態を言うんだ」


 科学の無い世界ならではの馬鹿な会話である。


「ま、まあ、ともかく俺たちは出掛けることとするよ」

「シャール、後お願いね!」

「任せるの。カインクラスの人が来なければへっちゃらなの。楽しんでくるといいの」


 快く送り出してくれるところを見ると、なんだかんだ言いつつシャールも祝福してくれているのかもしれない。そうだと信じたい。

 家を出て、適当な塀に腰を落ち着け、行商人からリンゴ(多分)を二つ買う。この行商人だが、意外と信用できる。商売はサービスしてこそ、という意識があるようだ。このリンダの人には珍しいばかりである。

 一つをフィレスに渡し、左手に残ったリンゴをかじる。甘味と酸味、味からみても確かにリンゴだ。美味い。


「あ、ありがとう。いただきまーす……はむ」


 もむもむ、と小さな一口を咀嚼するフィレス。文字にすると味気ないばかりか咀嚼の二文字のせいで少々怖くもなる一文だが、その光景は非常に可愛らしい。特に途中から美味さに顔を輝かせるところとか。


「ヒカル!これ美味しいよ!」

「そうか。なら何よりだ。……フィレスは結構食うよな」

「そりゃ、食べれる時に食べとかないとね。ほら、ボクたちって不安定な職業……っていうか今は冒険者じゃないから無職なのかな?」

「どちらかというとお尋ね者じゃないか?ミールは憎まれてたかもしれんが、それはそれ。見つかったらとっ捕まると思うぞ」

「えー……ヒーローみたいになってたりしないのかな」

「懸賞金が出てたりしなければそうなんだろうがな」


 悲しいことに、俺たちは今無職の犯罪者だ。金はいっぱいあるから生活に困ってはないが。

 そうそう、ミールから奪ったものの数々もさっきの行商人に売ったのだ。もっとも、一気にあんな量買い取ってもらえないので回数を分けているのだが。


「ヒーローねえ……それより、さっさとリンダを統一して王様にでもなりたいもんだ」

「でも、王様になったらドラッグとの全面戦争は避けられないよね」

「確かになあ……カイン辺りを王様に仕立て上げて、俺は大臣とか貴族辺りに収まるかな」


 王様と貴族を選べる立場とは、我ながら豪勢な環境だ。まだ統治してないからあくまで捕れぬ狸の皮算用なんだが、それでも楽しくなってくる。向こうでは宝くじなんて買わなかったが、帰れたら買うのもアリか。

 ふとフィレスの横顔を見る。

 ーーーフィレスには話しておくべきだろうか、俺の事。

 それに、もし帰ることができれば、俺は向こうに帰りたいこと。

 その時、フィレスはどうするのか。


「……一人で考えてもしょうがないわな。フィレス。実はーーー」


 瞬間。

 寒気が、怖気が、何より、恐怖が走った。

 その感覚は、背筋を通り抜け、脳を介さず俺の手に『刀を抜け』と命令をかける。

 それに、すぐに分かった。

 狙われているのは、フィレスだ。


「危ないっ!フィレス!」


 ガキンッ!と刀に何かが弾かれる音。見ると、それは針だった。

 遠くからの殺気ならこんな過剰反応はしない。

 というか、フィレスを狙ったものなら、俺がこんなに殺気を感じるのかーーー


 あ、そうか。

 狙いは、俺だ。


 瞬間、俺の体に鋭い痛みが走った。

遅れたとしても朝六時の更新なのであしからず。

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