新たな仲間
新ヒロイン追加?
「むしゃはむもぐもぐぱくぱくもむもむもっしゃもっしゃ(以下略)」
洞窟から出た後、酸素の薄い中まあまあ長い洞窟を全力疾走して疲れはてた俺を尻目に、金髪の少女はそこにある食料を食べ始めた。無論、俺は許可を出した訳だが、なぜ目を覚ましたのか、その小さな体のどこにそんな量が入るのかは謎である。
すごい勢いで消えていく食料。俺たちの分が残るのか不安だ。
三十分後。
樽三つ用意していた食料が、樽一つ分無くなった。
「ふう……ごちそうさまなの」
「……お、おう。お粗末さま」
「ヒカル、樽一つで良かったと思うようにしよう」
流石にフィレスも起きてきて、少女のフォローを入れる。まあ、あのペースだったしな。そう思うことにしよう。きっとそれが一番平和だ。
「まず、自己紹介するの。私はシャーロット。長いからシャールでいいの。固有能力は『未知の食材』なの」
「固有能力?」
聞きなれない単語に俺が眉を潜めると、少女改めシャールは解説してくれた。
「固有能力は、百万人に一人の確率で持っているその人個人しか使えない能力なの。それを見抜ける人も少ないから、知らないのも無理ないの」
「へー、それで、その『未知の食材』っていうのはどんな能力なの?」
「食べたものに人為的に情報が含まれている場合、それを読み取って理解することができる能力なの」
あ○きパンか。
しかし固有能力か。こっち来たときに神様がくれた奴とかかな?
「俺たちに固有能力はあるか?」
「待つの。今見てみるの……!?」
少女がのけぞって、目をこすって、もう一度俺たちを見る。なんかギャグみたいだ。
「……すごいの。どっちも固有能力付きなの。しかも、一人は桁違い……私の固有能力持ちっていう誇りを返してほしいの……」
「な、なんかすまん」
「それで、ボクたちの能力は?」
シャールは黙ってフィレスを指差す。と、説明を始めた。
「あなた……ええと、フィレスとか言ったの。フィレスの能力は、『圧縮・解放』効果はそのまま自分の魔法を圧縮して、解放するものなの。副次効果として、自分の炎を食らわないの」
「おお、なかなか強そうだね!」
次は俺を指差す。
「あなたは……ヒカルなの?ヒカルの能力は、『全状態異常耐性』これはそのままなの。あと、『特攻』これは傷を負うほど能力が上がるの。『刀の魂』刀がいいものであればあるほど能力が上がるの。……で、恐ろしいことに次、『随時更新』……要するに、まだ増えるの」
「……えー」
神様。俺チート持ちすぎ。もしかして俺の人生イージーモード?今まで必死こいて修行してきたのを返せ。
「ま、まあ色々事情があってな。それより、だ」
あまり探られたくないのも本音だが、しかし本来もっとするべき話があったので、そこに話を変える。
「シャール。お前はこれから、どうするつもりだ?」
「二人に着いていかせてほしいの」
サラッと言われた。
……なんかこう、遠慮とか無いのか。
「……いや、いいんだけどな?フィレス、お前はどう思う?」
「え、ボクに振るの?基本的にはヒカルの決定に従うけど……あ、じゃあ条件付けさせて!ヒカルとシャールちゃんは、週に一回ずつボクと二人っきりでデートすること!」
「……それでお前が満足ならいいが」
「私も別に構わないの」
「やったぁ!これでこのパーティは名実ともにボクのハーレムだぁ!」
「実」はそうかもしれないが、「名」は間違いなく俺のハーレムだろう。
「というか、ハーレムってのは一度に複数の人間を好きな者が作るもんだぞ?俺やシャールが好きなのか、お前は」
「え?ボクはヒカルのこともシャールちゃんのことも好きだよ?」
…………。
やばい。ドキッとした。実際はシャールと同列に言われたんだけど、かなりドキッとした。
俺が赤面していると、横からシャールが俺をつついてきた。
「耳を貸して」みたいなジェスチャーだったので、シャールの口もとに耳を寄せる。
すると、案の定というか、一度息を吹き掛けてから話しかけてきた。
「ヒカルはフィレスのことが好きなの?」
「んなっ!?」
そんなストレートな質問。
どうやら、俺に平穏は訪れないようである。




