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嫉妬のレディ・スノー

 やぁやぁ皆様、ご機嫌よう!

 最近、羨ましいな、とか、いいな、とか、妬ましいな、とか、いっそ全て貴様からぶんどってやろうか! って思うことない? え、ない? うっそだぁ! 絶対あるでしょう。正直に言ってみなよ。そう、仕方ないことなんだから、この世界は平等じゃないし、あまりに人間と物が多すぎるんだ。私も嫉妬しているよ、何時でも。

 どうでも良いけど、他人の笑い声って耳障りだよね! 何笑ってんだよ糞が! って思うでしょう。片っ端から、笑っている人間を絞め上げたくなるよね。首を刈っていければ、もっと爽快だよね! だってさ、何にも悩みがないみたいに笑ってるのを聞くと、……殺意湧かない? 自分は心から笑えないのに、大した苦労もしていなさそうな人間が笑っているのが妬ましい。……仕方ないよね?

 アハハ、震えてるのかい? 大丈夫、今は安心して。


 さて、原罪はもう少なくとも四つの罪を揃えている。儀式のために最低限必要な罪はあと三つ。私もその一つに含まれる。だけど、今回はそう簡単にはいかないんだ。

 儀式の言い伝えを知っているかい? 知らない? それはいけない。教えるから心の隅に置いておいてね。


 世界求めるものよ 罪を生み出ししものよ

 罪を断ち切る時が来た

 されどこれは繰り返される儀式

 願望の成就を望むもの 七つで儀式を行うが良い

 汝の願いは聞き届けられ今生の罪は許される

 希望を望むものよ 全てを揃え儀式を行うが良い

 汝は全てを手に入れる 全ては赦される

 九つを数えし時 儀式は……


 何で止めるのかって? 仕方ないじゃないか、文献がここで終わっているんだから。

 今回、儀式は九回目を迎える。今まで成功したのは二回だけ。しかも、どの時も七つまでしか揃えられなかった。八つ目の罪がいつも阻止してきた。九つ目の罪は今まで現れてすらいない。

 今、原罪は世界を求めている。原罪は完全に平等な世界を作ろうとしている。それが良いことかどうか。ただ平等にするんじゃない。完全なる平等だ。


 私は原罪を滅ぼす。それが望み。何度も利用され、踏みにじられた。ただ愛を欲しただけなのに、奴は何度も私を殺した。手に入らないなら、今度は私が奴を殺せば良い、でしょう?


 さぁ、そろそろ行かなければ。え、私が誰かって?

 これは失礼。挨拶がまだだったね。

 私はレディ・スノー。

 溶けることなく降り積もる、嫉妬の罪人さ。

 以後お見知りおきを。

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