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過去の想いを  作者:
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1ページ目の日記

結局のところ、私は自分がどうしたいのかわかっていない。

自分がわからないことが他人にわかるはずない。

そうやって、自分から境界線を作って

入ってほしくなかったんだ。


その境界線をゆるめてもいいなって思えた人は

今も仲良しの親友、あの人だったりした。


ゆるめた途端、恋をするなんて知らずに。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


自分が見えない時ってあんまないんだよ。

結構サクサク決めてさ。

友達にドライって言われるくらいだったんだよ。

だけど、あの人が絡むとどうもそれがうまくいかない。

褒めてもらいたくて頑張った教科も、

うまく行かなくて泣いていた。

自分では全力のつもりだったんだ。

だけど、テストではあんな点数をとった。

なんて言ったらいいかわからなかった。

そんな点数を見てもあの人は笑わなかった。

次があるよってフォローしてくれたんだ。

どれだけ嬉しかったことか。

今でも覚えてるよ。


些細なことでもできると真っ先にあの人に知らせた。

褒めて欲しかったんだ。

自分のやった努力はここにあると証明したくて。

過程を見ずに点数だけ見る親は私は大嫌いだった。

だから、あの人に見せたんだ。

「努力したんだ。だから。」

そうやって言ったら、私の大好きな手が

私の頭をポンポンしてくれた。嬉しかった。

私の、その時の最大のご褒美だと思った。



学年末テスト。

これまでにないくらい勉強した。

あの、教科を必死にやった。

先輩に過去問を借りてまで。

そのくらい、果たしたいことがあったんだ。



テストが返される日の朝。

あの人は私を見て、

「よー頑張ったね。」と褒めてくれた。

私はまだ自分の点数を知らないから

どうしていいのかわからなかった。


まぁ、結果は目標の1点下。

でも、いいほうだった。




あの人に褒められたい

頭ポンポンしてほしい

あの人にいい点数見せたい


そして、頑張ったのがこの結果。

頑張れなかった。

なのに褒めてくれる、あの人が大好きだった。



もう、あの人に対する境界線はなくなっていた。

だけど、

境界線がなくなった途端、あの人は別の場所へ行ってしまった。

離れてから1ヶ月。境界線どころか、

あの人に続く道さえ見つけることができなくなった。


それからなんだよ。

私の境界線が太く、濃く、緩みにくくなったのは。

人を信じることよりも

人を信じれなくなった。

冷たい人間になった。

頼れる人が回りにいない。

大好きなものはみんな遠くへ行った。

微妙な距離が私を苦しめた。


境界線は緩みにくくなり

私は冷たい人間になり

自分が見えなくなり

どうしたいのかもわからなくなった。


あの人が見たらどう思うだろう。

変わった私を見てなんて言うだろう。


手紙の返事はまだ来ない。

連絡取る手段もない。

待つだけの日々。

終わりのないゴールを目指して

永遠と走り続けているこの感じ。



こうして私は

自分が嫌いになっていく。


まいた種には水をやり忘れることが多々ある。

心の乱れが日常に染み出る。

そして怒られる。

まわりにどんよりがうつるからと。

そんなこと知るかよと思いながら

愛想笑いを繰り返していた。



平々凡々な日々。

薄っぺらいノート。増量しようと思って買いだめしたノートも

要らなくなったらしい。




境界線はきついまま。

だけど

あの人を思うとつい緩む。だからダメなんだよ。


思い出して泣いて

自立できない日々。

私がどうしたいのかは

私がよく知ってるはずなのにな。




1ページのノートに長々と文章を書き、

ペンをおいた途端

涙が止まらなかったのはなぜだろう。


感想、教えていただけると嬉しい。

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