第三話
説明が長いです。
…なぜこうなった………
今俺がいるのは合コン会場から10分ほど歩いたところにある公園だ。駅の裏にあった居酒屋とは違い、たった5分ほど歩くと風の音が聞こえるくらい静まり返っている。てっきり俺以外は電車に乗って二次会のほうに行っていると思っていたんだが………
「ちょと!人の話し聞いてんの!?」
「えー、あーうん。聞いてる聞いてる。」
「何よその態度!絶対私の話聞いてない!人の話はちゃんと最後までまじめに聞きなさい!」
あー昼にもそんなこと言われたような……
しかし何故こんなとこでこんなことをしているんだ俺は。この話しかけてくる女の子はさっきの合コンで一緒だった子だ。しかもずっと俺を見ていた子。
…気まずい!気まずいよ!!何でこんなことになってんだ?
「えーっと、聞けといわれても……大体なんで俺を追いかけてきたわけ?」
「……何でだと思う?」
えー。ここは俺に気があるからとか言わなきゃならないんだろうか。たとえ有り得ないと分かっていたとしても。
「知らない。」
誰が言うかボケ。
「…あ、そう。榊祐一、この名前に覚えがあったから。」
「覚えが?何で俺の名前知ってたんだよ。」
少なくとも俺は目の前の女の名前なんか知らない。
「新聞に載ってたわよ。死んだって。(・・・・・)」
「……死んだ?(・・・)」
死んだ
意識がなくなること。この世からいなくなること。
「少なくとも俺じゃない。俺は死んでない。」
「?でも」
「名前違いじゃね?それか同姓同名とか。俺じゃねーよ。俺は生きてる。お前だって分かるだろ?それとも何か、俺が幽霊か何かだと?」
まあ、俺は幽霊信じてないんだけど。
「間違いなくあなただった……と、…おも、う」
俺が矢継ぎ早にはやし立てると女は歯切れ悪く言う。
「大体、俺新聞読むけどそういう記事見たこと無いぜ?」
「ここの新聞じゃないわ。……外国の、よ」
外国。それは知る分けない。そして俺が載る道理もない。
「じゃあ完璧に人間違いだろ。俺が乗るわけ無いじゃん。」
「……そう、ね。まさかあなたするようなことには見えないし。ごめんなさい。変なこと言って。じゃあさようなら」
そういって背を向けて去って行こうとする。
「お、おい待てよ。」
それを俺は呼び止める。なぜだ?俺は話しかけられて迷惑してたはずだ。
でも、なぜかそこの女が言ってることをもっと聞かないといけない気がする。俺には何の関係も無いのに。
「何?」
「その、俺と同じ名前の奴のことが書いてあった記事に、なんて書いてあったんだ?」
「…気になるの?」
「まあ、同姓同名だし。そこまで聞いてしまうと気になるな。」
「……じゃあ、協会に行きましょう。あそこなら海外の新聞もあると思うし。」
協会。それは地方を治めているいわば自治会みたいなものだ。だが、その規模は半端なく大きい。教会が反乱を起こせば国がひっくり返るとも言われるほどに。そして協会にある技術は半端無く進んでいる。もともとはただひたすらに知識を追い求めるためのものだたらしい協会は、いつしか規模の大きいものとなり、それならいっそそういう国を作ってしまおうというものが現れた。実際はそんなことはしなかったが、ひとつの国を乗ったれるぐらいの知識と行動力はすでにそのときの協会にあったという。そして、協会は国こそ作らなかったが、国を管理するという状態にはなってた。すでに主要国には協会が多数あり、協会が無ければ、国は立ち行かなくなるまでに協会は拡大した。国は違えど協会に国境はない。教会というだけでひとつの世界みたいなものだからだ。
つまるところ、協会に相談するということは政府機関に相談することと同じこと。
よほどのことがないかぎり、相談事は月に一度、回覧板と一緒に回ってくる嘆願書に匿名で書くというくらいだ。
「な、なぁ、別に協会じゃなくてもいいんじゃないか?」
海外新聞なんかネットで調べればあると思う。
……多分。
「いいえ。私が見たのは地方新聞だったから、たぶん日本で見るとすると協会ぐらいでしか見れないと思うわ。」
「……はぁ、わかった。いきますよ。」
こんちくしょー
と、続けたいところだけど、なんとか口に出すのは堪えた。
「わかればいいのよ。さっさと行きましょ」
そう言って駅に向かってあるきだす。俺はそれに着いていく。が、協会の場所は反対方向だったはずだ。
「?協会は駅と反対方向じゃなかったか?」
「今日はもう遅いから帰りましょ?明日連絡するから。」
「……は?って今までの流れだと今すぐ行く気だと思ってたんだけど、俺の勘違い?」
「まあ、いいじゃない。貴方と話していたら眠くなったのよ。」
じゃあまたね。
そういって、俺を放ってさっさと帰っていく。
「何だったんだ……」
取り敢えず
「俺も帰るか…」
いろんな意味で今日は疲れた気がする。
そういえば、名前聞くのを忘れていた。