第7話:『魔導師メルク、そして絶望の結末』
キルシュの悲鳴が、あたりに響き渡る。私は、魔導師メルクの放った黒い魔力に包まれたキルシュを見て、絶望に打ちひしがれた。キルシュの体は見る見るうちに紫色に変色し、苦悶の表情を浮かべていた。
「キルシュ!!!」
私は、キルシュを助けるために、メルクへと向かっていく。しかし、メルクは、不気味な笑みを浮かべ、私を一瞥すると、黒い魔力の球を放ってきた。私は、新しく手に入れた杖で、その魔力の球を打ち消そうとした。しかし、私の放った光は、魔力の球に吸収され、逆に魔力の球を巨大化させてしまった。
「リリアン!危ない!」
エリスが叫び、私を庇おうと前に飛び出す。しかし、魔力の球は、エリスの体にも触れることなく、ただ通り過ぎていった。そして、私の杖に吸い込まれていった。
「な……!?」
私は、驚きを隠せないようだった。その瞬間、私の体から、信じられないほどの力が湧き上がってきた。
「くっ……!この力は……!」
私は、その力に圧倒され、その場に崩れ落ちた。
「ふはははは!面白い!お前、ただの聖女ではないな。その力……まるで、あの男の……!」
メルクは、楽しそうに笑った。その時、キルシュが、呻き声を上げながら立ち上がった。
「キルシュ!?大丈夫なの!?」
私は、驚いてキルシュに尋ねた。彼の顔には、苦痛の表情はなかった。
「ああ、大丈夫だ。俺の体を流れる魔力が、こいつの黒い魔力を打ち消してくれたんだ。」
キルシュはそう言って、メルクを睨みつけた。
「なるほど……。お前の体を流れる魔力は、聖女のそれとは違うな。まるで、このクリスタルの魔力と似ている……!」
メルクは、何かを確信したようにそう言った。
その時、エリスが、私の杖を手に、メルクへと向かっていく。
「リリアン、あなたは、その力でキルシュを強化して!私は、この杖で、このクリスタルの魔力を吸い取ってみせる!」
エリスはそう言って、杖を構えた。
「させるか!」
メルクが叫び、エリスへと黒い魔力を放った。しかし、エリスは、それをいとも簡単に避けた。そして、エリスの杖から放たれた光が、クリスタルへと向かっていく。
その瞬間、クリスタルは、眩い光を放ち始めた。
「な……!?馬鹿な!俺の魔力が……!」
メルクは、驚きを隠せないようだった。クリスタルから放たれる光は、メルクの魔力を吸い取り、みるみるうちにメルクの体は、小さくなっていった。
「ぐっ……!まさか……この俺が……!」
メルクは、そう言って、光の中に消えていった。
「やった……!やったわ、リリアン!」
エリスが、嬉しそうに私に抱きついてきた。
「キルシュも、大丈夫……?」
私は、キルシュに尋ねた。
「ああ、大丈夫だ。リリアン、お前のおかげで、助かった……」
キルシュはそう言って、私を優しく抱きしめてくれた。私は、彼の優しさに、涙が止まらなかった。
こうして、私たちは魔境の山脈を救った。そして、私は、自分の本当の力を知った。
私の力は、毒や呪いを浄化するだけではない。負のエネルギーを、仲間を、そして世界を救うための、最強の力に変える力だ。
私は、キルシュとエリスと共に、これからも冒険を続けていこうと、心に誓った。




