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第6話:『旅立ち、そして新たな試練』

瘴気に侵された森を救った私たちは、町の英雄としてギルドで大歓迎を受けた。ギルドマスターは、私たちの功績を称え、通常の報酬とは別に、特別な依頼を提示してきた。その内容は、この国の北にある「魔境の山脈」で起きている不可解な現象を解決するというものだった。強力な魔物が大量発生し、近隣の村々が被害を受けているという。私たちの力を試す、新たな試練だった。

私はキルシュとエリスの顔を見た。二人とも、迷いなく頷いた。その瞳には、故郷を守りたいという強い意志と、自分たちの力がどれだけ通用するのかを試したいという冒険者らしい好奇心が宿っていた。

「わかった。その依頼、引き受けます。」

キルシュが力強く答えた。彼の言葉には、信頼できる仲間と一緒なら、どんな困難も乗り越えられるという揺るぎない自信が満ちていた。

私たちは、次の冒険の準備を始めた。エリスは、これまでの旅で得た素材を使い、私たち一人ひとりに合わせた新たな武器を鍛え直してくれた。キルシュの剣は、魔力を帯びた刃となり、エリスのハンマーは、より強固な装甲を持つ盾へと変化した。そして私の杖は、純粋な魔力を増幅させる力を持つ、聖女にふさわしいものとなった。

「ありがとう、エリス。これがあれば、どんな魔物にも負けないわ。」

私は、新しくなった杖を手に、強い決意を胸に抱いた。この杖が、私自身の力の象徴のように感じられた。

数日後、私たちは王都を出発し、一路北を目指した。道中、私たちは様々な村を訪れ、魔物の被害状況を調査した。どの村も、枯れ果てた畑、破壊された家々、そして怯える村人たちの姿で溢れかえっていた。

「まるで、この世の終わりのようだ……」

エリスが悲痛な声を漏らした。村人たちの絶望が、まるで自分のことのように感じられ、私は胸が締め付けられるようだった。

「リリアン、ここだ。」

キルシュが指差したのは、山脈の入り口にそびえ立つ巨大な洞窟だった。そこからは、禍々しい魔力が噴き出しており、周囲の草木すら枯れさせていた。

「この魔力は……!以前の瘴気よりも、遥かに強力だわ……!」

エリスが警戒の声を上げる。彼女の顔には、これまでにないほどの緊張が浮かんでいた。

私たちは、慎重に洞窟の奥へと進んでいった。洞窟内には、これまでに見たこともないような凶暴な魔物がひしめき合っていた。それらは、私たちを見ると、まるで飢えた獣のように襲いかかってきた。

「リリアン、頼む!」

キルシュが叫ぶ。

私は、彼の言葉に頷き、自分のスキルを発動させた。私の『変換』スキルは、魔物から力を吸収し、それを私たちの力へと変えていく。魔物たちの猛攻にもかかわらず、私たちは疲労することなく戦い続けた。

「すごい!こんなに魔物がいるのに、全然疲れないわ!」

エリスが驚きの声を上げた。彼女の言葉に、私は自信を感じた。私たちの連携は、完璧だった。キルシュが先陣を切り、エリスが魔法で後方支援をする。そして、私が二人を強化し、回復させる。

しかし、洞窟の最深部にたどり着くと、私たちは想像を絶する光景を目にした。そこには、巨大な祭壇が築かれていた。祭壇の上には、真っ黒なクリスタルが鎮座しており、そこから禍々しい魔力が噴き出していた。そのクリスタルは、まるで生きているかのように脈動し、周囲の魔物たちに際限なく力を与えていた。

「あれが、魔物の大量発生の原因だ……!」

キルシュが叫んだ。彼の声には、怒りがこもっていた。

その時、祭壇の奥から、一人の男が現れた。彼は、顔に深い傷跡があり、不気味な笑みを浮かべていた。

「ようこそ、我が魔力の源へ。お前たちが、噂の聖女とその仲間か。」

男は、私たちを見て言った。その声は、森の瘴気のように冷たく、私の心を凍らせた。

「貴様は、いったい何者だ!?」

キルシュが、剣を構えながら尋ねた。彼の剣は、男の放つ魔力に怯えているようだった。

「俺は、魔導師メルク。このクリスタルを使って、世界を我が物にしようとしている。」

メルクは、そう言って、不敵な笑みを浮かべた。彼の言葉からは、とてつもない自信が感じられた。

「させるか!」

キルシュが叫び、メルクへと斬りかかる。しかし、メルクは、キルシュの攻撃をいとも簡単に防いだ。そして、メルクの手から放たれた黒い魔力が、キルシュの体を包み込んだ。

「ぐっ……!?」

キルシュは、苦悶の表情を浮かべた。

「キルシュ!」

私は、キルシュを助けるために、メルクへと向かっていく。しかし、メルクの力は、私の想像を遥かに超えていた。

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