第16話:『希望の魔法と、最後の切り札』
魔王が放った光の刃が、俺たちに向かって迫ってきた。
「キルシュ、大丈夫!私に任せて!」
リーナが、俺の前に飛び出した。その体から、信じられないほどの光が溢れ出した。それは、リーナがこれまで見せたことのない、純粋な魔法の光だった。
「これは……!リーナの魔法……!?」
俺は、驚きを隠せなかった。
リーナは、両手を広げ、光の刃に向かって叫んだ。
「希望の魔法……『エタニティ・ノヴァ』!」
リーナが放った光は、光の刃と激突し、凄まじい閃光を放った。閃光が収まると、光の刃は消え失せ、リーナは、息を切らしながらも、力強く立っていた。
魔王は、リーナの力に驚き、不気味な笑みを浮かべた。
「面白い……。まさか、希望の力に目覚めるとはな……。だが、それも、ここまでだ!」
魔王は、そう言って、塔の空間に渦巻く闇のオーラをすべて集め、巨大な闇の球体を創り出した。
「これこそ、この私の真の力……!『終焉の闇』だ!」
闇の球体は、絶望と恐怖を撒き散らしながら、俺たちに向かって迫ってきた。
「キルシュ……。これが、最後の……」
エリスが、絶望の声を上げた。
その時、俺の脳裏に、ユリアの言葉が蘇った。
「あなたの旅は、一人じゃないのね。私、あなたがうらやましい」
そうだ。俺は、一人じゃない。リリアンやエリス、リーナがいる。そして、ユリアがいる。
俺は、皆の想いを胸に、最後の力を振り絞った。
俺は、光の玉座から託された『最後の鍵』を、空に向かってかざした。
「これが、俺たちの、最後の切り札だ!」
『最後の鍵』は、まばゆい光を放ち、闇の球体に向かって飛んでいった。
光と闇が激突し、世界を揺るがすほどの衝撃が走った。




