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【プロローグ:異世界転生、まさかの手違い】

「……へ?」


 ――そう言い残して、ユカは意識を手放した。

 いや、厳密にはブラックな企業ビルの社長室で、ついにぶち切れて辞表を叩きつけたその帰り、階段を踏み外してしまったのだ。スカートの裾がパンプスに絡まったのが運の尽きだった。


 目覚めたのは、まさかの――


「ごめんね。ミスったわ。」


「……え?」


 眼前に立っていたのは、白髪モフモフの、神様だった。何をどう間違ったのか、本来少しのけがで目が覚めるはずだったユカの魂を転生用のスロットにぶちこんでしまったらしい。


「いや、もともと君、優秀だったから。なんか、ほら、魔法のある世界で無双したらウケるかなーって」


「勝手に“ウケ”狙わないでくれます?」


 ユカは眉をひそめた。社会人として長年積み重ねてきた“社長秘書”が、神様の「ノリ」で台無しにされる理不尽。あり得ない。


「とはいえ、ここまで来ちゃったしね。いっそ、“魔法世界で世界一の魔女”とか、目指してみたら?」


「……ふーん。世界一、ね」


 その言葉に、ユカの目が一瞬、光った。

 ――世界一。それは、何よりも合理的な価値である。かつて彼女が勤めていた会社で、彼女は常に「社内No.1の秘書」として表彰されてきた。数字で評価される場所に生きていた。


 だから彼女は、ふっと笑った。


「いいわ。やってみます、その“世界一”。」


 神様がホッとしたように胸をなで下ろす。


「おお、いい子だ。だが、魔法はちょっと衰退気味で、魔女も……君が初、みたいな?」


「……は?」

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