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読み返す尾崎凌駕 しかし深まる混迷……


   読み返す尾崎凌駕 しかし深まる混迷……

 

 まず最初の……

  殺人事件から二十数年後 別荘廃墟にて 

 だが……

 ここで尾崎凌駕と藤沢元警部が初めて会って事件について会話している。場所は別荘廃墟――

 しかし、藤沢=首猛夫で殺し屋だった、と――

 すると彼を信用するのはまずい!

 

 いや、まあ尾崎凌駕の方もちょっとした叙述トリックを会話に忍ばせてはいるんだが……

「私の方も本名は伏せさせてもらいます」⇒実は本名、という。

 まあ嘘は言っていないわけだし……

 こういう細かいものがあちこちにあるのかもしれない。

 

 いや、やはり最大のやつはライラックだ!

 

 そもそも二人がやってきた別荘廃墟は本当に事件のあった別荘なのか?

 

 根本から覆すが――

 

 ライラックは日本では北海道や東北など冷涼な地域の代表的な庭園木だ。

「母屋の前はライラックが植えてあったんでしょ?」との尾崎の問いに、

「さあ、種類というか名前まではわかりませんが、木が植えてあったかもしれませんね。全部、燃えてしまいましたが」藤沢、つまり殺し屋首猛夫はとぼけている!

 南九州にライラックはおかしい!

 

 ああ、そうだ!

 太宰治の津軽!

 津軽の最後は――

 まだまだ書きたい事が、あれこれとあつたのだが、津軽の生きてゐる雰囲気は、以上でだいたい語り尽したやうにも思はれる。私は虚飾を行はなかつた。読者をだましはしなかつた。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行かう。絶望するな。では、失敬。

 

 この小説にはそれが――

 

 津軽……つまり青森! 二つの半島が北に延びた……

 南北をひっくり返せば!

 鹿児島!

 

 そうだ! 実際に事件が起きた別荘は別にあるのだ!

 青森に!

 

 尾崎凌駕と藤沢=首猛夫が訪れた南九州の別荘廃墟の基礎には何も密室トリックに繋がるものはなかった!

「こういうコンクリート打ちっぱなしの階段が地下室に続くのはよくあると思うんですが」

 尾崎凌駕はそう言っている。それに母屋の間取り図の個室の反対側は省略されている。キッチン他――他とは何だ?

 青森の事件のあった別荘にはそこに地下に繋がる階段があったのではないか? その地下通路は離れに繋がっていたのではないか?

 

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