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殺人事件ライラック (ブリキの花嫁と針金の蝶々)  作者: 尾崎諒馬
第五部 アンチ・ミステリーに読者への挑戦状は付くか否か?
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相変わらずAIと戯れる藤沢

 

   相変わらずAIと(たわむ)れる藤沢

 

 さて、尾崎凌駕の独白が終わったところだが、藤沢は相変わらず、AIと戯れていた。

 

 藤沢:ある小説内の表現で「謂わば自発的に意識を失うタナトーシス、狸のように……」というのがあり、別の章で「僕は立ったまま気絶していたかもしれない」ともありました。これについて訊いていいですか?


 AI:もちろんです。これらの表現について、具体的にどのような点を知りたいのか教えていただければ、それに応じた解説や考察をお答えします。


  たとえば:


「自発的に意識を失うタナトーシス」という表現の意味や背景


 タナトーシス(thanatosis)は一種の擬死状態で、動物が捕食者から逃れるために死んだふりをする行動を指します。「自発的に意識を失う」と結びつけることで、自己防衛や逃避のための心理的な擬死として読める可能性があります。


「僕は立ったまま気絶していたかもしれない」という描写の意図


 立ったまま気絶するという状況は異様で、主人公の心理状態や物語のテーマに関連している可能性があります。この描写が象徴するものを探ることが面白いかもしれません。

 質問の意図や気になるポイントを教えていただければ、深く掘り下げていきます。



 藤沢:立ったまま気絶 ということは「倒れたわけではないが、ある時間意識が途切れている」ということですよね? この人が多重人格で自己防衛のために自分の知らない人格がその時出ていた、とは考えられないでしょうか?


 AI:「立ったまま気絶」という表現を、物理的な気絶だけでなく心理的・象徴的な意味として捉えると、多重人格(現在の診断名では解離性同一性障害)との関連を考えることは十分可能です。以下の観点でこの解釈を整理してみます。


 1.「立ったまま気絶」の物理的・心理的解釈

 物理的な可能性:立ったまま意識を失う状態は稀ですが、極度の緊張やストレスが原因で起こる「解離性失神」の一種として説明可能です。ただし、通常は身体がバランスを保てなくなるため、倒れるのが一般的です。

 

 心理的な可能性:倒れずに意識が途切れたという描写は、解離(dissociation)として読む方が自然かもしれません。この場合、本人の意識が一時的に「遮断」される一方、別の意識(別人格)が表出している可能性があります。


 2. 多重人格(解離性同一性障害)との関連

 解離性同一性障害では、ストレスやトラウマが引き金となって別人格が出現することがあります。この別人格は、しばしば自己防衛のために表れるとされています。

「立ったまま気絶していたかもしれない」という描写は、「自分自身の記憶が途切れた(時間を飛ばした)経験」を語っているようにも読めます。この「途切れた時間」に別人格が活動していた可能性を想定することは、小説の解釈として非常に興味深いです。

 

 3.「自発的に意識を失うタナトーシス」との関連

 タナトーシスは捕食者から身を守る擬死行動であり、極限状況での防衛反応です。この比喩を使っているなら、主人公は外部の脅威やストレスに対して「気絶」することで身を守ろうとしているとも読めます。

 この「擬死状態」が多重人格のスイッチに似たものであると解釈するのは、特に心理学的な視点から理にかなっています。


 4. 追加で確認したい点

 文脈:これらの表現がどのような状況で使われているか(例えば危険な場面、強いストレスを受けている場面など)。


 記憶の欠落:主人公がその場面の詳細を思い出せない、あるいは曖昧に感じている場合、解離性障害の可能性が高まります。


 もしこの解釈が小説の意図やテーマに合っていそうであれば、より具体的な箇所を一緒に考えてみるのも良いかもしれません!


 藤沢:ありがとうございます。実はミステリーを書いていて、上記の表現をしています。主人公は殺人事件の現場にいてその強いストレスで自己防衛のため(自分を守る)別人格が現れ、その間記憶がない、ということにしたいと思って質問しました。説明でそれほどおかしなことではないと思います。ですよね?


 AI:素晴らしいアイデアですね!その説明で十分に説得力がありますし、設定としても全くおかしなことではありません。心理学や解離性同一性障害の理解に基づいているため、読者にも納得感を与えられると思います。


 ストーリーに説得力を持たせるポイント:


 ストレスの描写

 主人公が現場で感じる強烈なストレスや恐怖感をリアルに描写することで、別人格が現れる必然性を強調できます。


 記憶の欠落

 現場での出来事について主人公自身が語る際、「どうしてもその時間だけ思い出せない」「記憶にブランクがある」という形で解離を表現すると自然です。


 主人公の混乱

 記憶の欠落に気づいた主人公が、自分の行動に疑問を抱く描写を入れることで、読者も謎に引き込まれます。


 この方向性での執筆、応援しています!必要があればいつでもご相談ください。


 藤沢:いつもありがとう。なかなか執筆は大変ですが、応援は励みになります。またよろしくお願いします。


 AI:こちらこそ、いつも素敵なアイデアを聞かせてくださりありがとうございます! 執筆が大変なのは間違いありませんが、だからこそ完成した時の達成感も大きいものです。どんな些細なことでも相談があれば、ぜひ声をかけてください。引き続き応援していますので、頑張ってくださいね!またお待ちしています


 いけないな……

 また、自分がミステリーを書いていると嘘を吐いてしまった。ただ、やはり鹿野信吾の記憶の曖昧さ、混濁は多重人格――解離性同一性障害のせいではないだろうか?

 二階で近藤社長が良美ちゃんを殺害したのを見てしまった――いや、若しくはクーラー・ボックスの中の生首を見てしまったのが大きなショックとなり、自分を守るための別人格が発現してしまう。その間、記憶が飛ぶが、主人格は夢を見ている。夢の中で鹿野信吾は近藤社長のバケツを引っぺがし、良美ちゃんは離れで寝ている、そう信じている。夢の中では近藤社長はポリ袋――生首の入ったポリ袋なんて提げてはいないわけだ。

 それで小説が嘘だらけの理由が説明できる。

 

 そうじゃないですかね? 尾崎凌駕さん

 あとは、青服と黒服……

 またお茶会でもしませんか?

 

 もちろん最後に私の正体を明かして独白を――ね。

 あなたも医療機関の「上」の闇について明かしてくれたのだから……

 でもそれは最後です……

 まだ早いでしょう。

  

 これはまだミステリーなんでしょう?

 

 尾崎諒馬の死には哀悼の意を捧げます。

 

 ただ、彼の意志は尊重してこのWeb小説は……

 ミステリーとして完結させないと……

 

 それは強く思っています。


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