醜悪は美しい。
・・・ザー
・・・・・・・ザー
・・・・・・・・・・・・・・・・・ザー
「......マキ」
今日、俺は大好きだった彼女が初めて嫌いになった。
初めて会った時。
中学生の時、俺事城ヶ崎裕太は当時親が転勤族なせいで様々な県を行き来していた。
その時の俺は陽キャ寄りな性格だったので転校したすぐの時も友達はある程度作れた。
だがすぐ去ってしまう。関係は長続きなんてしない。いつだってそう。結局ひとりぼっちになる。
そんな生活が続く中、俺は中学一年生になり、ある都会の学校に進学した。「私立朱鷺宮学園」
なんと偏差値65だ。なんならそこらへんの大学より指導内容的にも頭の良い学校だった。
お世辞にもならないが俺は頭が比較的いい方なのだ。・・・・・・・そして出会った。
.........................................彼女に。
その学校は比較的ガリ勉の陰キャたちが多かったが対照的に陽キャもある程度いた。勉強のできる陽キャだ。
だが当時の俺は小さい時と比べ、卑屈な陰キャになってしまっていた。仕方ないだろう。友達おらんし
席は窓際で一番下の隅っこにいた。俺は目つきが人より鋭いのもあり、周りは勝手にヤンキーだと勘違いを
する。人を見た目で判断する奴らは本当に鬱陶しい。イライラするぜ、プッツンするぜプッツン。
だがその時の俺は精神的にも発展途上の子どもだったのでただ現状に悲しみを憂いていた。
その時だ。
マキ「ねぇ」
裕太「え、な、、何か?」
マキ「あーそんな怖がらないで、ただ」
裕太「ただ?」
マキ「君と友達になりたいなって!だ、だめかな」
初めてだった。
自分から話しかけて友達になることはやっていた。だけど
誰かから「友達になろう」などとは人生で一度も言われたことなどなかったのだ。彼女に言われるまでは
裕太「え、?」ポロッ
マキ「え?!」
裕太「ご、ごめん、なんだか、目から勝手に」
マキ「ごごごごごごめん!!そこまで嫌だったなんて、」
裕太「違う!、、ます、、」
マキ「ん?」
裕太「俺、親が転勤族でさ、いつも転校した学校では白い目で見られてて」
裕太「俺から話しかけたりしていつも和解してたんだ。そうやって友達を作ってたんです。」
裕太「でもこの見た目だから相手側から心を寄せてくる人はいなくて」
裕太「だから、今日キミに友達になろうって初めて言われて、うれしくって、、」
マキ「!」
裕太「頭の中がぐちゃぐちゃになって、それで、それ、で、、うっ、」ポロポロ
ナデ
裕太「?!」
マキ「よしよし。辛かったんだね。我慢できて偉いね。」
裕太「あ、、あの、」
バッ
マキ「あ、ごめん!私デリカシーないからさ!アハハハハ」
裕太「ううん。そんなことない」
マキ「えっ」
裕太「君みたいな心があったかい人、なかなかいないよ。」
マキ「そ、そんなことは」
裕太「少なくとも僕は君の言葉で心があったかくなったよ。ありがとう。」
マキ「そ、そっか//」
裕太「あ、あとさっきの返事なんだけど」
マキ「?」
裕太「改めて。友達になろう。よろしくっ!」
マキ「え、あっ、うん!!」
ここまでが、僕と彼女が初めて会ったときの馴れ初め。
そして、僕が壊れるまでの序章でもある。