第51話 村の少女ケイティの不安
もうすぐ弟の誕生日! そう、後たった2か月で誕生日だ!
「おねえちゃんは気が早すぎるよぉ」
妹には呆れられるけど、楽しみにしているからしょうがないよね。私が生まれて、すぐに妹も生まれてきてくれて。それだけでも幸せだったの。
でも、どうしても弟も欲しかったの。
絶対に欲しくって、お母さんにはいつもお願いしていたのだけれど。いっつも返ってくるのは、気のない返事だった。でもやっと生まれてきてくれた。
私が10歳の時に。しかも念願の弟よ。妹も可愛いから良いのだけれど、弟も欲しかった。神様にモーレツ感謝。生まれてすぐに教会に行ったわ。
でも、弟が生まれてから、なぜかお母さんの調子が悪くなってしまった。けれど、その分、私が面倒を見ている。やることはいっぱいだけど、全然辛くない。弟が元気に育ってくれていて、毎日が楽しい。
「カールは今日も元気ね」
最近は、私が話しかける言葉や、名前にも反応してくれる。超可愛い目で見てくれる。
「ねーね」
カールが最初に話した言葉は、私のことだった。当然の役得よね。2歳の誕生日には、サプライズをもちろん用意している。残りの2か月で、さらに準備するのも当然のことよね。
羊飼いのモールスさんに、羊の毛を分けてもらって、お人形を作ろうかしら。竹で新しいコップを作ってあげようかしら。色々悩むけど早く決めないと。きっとあっという間よね。
毎日楽しいのだけれど、お母さんの調子が悪いのが治らないのが心配。いつも悲しい顔をしている。
なぜなんだろう。
もう2年以上も調子が悪くて、でも、悲しい顔なのはお父さんも一緒。私が話しかけると、微笑んでくれるけど、昔のお父さんの笑顔ではなくなってしまったの。
最近、お父さんは村長のところに良く行っているみたい。帰ってくるたびに、すごく怒っているの。何を怒っているのか聞いても、どうしても教えてもらえない。きっと子供だからなのよね。
妹もそんなお父さんとお母さんをみて、ちょっと元気がない。みんなを元気にするためにも、サプライズは色々用意しないとね! 村の人たちに話しかけて、少しずつ色々なものをもらって準備をしている。
「うひひ。このケイティの力を見せてあげるわっ」
みんなの喜ぶ顔が今から楽しみ。
毎日、村の人たちに声をかけているのだけれど。最近、ミランダおばさんも元気がない。昨日、久しぶりに見かけたから、挨拶をしたのだけれど、いつものミランダおばさんじゃなかった。
いつも優しくて、挨拶を返してくれるのに、目も合わせてくれなかった。あんなことは初めてだったの。少し瘦せたみたいだったし、悲しそうな顔をしていたのよね。心配だわ。
そうだ、良いこと思いついた! カールの誕生日にも来てもらおう。そうしよう。ご近所さまではないけれど、良くこっそり食べ物を分けてくれたし。ご恩は返さないとね。
よーし。頑張って良いサプライズパーティにしよう。そうすればみんな元気になるに違いないよね。
そういえば、先週からお母さんもなにか用意しているみたい。きっとサプライズのプレゼントに違いないわ。体調が悪くて辛そうだけど、みんなでプレゼントを合わせて盛大にお祝いよ!
あっと、カールが泣いている。おむつかな、ごはんかな。私が見えないから、寂しくなったのかもしれないね。
「はーい。カール。今行くよー」
忙しいけれど、できることをどんどんやってくぞー。




