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第33話 集落の運営目的

 集落復興に必要な食糧確保と農法の確立、人材を確保するための移動手段の確立を当面の目標としていたが、目途が付き始めた。前世の知識に加えて、スキルの能力向上の影響も大きい。


 これまで保留していたが、人材確保後の集落運営についても、真剣に詰めていく必要があるだろう。流石に、3歳児が長になるのは難しいだろうし。


 直近の目標は、村の掟で捨てられる人の救済、兼、集落の人材確保。そのために年間30人分の継続的な食糧確保を目指し、様々な課題をクリアし、目標達成の力を付けてきた。


 これからは、いよいよ人を救っていく。当面は1人ずつ、この集落に住む住民を増やしていきつつ、中期的なねらいとして、俺がどうしても許容できない、村の掟をなくすことも目指していく。


(あの掟だけは許せない。)


 人材の確保が順調に進んだとして、30人規模の集落となると、人の救済という目標だけでは、いずれ立ち行かなくなる。折角、集落を復興しても、近い将来組織は瓦解するだろう。


 助けた人たちは、最初は食糧を得られるだけで十分満足して、きっと感謝もしてくれるだろう。しかし、食糧事情が安定し生活ができるようになると、人の考えは多様化してくる。


 集落と言う組織を継続的に運営していくには、多様化する考えを、一つの方向に集約できるような目的、ありていに言えば夢が必要になる。それがないと、色々な方向に考えが発散し、不満が溜まりやすくなる。


 たとえば、住民の考えを強制し、住民を奴隷のように扱う、もしくは軍隊のような組織で運営するなど、不満を強制的・組織的に抑えるのであれば、ある程度組織は保てるだろう。しかし、そういう集落運営は、俺にとって目指したいものではなく、どちらかというと許容できないものになる。


 俺が遣り甲斐を感じられる形で、集落を長期的に運営するならば、集落に住む人が、共感できる共通の目的が必要になってくる。


(企業経営の考えに近いのかもしれない。)


 その目的は、ここに集める人材にとって共感できるもの、そして、なるべく不変的なものが望ましい。そして、俺の使命である、この世界を救うための足掛かりになるような、目的になることがベターだ。


 だが、目的を、そのまま世界を救うとしたところで、あまりに具体性がなく、俺自身も含め共感を得ることは難しい。


(集落の運営目的か・・・)


 もう少し具体化するにはどうすべきか。ここに集める人の境遇は、ほぼ一致するはず。皆、共通して村の掟の被害者となるし、被害者になった直接の原因は食糧難ということになる。


 その食糧難は、人為的な環境破壊による砂漠化が主な原因の1つ。そして、この人為的な環境破壊は、世界全域で起こっている可能性がある。女神の話では、実際起こっており、解決する見込みのない問題になっている。


 この世界の住人は、環境にとって悪影響を与えている。人口が減れば緑が回復して、その結果、環境が回復、世界が救われるという可能性は、実は十分にありえる。だが、それは女神が求めるところではない・・・と思いたい。


 少なくともこの周辺に住む人々は、生まれた時から、今のような状況下にあり、衣食住、特に食糧が慢性的に不足している。その影響は貧困層や、もしかしたら中流階級も影響を受けているかもしれない。


 村では、人が天寿を全うするまで生きることができず、老人や子供を捨てるという非道黙認し、最低限の礼節すら守ることができていない。そのことに根強い怒りや悲しみ、あるいは諦めを持っているはずだし、それらの解決につながる目的であれば、共感を得られやすいのではないかと思う。


 それを踏まえ、この集落の運営目的を「緑化による救済」とする。緑化を進めることで、食糧事情の改善も図り、人々を救済する。さらには、周りの環境を改善することで、そこに育ち増えていくであろう植物たちを救済、その緑を食べる動物たちの救済、緑が増えた影響による惑星自体の救済なども、緑化による救済に含める。


 緑化による救済を進めるためにも、短期的な目標として、これまで通り、集落の畑を農作物で埋めて食糧を確保し、村の掟で捨てられる人を救済しつつ、人材として確保していく。その人材に、環境破壊を起こさない農法を伝え、食糧を確保してもらい、老人と子供だけの組織で、集落を自立させる。


 並行して、緑化を進める方法を研究しながら、随時緑化を促進させる。この一連の流れを、集落で実現し、継続させることで、緑化促進のモデルケースとすることもねらっていく。


 そのモデルケースを、世界中に広めていければ、世界救済につながる可能性も秘めているのではないか。現時点で妄想の域を越えないが、地道に進めていこう。


 ちなみにこの運営目的は、達成できるできないにかかわらず、おそらく50年程度で岐路にたつことになるだろう。これから集める集落の住人までは、運営目的に共感してもらえる可能性は高いと思うが、その次の世代の共感を得るのは、そのときの状況によるが、難しいのではないか。


 少なくとも一部は反発し、問題になる。まあ、そんなに将来のことは誰にも想定できないし、俺自身も生きているかもわからない。まずは、目の前の妄想を少しでも実現するように努力していこう。


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