第ニ夜-魔獣の哭く夜-2
新キャラ、ビショットの幼馴染カレン、登場です!
ビショットの幼馴染、カレンの待つ村メーイルはこの世界の重要な資源である「魔石」・・・魔力を秘めた石・・・を産出する山あいの活気に満ちたところであったが、今は人気も少なく寂れたような様相を呈していた。
カレンはメーイルの宿屋で待っていた。宿屋と言っても十人程度が泊まれる小さな建屋であった。魔石の採掘に働きに来る者たちは宿屋ではなく魔石鉱山の宿泊所で寝泊まりするからである。
宿屋のドアを開け食堂のテーブルに座りお茶を飲んでいる女性に女騎士は
「カレン殿」
と呼びかけた。
カレン殿と呼ばれた年のころは女性は二十歳前後であろうか。長身でアイラよりも背が高く赤毛と吸い込まれそうな翡翠色の目をしていた。顔を上げたカレンはアイラの方を見ながら開口一番、
「この子が噂のアイラ?思ってたよりも幼いかー!」
「おい!カレン、一応初対面の相手に失礼だぞ!」
(たまにはマトモなことを言う!)
それをたしなめるようにビショットは言った。
「あ、私はカレン。こいつと同じボルグ育ちの・・・えー腐れ縁。あなたのことはいろいろ噂、聞いてたものだから初対面じゃない気がして、ごめんね。」
(どこで噂になってるの?と言うか馴れ馴れしい女!)
とアイラは内心思いつつ、
「はじめまして!アイラ、アイラ=キシアンといいます。一応あれの婚約者(仮)です。」
とビショットをさしながら言った。
それからカレンの質問攻撃が続いた。
「で、何用だ?アイラの顔を見たかった、というわけでもないだろ?」
と遮るように言うと、
「魔獣。この辺りの獣が殺気立ってるのは気付いたでしょ?アレ、魔獣の全部魔獣のせい。そんで鉱山の仕事もままならず、私が雇われたってわけ。」
魔獣、その言葉に宿屋の中の空気はピンと張りつめ重いものとなった。
「魔獣、か。」
ビショットはつぶやくように言った。
「ところでカレン、グラント王国で正騎士やってたお前がなんでこんな所で傭兵まがいのことやってる?}
と話題を無理やり切り替えた。
「いやー、騎士団長を一撃で倒しちゃって…クビになった。ハハハハハ、はあ。」
「相変わらずだな。」
アイラはようやく気付いた、このアイラと言う女性がビショットと同じ雰囲気をまとっていることを。
(この女も化け物みたいに強い???なのに怖れる魔獣って・・・?)
「重奏騎兵が要るな。」
読んで頂きありがとうございます。
中途半端な所で話切れた気もしますが
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