第一夜の1
投稿の仕方間違えたよ・・・
アイラとビショットの出会い。
時はいつのことだったろう?
ここがアトランティスと呼ばれし時代、光や次元さえ超えるテクノロジー、不老不死、無限エネルギー等々、文明は頂点を極め次元を超え拡大していった。そして出会ってしまった異世界文明イマージュ、そして戦争・・・
そう、アトランティス崩壊、人々は死に絶えたかと思われた。
しかし、大地母神マーサの予言通り世界は、人は絶えることなく続き、争いもまた・・・。
ここは辺境と呼ばれるところ。辺境の主要6つの国々が成した同盟、辺境諸国同盟が元となった地下資源に恵まれた、辺境という名に似合わず豊かなところである。その辺境の首都オルソニアから物語を始めよう。
「アイラお嬢様ー」「アイラお嬢様―起きてください」
聞きなれたお手伝いさんの声が窓から照らす朝の日差しの中聞こえてくる。
「夢?」
アイラと呼ばれた少女、齢15ほど、辺境は武家と呼ばれる家柄の令嬢である、は寝起きのぼんやりした頭で先ほどまで見ていた光景を思い出していた。
「ガランに大きな戦争なんてないのに・・・」
アイラはつぶやいた。ガラン、古語でそう呼ばれるこの世界はもう数十年大きな戦争はなく平和が保たれていた。
「アイラお嬢様ー」「アイラお嬢様―起きてください」
お手伝いさんの声がまた響いた。
「今着替え中ー!」
アイラが答えた。着替えながらもアイラの頭は今朝見た夢の方にあったので時間がかかってしまい部屋からやっと出てくると
「ご主人様も奥様ももう席におつきになっております。」
「今日はアイラお嬢様にとって大切な日でありますのに。」
とお手伝いさに小言を言われながら食堂に気が向かなさそうに歩を進めた。食堂にはもう家族全員そろっていた。辺境の上級武家の一つ、キシアン家の当主である父、そして母、騎士である兄、生意気な双子の妹二人。
「アイラ、今日が何の日か忘れた訳ではあるまい。」
父親であるランドルフ=キシアンは言った。続けざまに母エレンも
「こんな大切な日に寝坊などと・・・」
と小言をアイラに言った。
アイラの大切な日、そう、今日は婚約の日であった。武家同士、親の決めた婚約…相手の顔も見たことがない…武家の娘として生まれた以上仕方ないとアイラは自分を納得させようとしたけれど、全く気は進まなかった。と言うよりも婚約なんてしたくもなかった。アイラはうんざりして婚約から逃れようか考えていたので両親の話は右から左だった。
「聞いているのか?」
父の厳しめの言葉にアイラはやっと我に返って弱々しく返事をした。
「昼にはハウマノン本家にご挨拶に行く。しっかりと準備しておくように。」
ハウマノン家は辺境6家の一つで元々は辺境主要6か国の王家でありキシアン家よりも格上にあたる武家である。
昼前となりアイラと父ランドルフは馬車でハウマノン家に向かった。その中でもアイラは朝から続きどうやって婚約から逃れようか考えていた。ランドルフは無言でそんな娘の顔を見ていた。
「着きました、ご主人様。」
御者がそう告げるとアイラはため息をつき父の後に従いハウマノン家の中に入っていった。
ハウマノン本家の建物は辺境6家の一つだけあってキシアン家よりも大きく重厚で豪華だった。アイラはハウマノン本家に来るのは初めてでは無かったが、その重厚さが更に気分を重くした。
ハウマノン家の背の高い気の強そうなメイドの後を暫くついて行ったその時、アイラは怯えたように言った。
「こ、この部屋に何が居るの?化け」
「ご主人様とアイラ様の婚約者となられる方ですが、どうかなさいました?」
青ざめ震えるアイラにメイドは心配ないと言う口ぶりで告げた。
「アイラ様、いらっしゃいました。」
とメイドは部屋の扉を開けてアイラに入るよう促した。
そこにいたのは辺境の虎とも呼ばれる今の辺境代表を務めるゴラウ=ハウマノンとアイラの見たこともない男だった。歳は20前後、容姿もそれなりだがどことなく似合わない服装をしていた。
「よくいらした、アイラ。こいつがワシの息子となったビショットだ。2人とも緊張せず顔を合わせよ。」
と言いつつゴラウは顔を上げないアイラを見て別のことを考えていた。
(やはり分かるのか、ビショットの力が・・・キシアン家は血筋上感覚に優れるがこれほどとは。)
「こんな小娘とと婚約?何考えてんだ!」
ビショットと呼ばれた男は小ばかにしたように言った。小娘、その言葉にムッとしてアイラはやっと顔を挙げたその一瞬、ビショットと目があった。アイラの怯えは消え、ビショットの小ばかにした表情も消えずっと昔から見つめあっていた気がした。
懐かしかった…そして愛おしく憎らしく切なくかなしく…そう言った感情が一気にアイラとビショットの中に膨らんでは消えた。しかし目が合ったのは一瞬だった。アイラもビショットも錯覚と言い聞かせった、はじめて会ったのだから。
・・・その時はアイラもビショットも気付かなかったけれど風が吹き運命の歯車は動きだした。
目と頭疲れたよ!