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仮設風向計/詩集その3

誕生日

作者: Bergamasque

所謂クリスマスが誕生日だから

小さいころから損をしていると彼は言った

ケーキや贈り物がクリスマスのものと一緒になってしまうと

世界中で一番誕生を祝われている人と平凡な人間の差が滲みるね、と


本心では誰よりもクリスマスが好きだったのでしょう

仕掛け絵本のように騒がしい街を出歩き

目を細めて時計台を見上げていたのを私は知っている


私は今宵も君のいる街へ帰る

今年の聖夜はとても静かだけれど

君はどうしているのだろう


クリスマスが忘れ去られても

不特定多数に嫌われる日になっても

君のいる場所は暖かいから


私が抱えているケーキの箱も

ガラスの置時計も

ただ

あの時の暖かさを取り戻したいがための祈りのようなもの


古びたドアの向こう

キャンドルの灯のように

貴方が笑った


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― 新着の感想 ―
[一言] このたびは企画ご参加ありがとうございました。 とても静謐な雰囲気のただよう詩ですね。 ろうそくが灯された部屋で静かに味わいたい作品です。 君が今どうしているのか、私もすごく気になりました。…
[良い点] クリスマスが来る度に、彼のことを思い出す。 もし普通の日が誕生日だったら、彼のことを思い出さなかったかもれない。 クリスマスの暖かい雰囲気が、きっとそのまま彼という人の温かさを心に蘇らせ…
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